悪魔の舗道
『悪魔の舗道』ユベール・モンテイエ(ハヤカワポケミス)

高校の新任教師として地方の町に来た歴史教師バルナーブ。一見ごく普通の町だが、そこの住人は明らかにおかしかった。生活を切り詰めつつ巨大な犬を飼う夫婦、二匹のイタチを買う女体育教師、豚を飼う神父。そしてついにバルナーブのもとに一通の手紙が届き……。(あらすじ作成)

モンテイエの作品で一番有名なものは何とか賞を取った『かまきり』だと思いますが、こちらの『悪魔の舗道』も一部有識者(適当)の間では評価の高い作品です。自分もこれをおすすめされたので読んでみたわけです。

あらすじからも分かる通り、いかにもおフランスブラックユーモア風バカ導入から入る話。中盤まではこの設定だけで文句なしに面白く読ませたんですけどね……後半は中だるみというか、そんなに盛り上がらないせいで、全体的には微妙かなという印象です。ネタは良いんだから、もっとたたみ掛けていって欲しかったなぁと。
終盤でなかなかの事件が起きることは起きるのですが、そこから先の展開が完全に想定の範囲内ですし、これだけ町ぐるみの大事なのにこうもあっさり片が付いてしまうのでは正直もったいないと思います。肩透かしというか。プロットだけ見ると、もうひと捻り要求したくなってしまうのは贅沢というものでしょうかねー。

もっともモンテイエが一番書きたかったのは、冒頭で言う「国家機密以上のもの」のブラックさで、後半明かされる大スキャンダルは確かに面白かったです。これはフランスならでは……というか欧米ならではのもので、日本の読者にとってはあくまで人ごとに過ぎないから、どうしてもネタのインパクトが弱くなるのは仕方ないかもしれませんね。

まあネタバレになるので詳しくは語れませんけど、とにかくとんでもない作品であることは確かかなと思います。フランスミステリの突飛さがモロに出た感じ。短いせいかこういうのはこういうので楽しめてしまうから、フランスミステリはやめられないのです。

書 名:悪魔の舗道(1963)
著 者:ユベール・モンテイエ
出版社:早川書房
    ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1088
出版年:1969.9.30 1刷

評価★★★☆☆
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