桃の侍、金剛のパトリオット
『桃の侍、金剛のパトリオット』浅生楽(メディアワークス文庫)

1900年、清朝末期の中国で、魔神の「金剛力」を秘めた子を産む運命を背負う「桃源公主」が産声をあげた。「香桃」と名付けられた彼女を求め、清の将軍袁世凱の軍が村を襲撃する。だが香桃は村に潜んでいた旧長岡藩士鬼頭周蔵の機転で日本に亡命した。時は流れ1914年。浅草の占い小屋に身をおく書生宇佐美俊介のもとに、侍装束に身を包んだ香桃が現れて――。日本近代、辛亥革命、そして世界大戦。激動の極東を舞台に繰り広げられる歴史伝奇浪漫。(本書あらすじより)

読まされたメディアワークス文庫2冊目。誰も興味ないでしょうから感想もサクッと片付けますよ。
1914年の日本と極東・ヨーロッパの政治状況、さらには明治維新を含めて壮大なスケールで描き出す歴史ファンタジー物、といった感じです。史実と絡めた設定はしっかり練られていて非常に良いのですが、肝心の1914年部分がイマイチなので、面白かったけどそこそこという程度ですね。
1914年パートが説明ばかりでこれといって何も起きずに終わってしまい、あまりに「序章」感が強いのはあんまりいただけないかなぁ、と思います。また能力バトル面もそれほど生かされずに終わってしまい、何というかもったいないんですよ。主人公が仲間集めてわちゃわちゃしているうちに1巻が終わってしまったという感じです。

ケーニヒグレーツの戦いや義和団事件や西南戦争や第二次大隈内閣成立を絡めているところは本当に上手いので、シリーズの今後の展開には大いに期待できるところではあるのですが(作者は東海学園大学人文学部国際コミュニケーション学科で講師として西洋史を教える近代ドイツ史専門の人らしいのでそこのところはさすが)。バトルシーンの味気なさ、全体像の大きさの割の事件のしょぼさなど全体的に物足りなく、竜頭蛇尾な印象になってしまいます。登場人物がみんなやたらと気分変わっちゃうのもしまりがないのかな、大ボス登場してないし。

というわけで、やっぱりそこそこ……くらいかなぁ。感想こんなもんで許してください。

書 名:桃の侍、金剛のパトリオット(2011)
著 者:浅生楽
出版社:アスキーメディアワークス
    メディアワークス文庫 あ-6-1
出版年:2011.4.25 初版

評価★★★☆☆
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://yossiworld.blog72.fc2.com/tb.php/940-2ab2fa64