探偵・日暮旅人の探し物
『探偵・日暮旅人の探し物』山口幸三郎(メディアワークス文庫)

保育士の山川陽子はある日、保護者の迎えが遅い園児・百代灯衣を自宅まで送り届ける。灯衣の自宅は治安の悪い繁華街にあり、日暮旅人と名乗る灯衣の父親は探し物専門の奇妙な探偵事務所を営んでいた。澄んだ目をした旅人と、人形のように美しい灯衣。名字の違う不思議な親子に興味を惹かれた陽子はたびたび事務所を訪れ、旅人が持つ能力を知ることになる。音、匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。旅人は、目に見えないモノを“視る”ことで探し物をしているというのだが――。(本書あらすじより)


まぁ、このブログを読んでいる方は、この手のラノベミステリもどきにあんまり興味はないと思うので(自分だってない)、とりあえず書かされたレビューをちょちょっと載せます。



『探偵・日暮旅人の探し物』山口幸三郎

 探偵・日暮旅人には視覚以外の五感がない――その代わり、彼の目はあらゆるものを「視る」ことが出来る。音、匂い、味、そして「愛」ですら。旅人の娘・灯衣の通う保育園で働く山川陽子はこの父娘に興味を持ち、旅人の事務所を訪れるようになるが……。
 タイトルに「探偵」と入っているからにはミステリだ(そして表紙から判断してきっと最近流行りのにちじょおのなぞ系に違いない)、と思って手に取られる方が多いと思うが、残念ながらミステリではない。メインとなるのは、旅人とその周辺の人間ドラマで、時にほのぼの、時にロマンティックに、暗い過去を感じさせつつ、連作短編集(っぽい)形式で語られていく。
 旅人の過去については終盤暗示とほのめかしが連発されるだけで、具体的な内容についてはシリーズを追わなくてはならない。あくまでこの第一作は導入に過ぎないということだろう。というわけで読了感は非常にモヤモヤとしたものにならざるを得ないのだが、それでも「視る」ことで五感を補い、あらゆる手がかりを見つける探偵、という設定はかなり面白いし、旅人の人柄や心温まるエピソードには惹きつけられる。それにしても続きが気になる終わり方だ……。




サークルの部誌用のレビューだったのであんまりけなしませんでしたが、要するに設定が面白かったというだけで、ぶっちゃけ全然面白くはありませんでした。作者自身が言うように、探偵ものは苦手らしく、つまり探偵ものではありません。物を探すのはなんか普通にあっさり全部見つかっちゃう(しかも目を使ったくらいの説明しかない)ので、話のきっかけという以上の意味はないのかなぁと思います。旅人の能力は旅人にしか具体的に分からないもののため、読者は正直よく分かんないんですよね。というわけでミステリではなく。

肝心の人間ドラマも、まーなんかどうも退屈で。あまりに旅人の周りで話が閉じてしまっているし、読者を引きつけるほどのものが感じられません。第一話「椅子の声」だけはストーリーも能力もうまく生きていて面白いんですが……他はどうもなぁ、微妙。

という感じだったんですが、読書メーター視たら絶賛の嵐だし、日暮旅人“シリーズ”(マジですか)がセカンドシーズン含めて6冊も出ていることを知ってしまって、つくづくラノベはよく分かんねぇなぁと思ったのでした。

書 名:探偵・日暮旅人の探し物(2010)
著 者:山口幸三郎
出版社:アスキーメディアワークス
    メディアワークス文庫 や-2-1
出版年:2010.9.25 初版
    2012.12.12 11版

評価★★☆☆☆
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