悪魔と警視庁
『悪魔と警視庁』E・C・R・ロラック(創元推理文庫)

濃霧に包まれた晩秋のロンドン。帰庁途中のマクドナルド首席警部は、深夜の街路で引ったくりから女性を救った後、車を警視庁に置いて帰宅した。翌日、彼は車の後部座席に、悪魔(メフイストフエレス)の装束をまとった刺殺死体を発見する。捜査に乗り出したマクドナルドは、同夜老オペラ歌手の車に、ナイフと『ファウストの劫罰』の楽譜が残されていたことを掴む。英国本格黄金期の傑作、本邦初訳。(本書あらすじより)

初ロラック。うん、まぁ、面白いことは面白いんですけど,今更読まなきゃいけないのかな……という気もします。言うなれば、お手本のような黄金時代風本格ミステリ。メインとなる事件とそれとは関係ない出来事がうまく絡み合っており、一定の完成度がある良い作品ではあると思います。ただ、そこそこの満足感しか与えてくれないので……あくまでクラシックな本格ミステリファン向け、ということでしょう。

読者を飽きさせまいと程よいタイミングで事件を起こしてくるため、退屈ではありません。ありませんが、どうもストーリーが平坦に思えてしまうんですよねぇ。予定調和の域に留まってしまっているというか。きちんと意外な犯人も示されるけど、そもそも真相にそこまで興味がわかなかったというのが少々辛いところです。vs警視庁というタイトルのわりに全然vsしてないし。

ただ、序盤はかなり楽しめました。大英帝国らしく、ロンドンの話でありながら異国情緒が強いのです。中国とかドイツとかフランスとか。登場人物も(主人公の何とか警部以外は)みなクセがあって面白いですし、キャラクターだけ見ればかなり良い出来。全員をうまく生かしきれなかったのがもったいなかったところかもしれませんね。

という感じですので、ロラックの未訳作品が訳された!……くらいの価値しかないんじゃないか、というのが個人的な感想なのでした。まぁディヴァインと続けて読んだのが失敗だったかもですね、はい。

書 名:悪魔と警視庁
著 者:E・C・R・ロラック
出版社:東京創元社
    創元推理文庫 Mロ-7-1
出版年:2013.3.22 初版

評価★★★☆☆
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