クリーピー
『クリーピー』前川裕(光文社)

杉並区の住宅街に、微妙に孤立してみえる一戸建てが三軒。大学教授の高倉家は夫婦二人ぐらし。隣は四人家族の西野家。向かいは老親子が住む田中家。ごく薄いつきあいの隣人同士の関係はしかし、田中家の失火炎上を契機とするかのように、大きく歪みはじめる……。第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。(本書あらすじより)

えぇー、どうもTYです。ただいま絶賛インフルエンザ堪能中でして、ブログに新しく記事を書くような気力がわかないのです。って更新してるじゃん。
そこでですね、サークルの企画として「マッドハッター賞」というのがありまして、まぁこれについてはおいおい説明しますけど、とにかくその企画のために書いたレビューをコピペしようということにしました。楽だからね。いずれネット公開される予定らしいし、まぁいいでしょう。
というわけで、まずは『クリーピー』です。面白かったですよ。以下、企画用に書いた600字レビュー。




新人離れした傑作ホラーミステリ

 きんもちわるい、という思いが読んでいる間ずっと付きまとっていた。事件の性質、犯人の手口、主人公が追い詰められていく様――全てが不気味で、ぞくっとさせられる。もはやホラーだ。
 と心底思わせられるくらい、作者は卓越した文章力を持っている。めーちゃくちゃ上手い。新人賞だと侮るなかれ、これはもはやプロの作品だ。
 過去の事件と現在の事件の奇妙な結び付きから、徐々に真相が明らかにされていく過程は非常に巧妙だ。ほぼ犯人が特定されているにもかかわらず、全貌がなかなか明らかにならないため、最後まで謎(とホラー)で読者を引っ張っていく。そして全ての情報が明らかにされたかと思いきや、ラストには話を綺麗にまとめさせるに十分などんでん返し。プロット構成力がずば抜けて優れているのだ。
 これほどまでに読者が引きずり込まれるのは、主人公の大学教授が、ごく普通の人であるからだろう。彼はどこにでも住んでいそうな、何てことのない一般人だ。彼の過去に事件との繋がりがあるわけでもない。そんな人が、「隣人」というごくありきたりな存在によって、恐るべき陰謀に巻き込まれていく。当然ながら、読者は彼に思いっきり感情移入してしまい、彼同様、恐怖にとらわれる。登場人物が深みにハマればハマるほど、読者も同様に抜け出せなくなる。
 デビュー作にしてここまでやってしまう前川裕氏に脱帽だ。「新人離れ」という語は本書の作者にこそふさわしい。




……これ楽ですねー。コピペだけだよ、本当に。いつもみたいにダラダラ書いてないからすげぇ短いし。
では、次回は『恋都の狐さん』の予定です。

書 名:クリーピー(2012)
著 者:前川裕
出版社:光文社
出版年:2012.2.20 初版

評価★★★★☆
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