学園島の殺人
『学園島の殺人』山口芳宏(講談社NOVELS)

島の秘密を探ろうとする者は、黒いサンタクロースに殺される――全寮制の学園の島を襲ったのは、生首の入った袋を背負って夜な夜な徘徊する謎の男だった!島に伝わる『再生の書』、来日する王女が持つ『浄化の鍵』、魔界から来たという謎の無人列車、陰謀渦巻く廃墟地帯、そして次々と起きる首切り殺人――学園を救うため、学生探偵・真野原が島の謎に挑む。(本書あらすじより)

えー、なぜいきなりこんなものを読み始めたのかというと、再びゲスい理由であれですが、まぁ表紙を見て決めたと言えなくもないです(笑)。ま、息抜きです。

さて、『学園島の殺人』、何でもこの作者の作品、作品の繋がりが結構あるようで、ここから読み出したのは正直どうかなという気もするのですが、まぁ別に問題なかったので、構わないでしょう。

感想ですが……んーーーー、なんでしょうね、この絶妙に微妙な感じ。エンタメとして面白い要素をこれでもかと詰め込んでいるのに、それらを生かしきれていないのが実にもったいないです。詰め込みまくった結果ちゃんと長さが600ページもあるくせに、何でこんなに中途半端感漂うのでしょうか。うむむ。

同じサークルの人が書いた感想をちょっと引用しますと、


学園を基盤とした孤島とか瞬間移動する生首とか萌え萌えする要素とか冷凍庫に女の子と閉じ込められたり水没する部屋から脱出したり島にまつわる因習だったりあとお風呂場のぞいたりまぁなんか全体的に萌え萌えなんだけどなんだかこう全然ぼやーっとしててなにがなんやら分らない感 アイデアの詰め込み方とかそれはねーよwwwwww的な物理トリックとかすごい北山を感じるけど北山と一緒で見せ場の作り方に難がある感じ 好き勝手やってるのに破天荒な感じがしないのはもったいない



……うん、これに付け加えることは特にないですねー。特に「見せ場の作り方に難がある感じ 好き勝手やってるのに破天荒な感じがしないのはもったいない」というところ。
この作者のスピード感というのがどうにも謎で、事件が起こるまでをやったら細かく描くくせに、事件発生後はとんでもなくあっさり目にしてしまうんですよね。病院に潜入して証言を頼んだ人のその後とか、地の文2、3行で終わらせちゃうとかどーなんですか。
あと終盤でラスボスというか、探偵役の因縁の敵役みたいのが登場するんですけど、たぶんこの作品から入った人はポカーンとなりますよね(お祖父さんとかそんな設定いきなり出てきても他の作品知らないからびっくりでした)。最後に急に畳み掛けてくるもんだから。ここも、いくらこれから読んだ自分が悪いとは言え、やはり唐突すぎやしないかと。

ちなみに、ユーモアに関しては悪くはなかったです。たまに出てくる「集英社ネタで大丈夫か?」みたいなメタっぽいのとか超好きです。しょうもないギャグで一回クスクス笑いを抑えきれなくなった気がするけど何だったかはもう忘れました。
ただし、死ぬほどくだらないギャグを言った時に、登場人物に「くだらない……」と言わせて予防線を張るのはやっぱりずるいですよー。作者がそのギャグを気に入っているっぽいだけになおさら。もっと自信を持ってください(実際8割くらいのギャグは全然笑えなかったけどまぁそれはそれで)。

あと、この本を読む動機となった表紙ですが(笑)。女の子は確かに可愛かったんですが、表紙の場面はぶっちゃけあっさり気味で、それよかその後の冷蔵室に閉じ込められるシーンの方がはるかに面白かったです。二人の関係をこれだけ思わせぶりに書いといてほったらかしとはいかがなものかと!読者に対して不親切ではなかろーかと!(混乱)


えー(ゴホン)、ま、とにかく、もうちょっと完成度を高めて欲しいかなぁというところです。楽しめましたが、強いておすすめしたい作品ではないかな。

書 名:学園島の殺人(2010)
著 者:山口芳宏
出版社:講談社
    講談社NOVELS
出版年:2010.2.4 1刷

評価★★★☆☆
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