悲しみにさよなら
『悲しみにさよなら』ナンシー・ピカード(ハヤカワ・ミステリ文庫)

いまさら何をしても母は帰ってこない。精神を病んで入院していた母は、ついに回復することなく亡くなった。それにしても何が病気の引金になったのだろう?わたしは長年心にわだかまっていた疑問を探り始めるが、誰も当時の事情を話してはくれない。そんな折り、わたしのもとに脅迫めいた手紙が届き、何者かに命を狙われることに……アガサ賞、マカヴィティ賞の最優秀長編賞を受賞したジェニー・ケイン・シリーズ代表作。(本書あらすじより)

えぇー、新年早々、ブログほったらかしにしていてすみませんでした。更新再開します。
さて、「あと5年は積みかねない読まなそうな積ん読崩し5人斬り」第四弾、ナンシー・ピカード『悲しみにさよなら』です。初ピカード。まぁ、有名な作家ですよね。一昔前に出た奴がブックオフにずらっと。女性向けという印象が強いですが。
数々の賞を受賞しているわけですからね、この作品は。期待して読んだわけですよ。はい。読んだんですよ、期待して。

……うげぇ、もう全然合わない……。賞取りまくっていて5刷だからさぞかし人気なはずなのにこりゃダメです。買ったのではなく貰い物だったのが救いというか……。

以下、かなり愚痴るので、先に誤っておきます。ごめんなさい。

あんまり詳しくないのでよく知らないのですが、これがいわゆる昔のコージーであるにせよ3Fミステリ(私立探偵じゃなきゃダメなんだっけ)であるにせよ、うぅん、ちょっとこれは苦手と言わざるを得ないです。日米の女性はこの主人公に共感出来たんだろうか……分からん……。

主人公である私、ジェニーの母親が、精神病を長く患ったあげく亡くなった。葬式にあらわれた不審な人物。母親はなぜ精神病となったのだろうか?調べていくにつれ、彼女の家族の隠された秘密が徐々に明らかに……。
ちなみにこれはシリーズ物で、ジェニーは毎作どんどん年をとっているようです(今作では34歳だっけ)。あいにく初ピカードなもので、これまでの彼女の活躍やら何やらは知らないのですが、登場人物の中にはいくつか作品をまたいで出てくる人もいるみたいですね。とはいえ、ここから読んで(あくまで内容的には)問題ありません。

あらすじから大体想像つくように、ジェニーが調べれば調べるほど、知りたくもない家族の真実・彼女と親しくしていた人々の隠していた秘密が明らかになっていく、という展開です。それでも彼女は猛々しく立ち向かい、母親のことを知ろうとするのですよ。割となりふり構わず。ここまでグイグイ行くのは確かにかっこいいです。
じゃ、何が気に入らなかったのかというと……いやもう、正直ね、自分はジェニーが最初から最後まで気に食わなかったのです。何でこの人、こんなにヒステリックで自分勝手で向こう見ずで皮肉屋で悪口ばかりで相手の言葉を素直に受け取れずイライラカリカリし続けてるの。読んでて疲れちゃうし、共感出来なかったんですけど……。
作中でジェニーが「皮肉は苦痛にたいする最大の防御だった」と言っていますが、まさにそれがジェニーを表しています(いささか言い訳っぽい気もするけど)。とにっかく皮肉。親切にしてくれる人に対してすら嫌味を言うのです。皮肉ってか、なんかずっとキレっぱなし。ちょおっとついていけなかったなぁ。

まぁね、所詮自分は男なので、ジェニーに共感出来なかったのかもしれません。少なくとも女性読者であればだいぶ感じ方は違うんだろうなぁと思います。ラストのジェニーの独り言は、それこそ全女性を代表して言っているような節はあるし(とこうやって男だの女だのいうのはあんまり良くないんですけど)。

主人公以外の点については、まぁこんなものかな、というところ。中盤がややだれて、終盤はかなりぐしゃっとまとめた感はなきにしもあらずですが、そこまで悪いとは思いません。ただし、いわゆる「真犯人」を期待してミステリ的面白さを主眼に読めるものではないですよ、もちろん。どちらかといえばハードボイルドですし。

ということで、これといって気に入った要素が全然ないのでした。ピカードファンの皆様、ごめんなさい。
ちなみに、このシリーズ、おそらく相当なイチャミスだと思われます。この作品ではジェニーは夫とイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャイチャしているし、シリーズを遡って結婚前の作品であればなおさらそうなのでは。なお、旦那はいかにも女性作家の好きそうな理想の男性タイプです(皮肉じゃないよ)。

うん、この積ん読崩し、だんだん辛くなってきましたね……あと1冊です。

書 名:悲しみにさよなら(1991)
著 者:ナンシー・ピカード
出版社:早川書房
    ハヤカワ・ミステリ文庫 164-6
出版年:1994.10.31 1刷
    1998.2.15 5刷

評価★★☆☆☆
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