『なめくじに聞いてみろ』都筑道夫(扶桑社文庫)

殺人方法考案の天才だった父が、通信教育で殺し屋を育成していたことを知った青年・桔梗信治は、彼らを消すことで父の「血に餓えた遺産」を清算すべく、東京へと赴いた。教え子たちが得意とする奇想天外な殺人方法はもちろん、名前も居場所も素顔すら判らない信治は、どうやって彼らと戦うのか―?アクションまたアクションの連続、惜しげもなくつぎ込まれたアイデアの奔流で息継ぐ間もなく読者を翻弄するナンセンス活劇の金字塔、ついに復活。 (本書あらすじより)

なかなか楽しめる作品でした。50年代の作品なのに、古臭さが全く感じられないとはたいしたもんです(とクラスの貸してくれた人が言ってた)。一度タイトルが『飢えた遺産』だかなんだかに変わったみたいですが、読み終わってみれば、うん、このタイトルの方が断然いいですね。ここ最近、つい「なめくじに聞いてみろ」と言ってしまったり(笑)

特筆すべきは、短編形式であるのに、飽きのこないよう工夫しているところです。何人もの殺し屋と戦うので、いくら殺し方に工夫を凝らしたって、殺し屋と遭遇→対決→成敗、みたいなパターンができちゃうんですが、そこんとこ頑張ってんなぁというのがよく分かります。いくつかのメインキャラも効果的に活用し、マンネリにならないようにしているのはさすがです。

殺し方はいろいろあっていいんですが、後半になるとストーリー展開も大きくなるので、その描写がやや適当になったかなという気がします。殺し方も、ユニークなだけで実用的じゃあないんじゃないかという気が……。筆致が見事なだけに、その点が惜しまれます。

まあミステリーというより、エンターテイメント作品ですから、あまり深く考えちゃいけないのかもしれませんが(笑)殺し方は一つの見せ場になっているので、ひとまず読んでいる人が驚ければいいんじゃないでしょうか。

ところで、この時代の人たちは、こんなにキザなセリフをはいていたのかしらん(笑)

書 名:なめくじに聞いてみろ
著 者:都筑道雄
出版社:扶桑社
    扶桑社文庫
出版日:2000.10.31 1刷

評価★★★★☆
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