鬼警部アイアンサイド
『鬼警部アイアンサイド』ジム・トンプスン(ポケミス)

何者かが放った一発の銃弾がサンフランシスコ市警察の敏腕刑事ロバート・アイアンサイドから下半身の自由を奪ってしまった。だがその手腕を見込んだ警察は、彼を顧問として迎え、手足となる三人の部下を与える。車椅子を駆り、卑劣な犯罪との闘いの日々は続く……謎めいた脅迫事件、有力者の息子が起こした轢き逃げ事件、そしてアイアンサイドの部下マークが関わる傷害致死事件。鬼警部を窮地に追いこむ事件の連続、その背後でほくそ笑む黒幕とは?人気TVシリーズをもとにノワールの巨匠が書き下ろしたオリジナル・ストーリー、ついに登場。(本書あらすじより)


「なぜ初トンプスンで、一番つまらないものを選んでしまったんだ」と言われました。お、おう、そうですか。

まあしかし、はっきり言って全然面白くなかったです。プロットもキャラも書き込みが不十分に感じました。
描かれる"正義と悪の戦い"とやらが、まずあんまりピンと来ません。悪人側、街の裏の部分の描写が圧倒的に足りないんです。"処刑人"なる大ボスが出ては来ますが、こいつも何やってるのかよく分かりませんし魅力もないですし、で、あぁぁぁぁっとなって解決。アイアンサイド側の人物も、これといって印象的な描写がなされることなく、ただ駆けずり回るばかり。無駄なシーンも目立ちます(エレベーターのあれとか)。なんかもう、雑。
何と言うか、色々な意味で薄いんです。読みやすすぎる。まるでノベライズのようで……これ、オリジナルストーリーなんだけどなぁ。ただ、好意的な感想の方がよく見かけるので、自分と感性が合わなかった、ってことなんでしょうか。よく分かりません。

なお自分は、アイアンサイドは見たことありません。ドラマを知らない人でも分かるようきちんと書かれてはいますが、やはり見たことある人向けなのかなぁ、という気がします。褒めている人も、基本的にアイアンサイドを見たことある人ばかりのような……。
という感じです。ノベライズやTVシリーズをもとにしたオリジナルストーリーが初というのもありますが、うぅん、やはり難しいですね。次のトンプスンは、普通に『ポップ1280』にします。

ちなみに、猟奇の鉄人さんにテレビシリーズを元にした「起こしミステリ」のオススメを教えてもらったので、せっかくですからここに列挙しておきます。
デヴィッド・マクダニエル『ナポレオン・ソロ8/ソロ対吸血鬼』『ナポレオン・ソロ5/人類抹殺計画』『ナポレオン・ソロ14/犯罪王レインボー』、マックス・アラン・コリンズ『CSI:科学捜査班―コールド・バーン』、リー・ゴールドバーグ『名探偵モンク、消防署へ行く』、大倉崇裕他『刑事コロンボ・硝子の塔』

書 名:鬼警部アイアンサイド(1967)
著 者:ジム・トンプスン
出版社:早川書房
    ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1770
出版年:2005.5.31 1刷

評価★★☆☆☆
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