ドーヴァー1
『ドーヴァー 1』ジョイス・ポーター(ポケミス)

ジュリエット・ラッグ――まるまると太って、この世の患いごととはなんの関係もないような女が、とつぜん失踪した。ある朝姿を消してから、消息を断ってしまった。はじめ、若気のあやまちで駆け落ちしたとにらんでいたクリードン警察当局も、100キロ余もあるデブの女性が、そんなことをするはずはないと考え、ひょっとしたら誘拐されたのではないかと判断した。
そこで、はるばるやってきたのが、鬼警部と怖れられるロンドン警視庁主任警部ウィルフレッド・ドーヴァーと、その手足として働くマグレガー部長刑事だった。
ドーヴァーは巨漢だった。6フィート2インチの体格、110キロという脂肪の多い肉を出来あいの古びた服にくるみ、二重顎と猪首をその上にのっけていた。縮尺のちがったちんまりとした鼻、口、眼が、ばかでかい面積の顔のなかで消え入りそうだった。
かくて、ロンドン警視庁一の気むずかし屋のドーヴァー警部は、部下を徹底的にいじめながら、失敗を重ねつつ手がかりのなにもない捜査に乗り出していった!
探偵小説界に新たなキャラクター登場! 探偵小説の面白さを満喫させる、ロンドン警視庁の名物警部ドーヴァー・シリーズ第一作!(以上本書ながーいあらすじより)


い、いっかい書きあがった記事が消えちゃったもんで、必死に書き直しております。くそぉ……。
しかも、更新が10日振り近くというね……毎日来て下さる方、本当にありがとうございます。ちょっと採点のバイトが入ってまた時間がなくて(クドクドと言い訳)。

えー、で、今回はジョイス・ポーターですね。読んだのが既に一か月前です。むむむ。ちなみに、ポーターを読むのは二年振りですね。
ドーヴァーシリーズは『2』『3』『4』のみ読んでいたんですが、はっきり言って相当好きなんですよ。特に『2』『3』。『4』はまた面白いですけど、あれはキワモノとして評価されている向きが強く、普通にユーモアミステリを楽しみたいのなら『2』『3』でしょう。

というわけで、デビュー作の『1』であります。さすがドーヴァーを生んだポーター女史、デビュー作からして結末のエグさ・皮肉さは(珍しくはないものの)強烈です。
しかも、本格ミステリとして結構良い出来栄えなんですよ。おそらく、初期4作の中では最もマトモに本格っぽいのではないでしょうか。ドーヴァー警部がちゃんと捜査も推理もするのです。手掛かりや伏線が上手く、ある意味ドーヴァーっぽくないのです(デビュー作なのに「っぽくない」というのもなんですが)。「あー、なるほどねぇ」って思った瞬間めちゃくちゃ悔しくなりました……くっ、何だ、ドーヴァーのくせに。

じゃあこの作品、お勧めできるかと言えば……残念ながらノーです。というのは、ドーヴァーシリーズ最大の持ち味である、破天荒でむちゃくちゃなユーモア成分が圧倒的に少ないんですよ。もちろん、ユーモラスではあるんですが、あるんですがというか普通にドーヴァーユーモアなんですが、ただやはり物足りないというか。序盤~中盤の尋問シーンなどはちょっと退屈ですらあります。さっきも言いましたが、ドーヴァー警部がこの頃はまだマトモで、キテレツさがちょっと足りないんです(いやまぁ、下品で怠け者なのは確かですが)。


ですから、今さらこれを積極的に読む意味は見出せないんですよね。ドーヴァーシリーズが真に面白くなるのは『2』以降、ということです。ですから皆さん、『2』『3』は読まなきゃだめですよ。特に『3』。
ま、そんな感じですね。今後もシリーズを追いたいですが……その前に、『5』以降を集めなきゃいけないんですよね……。Amazonなら安く変えるんですが、あえて古本屋で、しかも400円以内という縛りのもと探しているので、未だ『8』しか持っていません(なぜか『8/誘拐』は、あらゆる古本屋さんに100円でばらまかれています……ホント何でだ)。もし安く売っている店があるなら、どなたか教えて頂けませんか……あ、『5』は文庫で欲しいなぁ(欲張り)。

書 名:ドーヴァー 1(1964)
著 者:ジョイス・ポーター
出版社:早川書房
    ハヤカワ・ポケット・ミステリ 967
出版年:1967.1.31 初版
    1979.10.15 2版

評価★★★☆☆
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