えー、またしても久々の更新ですが、いや、これにはれっきとした理由があってですね。岡山から帰ってきたり、ミス連合宿に行ってたりで、わたわたしていて、感想なんて書く暇がなかったのです。決して『忘れられた花園』の感想を書くのが面倒くさかったとか、そういうのじゃないですよ、ホントホント。


忘れられた花園 上 忘れられた花園 下
『忘れられた花園』ケイト・モートン(東京創元社)

1913年オーストラリアの港に着いたロンドンからの船。すべての乗客が去った後、小さなトランクとともにたったひとり取り残されていた少女。トランクの中には、お伽噺の本が一冊。名前すら語らぬ身元不明のこの少女をオーストラリア人夫婦が引き取り、ネルと名付けて育て上げる。そして21歳の誕生日に、彼女にその事実を告げた。ネルは、その日から過去の虜となった……。時は移り、2005年、オーストラリア、ブリスベンで年老いたネルを看取った孫娘、カサンドラは、ネルが自分にイギリス、コーンウォールにあるコテージを遺してくれたという思いも寄らぬ事実を知らされる。なぜそのコテージはカサンドラに遺されたのか?ネルとはいったい誰だったのか?茨の迷路の先に封印され忘れられた花園のあるコテージはカサンドラに何を語るのか?サンデー・タイムズ・ベストセラー第1位。Amazon.comベストブック。オーストラリアABIA年間最優秀小説賞受賞。(本書あらすじより)


手元のエクセルによると、上巻を読み終わったのが4月6日、下巻を読み終わったのが7月27日となっています。えーっとこれはですね、翻訳ミステリー大賞授賞式を前に『忘れられた花園』を読もうと図書館で上巻を借りてきたものの(予約してから2ヶ月近くかかった)、下巻を予約するのを忘れていたせいで、下巻が来るまでさらに2ヶ月かかり、ところが2ヶ月後に自分の番が回ってきたのにもたもたしていたせいで貸し出し期間の一週間があっという間に過ぎ、自分の予約がすっとばされ、再び下巻を予約したりとかなんだとかで、結局7月になってしまったのでした。なにそれ。
せめて千葉読書会(課題図書が『リヴァトン館』)より前に読み終わりたかったんですけどね……思いの外人気の作品のようです。


まず間違いないのが、『リヴァトン館』よりはるかにミステリらしいこと、並びに文章・構成が格段に上手くなっていること、でしょうね。複数の時代を交互に描きながら、数多く伏線を張り巡らし、新たな「謎」で読者を惹きつけながら一気に最後まで読者を連れていく……なるほど、確かに面白いです。
3つの時代というのは(他にもあるのですが)、大まかに言って、現代(2000年代)、ネルがイギリスに行った時代(1970年代)、イライザの時代(1900年代~)となっています。で、『リヴァトン館』を書いたモートン女史のことです、謎解きは2000年代に任せつつも、基本的に書きたいのは1900年代なのですね。

ただ、『リヴァトン館』を読んだ時も思ったんですが、結局自分はこの手のゆったり大河物ヴィクトリア後期英国物語がそんなに好きじゃないんですよ(後期というか、1901年に女王は亡くなるので没後ですが)。そうとまでは言えなくても、少なくともケイト・モートンさんとはそりが合わないというか。
ヴィクトリア時代の物語は嫌いじゃないのです。『荒涼館』『月長石』は大大大傑作だと思っていますし、ホームズだってヴィクトリアです。モートンは(結局のところ)あんまりミステリじゃないのが理由かと言えば、『荒涼館』が好きなことを考えても理由はそれだけではないし。
ところがケイト・モートンが描くのは、1900年代、あくまで20世紀であり、19世紀ではないのです。1900~10年代なんて、もうなんかイギリスがかげっていく頃なわけじゃないですか。しかも、扱うのはかならずお屋敷、貴族階級なので、没落まっしぐら。やっぱりねぇ、ヴィクトリア物なら(いや別にモートンはヴィクトリア物じゃないですよ)庶民をもっと生き生きと書いて欲しいわけですよ。貴族は絶対に登場するにしても、活躍するのは庶民・下層民・労働民じゃなきゃ面白くないのです。


……ってな感じで全然まとまってないんですけど。『忘れられた花園』自体は、物語の魅力を存分に伝えてくれる良い作品だとは思います。が、まぁいっつも言ってますけど、結局好みの問題で、最後までのれなかったというか……いや本当にすみません……。

書 名:忘れられた花園(2008)
著 者:ケイト・モートン
出版社:東京創元社
出版年:2011.2.25 初版

評価★★★☆☆
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