追撃の森
『追撃の森』ジェフリー・ディーヴァー(文春文庫)

通報で森の別荘を訪れた女性保安官補ブリンを殺し屋の銃撃が襲った。逃げ場なし――現場で出会った女を連れ、ブリンは深い森を走る。時は深夜。無線なし。援軍も望めない。二人の女vs二人の殺し屋。暁の死線に向け、知力を駆使した戦いが始まる。襲撃、反撃、逆転、再逆転。天才作家が腕によりをかけて描く超緊迫サスペンス。(本書あらすじより)

人生初ジェフリー・ディーヴァーに『追撃の森』はやめろとか止せとかいや構わんとか十分面白いとか引き返せとか読んでから判断しろとか、何か色々言われながら読了です。とっても面白かったんですが、不満足、な作品……でしょうか。以下ディーヴァーの何たるかとか知らずにごちゃごちゃと。

とにかく難しいことは一切抜きのエンタメ。追う者と終われる者のサスペンス。どんでん返し。そりゃあもちろん面白くないわけがないですよ。当たり前です。
ただ、思ったほど「知力を駆使した戦い」じゃなかったのがまず問題。森に入ってから両者が火花を散らす回数が(このページ数にしては)少ないんですよね。裏を読んだりかいたり罠を張ったりといった知能戦が、ちょっと物足りないです。最初の方のアンモニア辺りが最高で、後はそれを上回れなかったかなあ、という感じ。

また、ぶっちゃけそれほど興味の持てない第二部が長いです。第一部と比べ一気にテンションが下がってしまいまして。どんなどんでん返しが来るかと思いきや(今まで自分が聞いた限りでは「どんでん返しのディーヴァー」なる二つ名があるらしい……いや、それを期待して読むのもかわいそうなんですが)割と大人しめで、何か期待していただけに不満足感を覚えます。
おそらく第二部のメインは、主人公ブリンを始めとする「家族」の物語、ということになるんでしょうね。それはそれで良いんですが、あれだけ熱いバトルを460ページもやっといて、ちょっと家族話も出した後に100ページは、やっぱり長いよなぁ、と思わないでもないです。というか思います。
……思ったんですが、ディーヴァーだとか知らなかったら、もっと素直に楽しめたんじゃないでしょうかね、私。気負い過ぎました。1時間も並ばせるくせに普通すぎる味を誇る松戸の名物鯛焼きみたい。

というわけで、やはりエンタメ作品らしくもうちょっと頑張って欲しかったなぁ、というのがディーヴァー初読者の感想です。次はちゃんとセオリー通り『ボーン・コレクター』を読みますね、はい。

書 名:追撃の森(2008)
著 者:ジェフリー・ディーヴァー
出版社:文藝春秋
    文春文庫 テ-11-21
出版年:2012.6.10 1刷

評価★★★☆☆
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://yossiworld.blog72.fc2.com/tb.php/833-d57fd8a1