『ドーヴァー 2』ジョイス・ポーター - 2009.07.20 Mon
『ドーヴァー 2』ジョイス・ポーター(ハヤカワポケミス)
ある土曜日の8時ごろ、イザベル・スラッチャーという女性が、カードリーの町の静かな通りで撃たれた。後頭部に2発。そばには犯行に使用された拳銃が落ちていた。指紋はきれいにぬぐいとられていた。歩道には血や脳みそが飛び散っていたが、奇跡的に一命はとりとめた。が、助かったとはいうものの、意識はまるっきり回復しなかった。こんこんと眠りつづけるイザベルを、地方の新聞は、眠れる美女と名づけ、紙上をにぎわしていた……が、病院側の必死の看護もむなしく8ヵ月後に、イザベルは本当に永遠の眠りについてしまった。マグレガー部長刑事を伴って、朝の6時にカードリーの中央駅に降りたったドーヴァーは、またまた持ち前の癇癪玉を爆発させた……ドーヴァーの受け持つ事件は、きまってロンドンを離れた片田舎。しかも、ほとんど動機も手がかりもない難事件を担当させられるからである。今度の眠れる美女殺人事件も、その例外ではなかったのだ……。
ミステリ史上かつてない特異なキャラクターをもったロンドン警視庁ドーヴァー主任警部、第2の事件!(本書あらすじより)
ジョイス・ポーターは、一番の傑作と言われる『ドーヴァー4/切断』だけ読んだことがあるんですが、正直4はイマイチだった覚えがあります。それに引き換え、この作品はかなり楽しめました。4は内容(とか結末)を評価されるんでしょうが、気軽なユーモアは2の方が断然上です。
とにかく読んでいてなんども吹き出しました。ドーヴァーとマグレガーの会話(さらに心の中のぼやき)は何度読んでも笑えます。この直感的推理をかざしては失敗するのは、ある種デクスターの前期のモース警部っぽいです。…んなこと言ったら怒られそうだけど。最後のドーヴァーと警察署長との会話なんか、読んでて楽しくってしょうがありませんね。
また、アクセントとしていちいち出てくる「超人パーシー」ことロドリック警視関連の話題がなかなか楽しいんです。小ネタがかっこよく随所に効いているのはうれしいもんです。
ミステリとしても、(意外に)しっかりとした構成です。犯人も動機もそれなりに上手く出来ているんです。書く人が書くから、こんなんになっちゃうんでしょうねぇ。
特に面白かった会話。
「ドアの錠が下りていることに二シリング六ペンス賭ける。行って調べてこい」
そのとおりだった。
「君は二シリング六ペンスの負けだ」とドーヴァー。「払え。ありがとう」
なぜかツボにはまった(笑)
書 名:ドーヴァー 2
著 者:ジョイス・ポーター
出版社:早川書房
ハヤカワ・ポケット・ミステリ 968
出版日:1967 初版
1979.11.15 2版
評価★★★★☆
ある土曜日の8時ごろ、イザベル・スラッチャーという女性が、カードリーの町の静かな通りで撃たれた。後頭部に2発。そばには犯行に使用された拳銃が落ちていた。指紋はきれいにぬぐいとられていた。歩道には血や脳みそが飛び散っていたが、奇跡的に一命はとりとめた。が、助かったとはいうものの、意識はまるっきり回復しなかった。こんこんと眠りつづけるイザベルを、地方の新聞は、眠れる美女と名づけ、紙上をにぎわしていた……が、病院側の必死の看護もむなしく8ヵ月後に、イザベルは本当に永遠の眠りについてしまった。マグレガー部長刑事を伴って、朝の6時にカードリーの中央駅に降りたったドーヴァーは、またまた持ち前の癇癪玉を爆発させた……ドーヴァーの受け持つ事件は、きまってロンドンを離れた片田舎。しかも、ほとんど動機も手がかりもない難事件を担当させられるからである。今度の眠れる美女殺人事件も、その例外ではなかったのだ……。
ミステリ史上かつてない特異なキャラクターをもったロンドン警視庁ドーヴァー主任警部、第2の事件!(本書あらすじより)
ジョイス・ポーターは、一番の傑作と言われる『ドーヴァー4/切断』だけ読んだことがあるんですが、正直4はイマイチだった覚えがあります。それに引き換え、この作品はかなり楽しめました。4は内容(とか結末)を評価されるんでしょうが、気軽なユーモアは2の方が断然上です。
とにかく読んでいてなんども吹き出しました。ドーヴァーとマグレガーの会話(さらに心の中のぼやき)は何度読んでも笑えます。この直感的推理をかざしては失敗するのは、ある種デクスターの前期のモース警部っぽいです。…んなこと言ったら怒られそうだけど。最後のドーヴァーと警察署長との会話なんか、読んでて楽しくってしょうがありませんね。
また、アクセントとしていちいち出てくる「超人パーシー」ことロドリック警視関連の話題がなかなか楽しいんです。小ネタがかっこよく随所に効いているのはうれしいもんです。
ミステリとしても、(意外に)しっかりとした構成です。犯人も動機もそれなりに上手く出来ているんです。書く人が書くから、こんなんになっちゃうんでしょうねぇ。
特に面白かった会話。
「ドアの錠が下りていることに二シリング六ペンス賭ける。行って調べてこい」
そのとおりだった。
「君は二シリング六ペンスの負けだ」とドーヴァー。「払え。ありがとう」
なぜかツボにはまった(笑)
書 名:ドーヴァー 2
著 者:ジョイス・ポーター
出版社:早川書房
ハヤカワ・ポケット・ミステリ 968
出版日:1967 初版
1979.11.15 2版
評価★★★★☆
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『ドーヴァー2』ジョイス・ポーター(ハヤカワポケミス)ある土曜日の8時ごろ、イザベル・スラッチャーという女性が、カードリーの町の静かな通りで撃たれた。後頭部に2発。そいとられていた。歩道には血や脳みそが飛び散っていたが、奇跡的に一命はとりとめた。が、助かっ?...