わが名はレッド
『わが名はレッド』シェイマス・スミス(ハヤカワ・ミステリ文庫)

犯罪組織を裏で操る男レッド・ドック。幼いころ親に捨てられた彼と弟は、荒れた修道院で凄惨な少年期を送る。やがて弟は非業の死を遂げ、彼は誓った。俺の人生を破壊した奴らを皆あの世に送ってやる、と。20年後、レッドは誘拐した警官夫婦の赤子を利用し、親族への復讐を開始。誰も予想だにしなかった究極の犯罪計画がついに幕を開ける……。『Mr.クイン』でミステリ史を塗りかえた著者が放つ「史上最悪」の暗黒小説。(本書あらすじより)

サークルの先輩にノワールが好きで好きでたまらない人がいまして、その人があんまりノワール読め読めいってくるので、じゃあ何か一番読みやすそうなのから貸してください……と言って借りたのが、これです。まぁ読み終わってみると、読んでて辛いような暴力と不条理に満ちた血の世界、とかそういうアレではなかったです。というか、読みやすかったですね、えぇ。というか、結構面白かったですね、はい。

大体あらすじの通りです。血も涙もないような主人公レッドが、とある計画を立て、着々とそれを進めていく……のですが、途中で「ピカソ」なる街をにぎわす連続殺人犯が偶然物語に絡んでくることで、その計画が予定通りにいかなくなります。天才的頭脳を持つレッド、同じく天才的頭脳を持つピカソ、そしてピカソやレッドに利用されまいとするルシールの3人による、熱き頭脳戦!ってな感じです。
まぁ、レッドもピカソも非情なんですけどね。平気で人とか殺しますけどね。ただ、語り口が妙に冷めているため、読んでいてそれほど嫌悪感は抱きませんでした(感情移入はしないけど)。さらに、レッドもピカソもめちゃくちゃ頭が回り、ヘマをしないため、読書中ある種の安心感があるというか。読んでいてムカつきはしますが、それも作者の計算内のことだと考えると、まぁ並々ならぬ筆力があるわけですね。

ただなぁ……このラストはちょっと不要だったかな、と思わないでもないです。レッドにはレッドなりの正義があったわけじゃないですか。せっかく悪人が主人公なんだから、もっと傲慢な結末を期待したかった、というのはあります。

ノワール(これってノワールなの?)の入門書としては読みやすい方なのかな、という気がします。生理的に無理っぽい自分が大丈夫だったので、えぇたぶん大丈夫ですとも(自信ない)。個人的にはそこそこ楽しめました。

書 名:わが名はレッド(2002)
著 者:シェイマス・スミス
出版社:早川書房
    ハヤカワ・ミステリ文庫 268-1
出版年:2002.9.15 1刷

評価★★★★☆
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