修道院の第二の殺人
『修道院の第二の殺人』アランナ・ナイト(創元推理文庫)

煙ただよう古都、ヴィクトリア朝エジンバラ。パトリック・ハイムズは修道院で働く妻と、そこの学校の教師だった女性を殺した罪で絞首刑に処された。しかし、彼は妻の殺害は認めたが、第二の殺人は頑として否認したまま死んだのだった。彼の最後の訴えを聞いたファロ警部補は、新米医師である義理の息子のヴィンスと再捜査を始める。歴史ミステリの大家が贈る、軽快な犯人捜し!(本書あらすじより)

うぅん……ぶっちゃけ、つまらなかったです。これはもう、向き不向き・好き嫌いの問題としか。

1870年、ヴィクトリア朝のイギリスが舞台だと聞くと、これはもうディケンズ的なザ・歴史ミステリに違いない!作者もディケンズ好きらしいし!……と思ったのがそもそも間違いなんですが。少なくとも、「歴史ミステリ」としての側面に大きく期待しない方が良いですね。この時代を舞台にしたのは、何と言うか単なる雰囲気のためであり、それほど必要性は感じません。随所で「ヴィクトリア朝っぽさを楽しめた!」という感想を見かけますが、個人的にはそれほどでもないというか、当たり前ですがディケンズには勝てないというか。せめて、現代とははっきり違うような文化的側面をもっと描いてくれれば良かったのですが……。

さらに、「歴史ミステリ」ということですが、ミステリとしての側面もイマイチでした。修道院の第一の殺人が結局放置されていたり、容疑者全員の扱いが均等でなかったり、決め手の証拠が皆無だったり、と、なんかこなれてないなぁという印象を受けます。
ということで、ほとんどキャラ小説なのかなぁ、と。ただ、登場人物が割と予定調和的というか、そこまで書きこまれたものではなく、どちらかと言うとありきたり。良い意味でも悪い意味でも緩すぎるんですよ。こういう読みやすい小説を好きな人は一定層いるはずですが、個人的には好みではなかったな、ということです。

とはいえ、続編の告知がね……。スチュアート朝の歴史を覆すらしいですよ。いわば、歴史を舞台に歴史ミステリってことですよ。英国史に挑戦とか、まさに『時の娘』!うぅん、結局続編も買ってしまうのかな……。

書 名:修道院の第二の殺人(1988)
著 者:アランナ・ナイト
出版社:東京創元社
    創元推理文庫 Mナ-2-1
出版年:2012.3.16 初版

評価★★☆☆☆
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