エンドコール メッセージ
『エンドコール メッセージ』山之内正文(双葉社)

ひったくり現場が録画されていたレンタルビデオ。なぜ、彼がそんな映像を撮ったのか。そこにはある切実な想いが託されていた。表題作「エンドコールメッセージ」のほか、小説推理新人賞受賞作「風の吹かない景色」などを収録。(本書あらすじより)

読まなきゃいけないリストに入っているので読みましたが、これを読んで、あやうくこれ以上のリストの消化にくじけそうになりました。
……と言ってしまうくらい、とことん自分と感覚の合わない本でした。これはもうしょうがない。しかしそれにしても、全く褒める気がしないんですが……基本どこかは褒めるTYにしては珍しいです。というか、ここ数年で一番つまんなかったんじゃなかろうか……。

「風の吹かない景色」
「エンドコール メッセージ」
「便利屋稼業猫捜索顛末記」
「明日に囁く声」

いずれの作品も、人間の心の悪というか、嫌な部分までえぐりだした上で、最後に人情物的というか、やや感動出来るような結末を持ってくる、という構成が基本です。人間ドラマが焦点だということですね。「便利屋稼業猫捜索顛末記」(これのみ書き下ろし)だけは例外的に、割とほのぼの系の、いい話です。

で、まずそのあくどい部分が気に入りません。例えば表題作の「エンドコール メッセージ」とか、特にその傾向が強いですが、もう合わないとしか言いようがないです。なんか、薄っぺらい登場人物たちが、いかにもそれっぽく振舞っているようにしか見えないんですよ。ま、ひねくれてますね、自分が。
加えてラスト、毎回いい感じに終わらせるのも気に入らないです。やっぱり薄っぺらいんですよ。もういかにも狙ってる感じがしてしまって。

ミステリとしても、結構ひねってはいるはずなんですが、これといって感心することもなく読み終わってしまいました。これはおそらく演出の問題だと思います。どうも、真相のインパクト、という点ではいずれも見せ方に失敗しているかな、という感じです。特に「便利屋稼業猫捜索顛末記」ですね。何かなし崩し的に終わってしまったように思います。


……と散々な評価をしてしまいましたが、あくまでデビュー作ですし、世評的にはそんなに悪くないようなので、あんまりTYの評価を信用しないでくださいな(じゃあ感想を書くなよという)。うーん、なんでこんなにつまんなかったのか……。
ちなみにこれ、「日常の謎」系統のものだから読めといわれて読んだんですが、「日常の謎」ですかコレ。最終話のことを言いたいのかな、たぶん。

書 名:エンドコール メッセージ(2002)
著 者:山之内正文
出版社:双葉社
出版年:2002.8.10 1刷

評価★★☆☆☆
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