赤ちゃんをさがせ
『赤ちゃんをさがせ』青井夏海(クイーンの13)

三人の妊婦が妻として登場した家で始まった本妻捜し。女子高生の出産騒動。次々キャンセルされる依頼の謎。自宅出産専門の出張助産婦コンビが向かう先は、何故かおかしな謎を抱えた家庭ばかり。それらの謎を鮮やかに解き明かすのは、「伝説のカリスマ助産婦」明楽先生!見習い助産婦・陽奈の成長と安楽椅子探偵の冴え渡る推理を描く、爽やかなユーモアに満ちたシリーズ第一弾。(創元推理文庫版のあらすじより)

国内ミステリは……えぇと、7月2日に読み終わった平石貴樹『笑ってジグソー、殺してパズル』以来、7か月振りですか。諸事情により1か月ほどこういう感じのものばかり読んでいく羽目になっており、このブログらしくないんですが、ま、お付き合いくださいませ。

というわけで、まずは『赤ちゃんをさがせ』。作者名があ行なのでこれから始めます。単行本には〈クイーンの13〉という叢書名が……き、聞いたことない。手元にある『東京創元社文庫解説総目録[資料編]』によると、「ミステリ&エンターテイメントの世界も女性の時代」……って、4つしか出てないじゃん。

いわゆる「日常の謎」に分類されるタイプの連作ミステリで、目次は

第一話 お母さんをさがせ
第二話 お父さんをさがせ
第三話 赤ちゃんをさがせ

となっています。といっても、話の中身はタイトルから想像されるものとは全然違うんですけどねー。

まず、助産婦さんが探偵役、というのが面白いです。あまり馴染みのない職業ですが、彼女たちの仕事がまさに事件と直結しているわけですから、かなり細かいところまで書きこまれている……のかな、たぶん。非常に興味深く読めました。
登場する3人の助産婦さんたちも魅力十分。3人とも探偵役ではありますが、基本全てを見抜くのが70歳くらいでありながら元気バリバリ、ほとんど無敵キャラの明楽(あきら)先生、言うこと為すことたいてい間違っている(笑)見習い助産婦かつ語り手のお調子者・陽奈、30代半ばくらいで、出張助産婦として働いているマジメな聡子さん、という構成です。この人たちのやりとりが面白いですね。というか明楽先生がほぼ神がかった設定のような……。

全ての話が、登場人物たちの会話に潜む些細な出来事を元に推理していく、というパターンです。一見そうだと思われたセリフが、見方を変えることでこんな意味に……のようなパターンが多いですね。まぁ、第二話の場合、作者が読者を勘違いさせようとして言わせたセリフを、自分はそのまま受け取らず裏の意味で取ってしまったので、ある意味がっかりですが(笑)とにかく読みやすく、基本ほのぼの系なので、万人にオススメ出来るのかな。第三話はやや話が大きくなりますが、最終話ということでまとまりもいい感じです。

……ということよりもですね、えぇ、解説や各サイトに書かれている、各話をつなぐ「とんでもない共通点」って何なんですか。頼むから誰か教えてください。コメントを非表示にして。もう気になって仕方がないんですが、いくら頭を絞っても……。

まぁでもやっぱり、殺人事件が起きた方が好きかなぁ(って言っちゃうと元も子もない)。

書 名:赤ちゃんをさがせ(2001)
著 者:青井夏海
出版社:東京創元社
    クイーンの13
出版年:2001.10.15 初版

評価★★★☆☆
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