骨と髪
『骨と髪』レオ・ブルース(原書房ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)

「従妹のアンが行方不明になった。財産狙いで夫が殺して逃げたにちがいない」と、歴史教師キャロラス・ディーンの前でがなるチョーク夫人。かくして依頼を受けたディーンが調査を進めるうち、次第に不可解な事実が明らかになってきた。アンとその夫・ラスボーンは一体何者なのか?軽妙で洒落たストーリーテリング、巧みで切れのある仕掛けで読者に挑む本格推理。(本書あらすじをかなり改変)

ヴィンテージ・ミステリ・シリーズを読むのは……ええと、まだ3つ目かな。単行本はなかなか手が回りません。ちなみに読んだのは、ジョン・ディクスン・カー『仮面劇場の殺人』と、A・A・ミルン『四日間の不思議』……なにそのラインナップ。

というわけで、初ブルースです。読み始めてまず思ったのは、ブルースの文章は思ったほど「軽妙で洒落たストーリーテリング」じゃないということです。いや、そうじゃないと言うと違うんですが、もっとユーモラスな会話の連発かと思いきや、笑かそう!というより、さぁ淡々と話を進めますぜ、クスッと来たかいアンタ、っていう大人しいものなんですよ。ニヤリ、ニヤリっとね。というわけで、読みやすいことこの上ないです。何となく一癖も二癖もある登場人物による会話が地の文より多いこともあって、とにかく進むこと進むこと。

で、読み終わった感想ですが……いやぁ、これは、変なミステリでしたね、ホント(笑)なかなか面白い題材だと思います。読み終わった後、またまたニヤリとしてしまうような、そういう妙な面白さがあります。
元々のあらすじを載せてしまうのはちょっとどうかと思ったので(といってそんなにネタバレというわけでは全然ないんですが)、かなりあやふやなあらすじを上には書きましたが、いや、実際、ストーリーとしてはある1つのポイントを追うだけなんですよ。ラスボーン夫妻は何者か?という点ですね。本格ミステリとしてそこまで出来が良いというわけではないと思います。トリックも、まぁ言ってみれば平凡ですしね。何と言っても、ディーン自身が認めているように、証拠が全然ないわけで、ディーンが最後に示した真相は、この説明なら筋が通る、というだけに過ぎません。

にも関わらず……もうとにかく笑っちゃうような真相でしたね、これは。何となく曖昧だった一連の出来事がピタリとはまるような感覚です。そこまでインパクトのあるミステリではないですし、どちらかと言えば地味かもしれませんが、ある程度ミステリを読んだ人にはおすすめしたいかな、という感じ。というか、これはアントニイ・バークリーみたいな(というと誇張があるか)玄人好みのミステリだと思うんですけどねぇ。

ちなみにタイトルですが……読み終わってみると、「骨」はともかく、「髪」の部分はなかなか意味深でした。さらにニヤリと。ま、これは読んでみてのお楽しみということで。

書 名:骨と髪(1961)
著 者:レオ・ブルース
出版社:原書房
    ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ
出版年:2005.9.2 1刷

評価★★★★☆
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