『悪魔はすぐそこに』D・M・ディヴァイン(創元推理文庫)

ハードゲート大学の数学講師ピーターは、横領容疑で免職の危機にある亡父の友人ハクストンに助力を乞われた。だが審問の場でハクストンは、教授たちに脅迫めいた言葉を吐いたのち変死する。次いで図書館で殺人が起き、名誉学長暗殺をほのめかす手紙が舞い込む。相次ぐ事件は、ピーターの父を死に追いやった八年前の醜聞が原因なのだろうか?(本書あらすじより引用)

ディヴァイン初読です。一気に読める、非常によく出来た作品だと思います(読みにくいのは最初の2行だけ。あれはやや誤訳に近いんじゃないかと……)。ディヴァインはいわゆるパズルストーリーを書く人(他にはデクスターとかプランドとかかな?)ですので、構成が非常に先を読みたくなる――つまり、読みながら????だらけになるわけです。事件に派手さはないのですが、犯人が誰でもありえそうな展開に持ち込むのがコツみたいですね。

とにかく犯人が誰かがわかりません。ミスディレクションのうまいことうまいこと。その理由としては、いわゆる「探偵役」が何人もいるからだと思います(この設定が非常に生きていることに、読み終わったら気づくんですよね)。最初はピーターが主人公、探偵がラウドン教授だと思っていたのに、ルシールがいきなりあることに気づいたり、ピーターが活躍したり、何が何だかさっぱりです(笑)

また、こういったパズラーに忘れられがちな恋愛ものをしっかり取り入れていることもよかったと思います。主軸に沿うように2つの恋愛がかなり絡んできています。ディヴァインがどこまで計算したかはわかりませんが、読者が犯人を取り違うようにワザと作っているのは間違いないですね。

この作品、かなりの人気のようで、今月にさらに増版されたようです。ディヴァインの作品は、ここ数年創元推理文庫さんから出始めています。今まで紹介が遅れていただけに嬉しいです。今度の9月にも新訳が出るみたいですね。

書 名:悪魔はすぐそこに
著 者:D・M・ディヴァイン
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mテ-7-1
発 行:2007. 初版
     2007.12.7 2版

評価★★★★★
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