『キドリントンから消えた娘』コリン・デクスター(ハヤカワ・ミステリ文庫)

二年前に失踪して以来、行方の知れなかった娘バレリーから両親に無事を知らせる手紙が届いた。彼女は生きているのか、としたら今はどこでどうしているのか。だが捜査を引き継いだモース主任警部は、ある直感を抱いていた。「バレリーは死んでいる」……幾重にも張りめぐらされた論理の罠をかいくぐり、試行錯誤の末にモースが到達した結論とは?アクロバティックな推理が未曾有の興奮を巻き起こす現代本格の最高峰。(本書あらすじより)


デクスターも残るところ読んでいないのは『ニコラス・クインの静かな生活』だけとなりました。第2作ということでか、初期の作品にみられるように、モース警部の迷走推理が激しいです。勘違い思い違い直観の数々。というか、正直多すぎるくらいだと思いました。やはり彼の作品は後期の方が非常に出来がいいように思います(なにより後期の方がルイスのキャラがいいと思う)。このアクロバッティングは、正直初めて読む人にはきついんじゃないでしょうか。デクスターを初めて取る人には、第一作『ウッドストック行き最終バス』から読むのが無難といえるでしょうね。別につまらない作品なわけじゃあないんですけど。単に、他のデクスター作品と比べたら、の話です。

バレリーの失踪から始まり、単なる事件では終わらせないのがデクスターのすごいところ。事実、大したことは起きていない(大した事件ですらない)のに、ここまで話を持たせるとはなかなかです。まだ実験的のようですが、章毎の引用文が、なかなかいい味出していますね。終わり方にはやや疑問です……こういう解決は、『カインの娘たち』にも見られますが、どうもデクスターには向いてないんじゃないかな、って気がしないでもありません。あと、ルイス部長刑事の扱いが、いい加減な気が(笑)

やはり個人的には、デクスターは後期作品、『死は我が隣人』『森を抜ける道』『悔恨の死』をオススメしたいところ。『死は我が隣人』をほめてる人、あんまりいないんだけど……。

書 名:コリン・デクスター
著 者:クレイグ・ライス
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 148-2
発 行:1989.12.31 初版
     2001.5.31 10刷

評価★★★☆☆
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