『スイート・ホーム殺人事件』クレイグ・ライス(ハヤカワ・ミステリ文庫)

お隣の奥さんが何者かに射殺されたと知って、カーステアズ家の子供たちの頭に浮かんだのは、ママのことであった。もしも女流作家であるママが犯人を捕まえれば、有名になって小説も売れるにちがいない!ところが肝心のママは新作にかかりっきり。かくして、ちびっこ三人組の活躍が始まるのですが……謎解きをほのぼのとしたユーモアとペーソスでくるみ、ライスがその持ち味をいかんなく発揮する傑作本格ミステリ!(本書あらすじより)

ユーモアミステリで有名なライスの作品を初めて読みましたが、いやー、傑作ですね。こんなに笑えてほのぼのとした作品は初めてです。最後の一行まで楽しみつくしました(ラスト2行は爆笑してしまいました)。

明らかに子供たちが知恵といろんな罠をつかって捜査する、という話なのに、子供向けどころか立派な大人向けの小説であるという点が面白いです。ときおり家庭のほのぼのとした味わいを入れながらもきちんとしたミステリーです(意外と伏線もかなり張ってあった、という)。終始お母さんと捜査に来た警部を結婚させようと目論むのもほほえましいし、口癖が「私は9人の子供を手塩にかけたんです」という巡査部長もいかしています(もうホントに)。というか、登場人物紹介からしてかなりいいです。
本文が、です、ます調で訳されていますが、これは正解でしょう。名訳じゃないかと思います。このまったりした空気は「~た。」じゃ伝わるわけがありません。ただ、このまったりさも、後半には謎解きの味わいを深め、きちんと締めているというのもいいですね。ぜひ読んでみることをお勧めしますよ。

書 名:スイート・ホーム殺人事件
著 者:クレイグ・ライス
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 28-1
発 行:1976.6.30 初版
     1994.2.28 13刷

評価★★★★★
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