『「エルサレム」亭の静かな対決』マーサ・グライムズ(文春文庫)

クリスマスの5日前、警視リチャード・ジュリーは雪に覆われた墓地で会った女性に恋をしてしまう。4日前、謎めいた神父に出会う。3日前、元貴族メルローズ・プラントが到着する。事件の解決に欠かせぬ人物だ。2日前、「エルサレム」亭にてジュリーとプラントが顔を合わせる。そしてクリスマス前日…“パブ・シリーズ”第5作。 (文春文庫)

というわけでグライムズの作品を更新します。なぜか日本の文春文庫での出版順は間違っているようで、第4作の「酔いどれ家鴨」を抜かして第5作を読みました。第3作までとは違い、村とか町に主軸を置いていないのが特徴です。というか、集まったメンバーの中で、容疑者は誰か?という極めてオーソドックスな筋書きだと思います。

このあたりから、グライムズの作品の特徴、哀愁というか、悲しみというか、が顕著に出てき始めていると思います。今作はトリックにはそれほど派手さはないし、犯人も分かる人は分かるんじゃないか(僕は分かんなかったけど)と思いますが、雪降る重苦しい感じが出てきていて、作品に独特の印象を与えているので、かなり読みやすかったと思います。ただ、帯にある「雪降る墓地で、警視恋をする」はちょっと言いすぎかも(笑)

いつもと違って、中だるみがやや感じられたのが残念と言えば残念ですね。グライムズの作品は、大したことが起きないのに着々と読めていく、ってのが魅力ですよね。

書 名:「エルサレム」亭の静かな対決
著 者:マーサ・グライムズ
出版社:文藝春秋
     文春文庫 275-35
発 行:1988.12.10 1刷

評価★★★☆☆
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