案外まともな犯罪
『案外まともな犯罪』ジョイス・ポーター(ハヤカワポケミス)

町の鼻つまみ者ホン・コンおばさんが新設したコニー相談所に大方の予想に反し、一人の客が訪れた。その婦人は、警察が自殺とした息子の死が、他殺であることを証明してほしいと依頼したのだ。息子を天国に、という切なる親心にほだされたホン・コンはさっそく警察に赴き、部長を恐喝して調査記録をせしめた。だが、なんと少年は天国どころか、教会暴涜、銀行強盗など前科数犯のとんでもない悪だったのだ。加えて、歴然たる自殺の証拠。だが、けっしてひるむことないホン・コンは、傍若無人な探偵術を展開。ついに意外な事実をつかんだのだ!(本書あらすじより)


うぅむ。案外まともな犯罪でした。

ホン・コンおばさんのシリーズは初めてですが(このばあさんいくつなんだ?)、ドーヴァー警部シリーズと比べると大分異なる印象を受けます。なぜかと言うと、

1、そもそも主人公は(いくらはちゃめちゃとは言え)一介のおばさんですから、結局のところこれは普通の私立探偵物だということになります。

2、ドーヴァー警部が(とりあえずはまがりなりにも)公的であるのに対し、基本的にホン・コンの行動は好き放題です。

3、出くわす出来事が、よりありえない、というかコメディタッチである気がします。


一番大きいのが3のポイントでしょうか。全体的にドタバタギャグ調である気がします。これがいいか悪いかというのは別の話ですが、やっぱり「ジョイス・ポーター」という独自の文調が出し切れていないんじゃないかと思います。

まぁ事件の方は例によって唐突すぎる終わり方を迎えるわけですが、まっ、これは結構いいんじゃないでしょうか。登場人物で一番良かったのは、やっぱり毛糸屋のおかみでしょう、もちろん。そして、依頼人の登場シーンが少なすぎるのはなぜでしょう?


まぁ、可もなく不可もなく、というところでしょうかねぇ。


書 名:案外まともな犯罪(1970)
著 者:ジョイス・ポーター
出版社:早川書房
    ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1167
出版年:1972.1.15 初版
    1997.6.30 3版

評価★★★☆☆
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