『ダルジールの死』レジナルド・ヒル(ハヤカワポケミス)

通報してきたのが無能で鳴らすヘクター巡査でなかったら、通報を受けたのが無頼で鳴らすダルジール警視でなかったら、事件の様相はまったく違っていたかもしれない。だが現実には、爆破テロに巻きこまれたダルジールは瀕死の重傷で生死の境をさまよい、パスコーがただ一人爆破事件を追っている。事件の背後には、反テロを標榜してテロ容疑者や支援者を殺してゆく〈新テンプル騎士団〉と名乗る謎のグループが介在しているらしい。
だが、敵のメンバーは公安捜査の中枢にも……ダルジールの容態を気づかいつつも、パスコーは単独捜査に突っ走る!度肝を抜く展開で贈る、シリーズ史上最大の話題作(本書あらすじより)

何を血迷ったか、初めてヒルを読むのに主人公が「死」ぬ本を読んでしまいました。ネタバレとか、そういったことはないんですが、まぁ順番は皆さん守って読みましょう(笑)

いやー、ものすごい話でした。常道を行くミステリでは決してありませんし、犯人探しの要素もありますが、それよりも組織的犯罪の色が強めです。ただ、バスコーに非常に共感できる、というか、登場人物のひとりひとりに感情移入できるよう、適度のユーモアを交えてテンポ良く進む展開には感心します。500ページ近くありますが、一気に読めてしまう作品ですね。デクスターが筆を断った今、イギリスの代表として、これからも良作を出していってほしいものですね。

あらすじにもあるように、シリーズ主人公のダルジール警視は見事に出てきません。これじゃ初めて読むのにどんな人物なのか分かんないんですが、ダルジールを心配する人たちが「こんな時彼なら…」とか「ダルジールなら決して…」とかそんな描写があっちゃこっちゃにたくさんあり、ぜひ彼がメインで出る話を読みたいなぁ、と思わされます。
いっしょに借りてきた『骨と沈黙』は、都合により読めなかったんですが、読んだ母親いわく、なかなかおもしろかったそうです。デクスターの未読はあと一作しか残っていないので、そろそろ新しい作家も開拓せねば…。

読んでて思ったんですが、この作品は必ずしもヒルの本領発揮ではないんじゃないですかね?シリーズの中でも異色の方だと思います。明らかに、本格ミステリっぽい空気からは外れています。他の作品については、おいおい読んでいきますから、レビューをお待ちください。

書 名:ダルジールの死
著 者:レジナルド・ヒル
出版社:早川書房
     ハヤカワポケットミステリ 1810
発 行:2008.3.15 初版

評価★★★★☆
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