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消えた玩具屋』エドマンド・クリスピン(ハヤカワポケミス283)

深夜、独身の詩人キャドガンは、オックスフォードの町を歩いていた。ふと小さな玩具屋に入った彼は、そこで死体を発見するが、頭に一撃をくらい意識を失ってしまう。翌朝意識を取り戻しキャドガンが警官と共にそこへ舞い戻ると、なんと昨夜まであったはずの玩具屋は死体もろとも消えてしまったのだ!解明を依頼されたフェン教授は、わずかな手がかりをもとに、学生たちと犯人捜査のためにオックスフォードの町を走り回るが……。(TY作成あらすじ)

写真は、ポケミス1600番台突破記念で再版された『消えた玩具屋』用に作られたケースです。希少価値高そう。箱入りだから、ビニールカバーがないんだよね。まあ、状態が新品並に信じられないほどキレイなんだけど。

初クリスピン。クリスピンはいわゆるイギリス準黄金時代に属す、1940年代に登場した方です。初版が1956年のため、裏に「1921年生まれの三十六才、現在まだ独身」とありますが、TYの持つやつは1993年の再版なんだから、せめてそこぐらい書き直しておいて欲しい(笑)
ちなみに250円で買いましたが、なぜか3ページに大量の付箋が貼られています(爆)

ちょっと思っていた内容とは違く、一夜にして死体のあった玩具屋が消えたという謎はそれほどメインじゃありませんでした。後半から、いきなり不可能犯罪的要素も出ますが(作者はカーが好きなんだよね)、これもメインとは言い難いし……。やはり中心はトリックというより、コードネームが付けられた5人や犯人を追う、主人公たちのドタバタ追跡を喜劇調に描くことなんでしょうね。きちんとした本格になる作品を、ブラックでない楽しいユーモアでテイストした感じです。そういやカーの『連続殺人事件』に似てる……か?

ちょっと残念なのは、ミステリもユーモアも中途半端になったことですね。肝心の真相が映えてこそ、ユーモアが生きる……はず。1946年の作品なので、60年代のジョイス・ポーターのようなものを期待するのは間違ってるのかもしれませんけどね。期待しすぎた作品だけに、ちょっとがっかりです。

またこれは私見ですが、主人公フェン教授は一人称「ぼく」が適当かと。「おれ」には最後まで慣れませんでした。彼は警察長官をこき使いつつも、全く警察に協力しない不届きな人物であります(笑)
あと、登場人物一覧、一人足りないよね?
さらに、再版の時、解説くらい付けて欲しかったなあ。

ところどころメタフィクション要素があります。「ぼくは推理小説で証人がなぜか警察に届け出ないのは常々おかしいと思ってるんだ」とか、作者のために主人公が章題を考えてあげようとしたりとか。そういうところはかなり面白かったです。もっとやれ。

ちなみに、メリーゴーランドの場面は、ヒッチコック監督が使用したとか。それはいいんですが、話の中ではなぜメリーゴーランドなんやねん、と突っ込まずにはいられません。吉本新喜劇も真っ青(爆)

書 名:消えた玩具屋(1946)
著 者:エドマンド・クリスピン
出版社:早川書房
    ハヤカワ・ポケット・ミステリ 283
出版年:1956.12.31 初版
    1993.9.15 再版

評価★★★☆☆
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