ドーヴァー3
『誤算』ジョイス・ポーター(ハヤカワ文庫)

猥褻きわまりない匿名の手紙が村じゅうの女に舞い込むという奇ッ怪な事件が、最近ロンドン郊外の寒村で起っていた。引き受け手のないこの怪事件に頭を痛めたロンドン警視庁はある男を派遣することにした。かくして厄介者ドーヴァー警部出馬となったが、村では女教師の自殺未遂、実力者夫人のガス中毒死事件が起こり、ついにはドーヴァーにも卑猥な手紙が……村を揺がす不可思議な犯罪の目的とは?巨体をゆすり珍しく捜査らしい捜査を始めたドーヴァーだったが……史上最低の迷警部を描くユーモア本格シリーズ第3弾!(本書あらすじより)


『ドーヴァー3』改題です。気が付きゃドーヴァーも1、2、4と読了。いやしかし、その中では一番良かったですね。笑わせっぱなしの文章と、適宜行われる捜査らしきものと、きちんとした真相がうまくマッチしています。ドーヴァーのキャラクターもしっかりしており、充実の一作です。数時間のウサ晴らしには本当にもってこい。

しかし結末はなかなかのもんでした。犯人予想にしたって、絶対コイツだと最初からずっと当たりを付けてた人がいたのに違ってたし。肝心の真相解明も例によってタナボタ(もっともこのタナボタ式は『2』の方がある意味強い……?)ではありますが、最後にこういう態度を警部が取るとは思っていませんでした。なんてマグレガー部長刑事は可愛そうなのかしら(笑)

ドーヴァーシリーズの見所は、何と言ってもユーモアです。40年前に書かれたとはいっても、全く古臭さは感じられません(たかだか40年、ともいえますが)。一番有名なのは『ドーヴァー4/切断』ですが、これはややあくが強すぎるため、本作はより万人受けするといえるでしょうね。ガチガチのミステリなわけでは当然ないので、ミステリを読まない方でも楽しめると思います。

惜しむらくは出版が早川書房のため、当分復刊の見込みはないことです。いやはや残念です、まったく。


書 名:誤算(ドーヴァー3)
著 者:ジョイス・ポーター
出版社:早川書房
    ハヤカワ・ミステリ文庫 32-3
出版年:1980.9.30 初版

評価★★★★☆
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://yossiworld.blog72.fc2.com/tb.php/189-6f0d6d1e