『休日はコーヒーショップで謎解きを』ロバート・ロプレスティ - 2019.10.03 Thu

『休日はコーヒーショップで謎解きを』ロバート・ロプレスティ(創元推理文庫)
拳銃を持って押し入ってきた男は、なぜ人質に“憎みあう三人の男”の物語を聞かせるのか? 意外な真相が光る「二人の男、一挺の銃」、殺人事件が起きたコーヒーハウスで、ツケをチャラにするため犯人探しを引き受けた詩人が、探偵として謎解きを繰り広げる黒い蘭中編賞受賞作「赤い封筒」。正統派推理短編や私立探偵小説等、短編の名手によるバラエティ豊かな9編をお贈りします。(本書あらすじより)
「ローズヴィルのピザショップ」The Roseville Way (2014)
「残酷」Brutal (2012)
「列車の通り道」Train Tracks (2018)
「共犯」The Accessory (2014)
「クロウの教訓」Crow's Lesson (2013)
「消防士を撃つ」Shooting at Firemen (2015)
「二人の男、一挺の銃」Two Men, One Gun (2013)
「宇宙の中心(センター・オブ・ザ・ユニバース) ——ワシントン州シアトル、フリーモント地区にて」The Center of the Universe (2009)
「赤い封筒」The Red Envelope (2013)
まさかの一日で読み切ってしまいました。面白かったぁ。
昨年、ミステリ作家シャンクスを主人公とした短編集『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』で話題となった、ロバート・ロプレスティの第二短編集(日本オリジナル)。基本的にシャンクスシリーズと同様の軽妙さ、良い意味での軽さを持ったノンシリーズ短編集です(一部シリーズ物もあり)。
ツイストもりもり、みたいな作風ではありませんが、この気軽さはジャック・リッチーを思い出します……と思ったのですが、よくよく考えたらそこまで似てないんですよね。現代ではちょっと珍しいとすら言える、気持ちの良い作品集ではないでしょうか。軽さと暗さを両立させた作品を読めるのが良いんだよなぁ。
変則マフィアもの&田舎住民一致団結が楽しい「ローズヴィルのピザショップ」、シリアスな復讐譚からの着地点が見事な「列車の通り道」、読みにくさが一種の魅力であり急展開でも読ませる「宇宙の中心」、ばりばりネロ・ウルフ中編インスパイアの「赤い封筒」あたりが好き。中編「赤い封筒」は、うわっ100ページもある上に登場人物ごちゃごちゃしてて読みづらい、と思って読み始めたら、正統派謎解きもので、しかも結構読みやすかったので、この作者の長編も面白そうだなと感じました。
というわけで、これは本当におすすめ。シャンクスシリーズも良かったけど、こっちの短編集の方が好きだなぁ。継続して作品が紹介されることを期待します。
原 題:The Red Envelope and Other Stories (2012~2018)
書 名:休日はコーヒーショップで謎解きを
著 者:ロバート・ロプレスティ Robert Lopresti
訳 者:高山真由美
出版社:東京創元社
創元推理文庫 Mロ-10-2
出版年:2019.08.09 初版
評価★★★★☆
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