『図書館島』ソフィア・サマター - 2018.02.01 Thu

『図書館島』ソフィア・サマター(東京創元社)
文字を持たぬ辺境の島に生まれ、異国の師の導きで書物に耽溺して育った青年は、長じて憧れの帝都に旅立つ。だが航海中、不治の病の娘と出会ったために、彼の運命は一変する。巨大な王立図書館のある島に幽閉された彼は、書き記された〈文字〉を奉じる人々と語り伝える〈声〉を信じる人々の戦いに巻き込まれてゆく。書物と口伝、真実はどちらに宿るのか? デビュー長編にして世界幻想文学大賞など四冠制覇の傑作本格ファンタジイ。(本書あらすじより)
ぜえぜえ。いや、久々にしんどい読書でした。
とりあえず、今後読もうかと考えている方は、訳者あとがきのあらすじを読まれると良いです。かなり分かりやすくまとまっています。
そもそも、なぜこれを読もうと思ったのかというと、『図書館島』という邦題や表紙のせいなのですが、ここからイメージされるような話では全くありません。本がいっぱいある島!……というよりも、人間と書物や文字との関係を、ファンタジーというよりは、民俗学的に描いた作品。じっくり文章を追っていかないと読み進められない物語なのですが、個人的には設定や内容にそこまで引き込まれませんでした。だから、ただただキツイっていう。
主人公が初めて文字を知るシーンとか、最後の島で文字を伝えるシーンのような、文字の素晴らしさ、読書の驚異を描いた場面は好きなんですが……。メインとなる、〈石の司祭〉と神官たちの対立、「書き記された〈文字〉を奉じる人々と語り伝える〈声〉を信じる人々の戦い」が、正直なところ読んでいてピンとこないのです。正直、ストーリーを読者に見せようって感じじゃないんだよなぁ。
というわけで、うん、これは期待していたような話じゃなかったとかそういうことではなく、根本的に俺に向いていないファンタジーだったんだぜ(結論)。難しい。終わり。そういうこともあります。
原 題:A Stranger in Olondria(2013)
書 名:図書館島
著 者:ソフィア・サマター Sofia Samatar
訳 者:市田泉
出版社:東京創元社
海外文学セレクション
出版年:2017.11.30 初版
評価★★☆☆☆
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