逃げるアヒル
『逃げるアヒル』ポーラ・ゴズリング(ハヤカワ・ミステリ文庫)

広告会社に勤める美貌のOLクレアは、ある日何者かに狙撃された。幸いにも軽傷ですんだが、追い打ちをかけるように彼女のアパートが爆発し、元恋人が巻き添えになって死んだ。まったく身に覚えがないクレアだったが、やがて、おぼろげな記憶の中から、数日前に言葉を交わした一人の男が浮かび上がった。彼こそ警察が血眼で追っている名うての殺し屋だったのだ。護衛についた元狙撃兵の刑事とともに逃避行に出たクレアに、暗殺者の執拗な銃口が迫る。熾烈な追撃戦をスリリングに描き英国推理作家協会賞新人賞を受賞した女流の傑作サスペンス。(本書あらすじより)

ポーラ・ゴズリングを読むのは5冊目で、高校生の頃にちょこちょこ読んでいたんですよね。ただまぁ、今ではそんなに好きな作家でもなくて(それもこれも4年前に読んだやつが地獄だったからなんだけど)……と思っていたら、意外に良くできた追う者と追われる者系ロマンスサスペンススリラーアクション小説だったのでビックリしています。ゴズリングこっち路線も書けるんですねぇ。というか今まで本格路線ばっかりで、こっち路線を読んでいなかっただけなんですが。

突然暗殺者に狙われることになった主人公の強気な女性クレアを、ベトナム戦争の後遺症を抱える不機嫌寡黙警部補マルチェックが守りつつ逃避行を行うという話。恋愛小説の黄金比みたいなキャラクターたちが、恋愛している場合じゃないのにそういう感じになるわけですね。仲が悪かった二人がいつの間にかそんな関係に……というベタさが結構いけます。
とまぁ、それだけならただのロマサスなんですが、警察内部の内通者は誰なのかという謎、逃避行物の冒険小説としての文句なしの展開、終盤の撃ち合いガンアクションに垣間見えるマルチェックの仄かな狂気(おーベトナム戦争っぽい)と、妙に読みどころが多くて普通に面白いのです。ゴズリングはデビュー作から謎解きは好きだったのね。

全体として悪くはない良サスペンスでした。スタローン主演の映画版『コブラ』がひどい、というのもよく聞きますが(というか解説にも書いてあった)、見るつもりはないです(笑) あと数作買い込んだゴズリングを積んでいるので、今後も思い出したら読んでいきます。

原 題:A Running Duck(1978)
書 名:逃げるアヒル
著 者:ポーラ・ゴズリング Paula Gosling
訳 者:山本俊子
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 151-2
出版年:1990.05.15 1刷
     1992.09.30 5刷

評価★★★★☆
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