周ロック・ホームズ
『周ロック・ホームズ 雨の軽井沢殺人事件』志茂田景樹(湘南ノベルス)

周は知人のホテルオーナー朝丘から、豪華別荘への招待状を受けとる。他の招待客は流行作家、画家など8人。事件はパーティの途中、朝丘が殺されたことから始まる。あの周さんが敢然と犯人に迫るミステリー。(本書あらすじより)

マケプレオーバー2000月間のラスト10冊目。『バーナード嬢曰く。』で紹介されたため近年知名度が上がった本ですが……こっ、これはひどい。まぁノベルスのしょうもない系の満足度とか、こんなもんだよな、うん……。

周富徳を探偵役とするミステリ、という完全に出オチのような設定なのですが、まずミステリに関してはやっぱりダメですね。登場人物をぐちゃぐちゃに動かして思いつきみたいな物理トリックを駆使して隠された血縁関係と過去の事件をよくある具合にミックスしてそこに周富徳を探偵役として放り込んだ、という、いかにもなノベルスっぽいミステリ。周富徳はまさかの素人探偵で、過去何度も事件に首を突っ込んでいて、警察官の知り合いもいて、そんな彼が滞在先の軽井沢で、地元の強情な頭かたすぎ感情的逮捕状連発警部を相手にします。つらい。どうでもいいけど、周富徳が誰とでもため口で話すっていう設定は事実なの?

いちおう周富徳が作ったトンポーローが毒殺トリックの要になっているので、周富徳である必然性がないわけではないとはいえないわけでもないこともないのですが、とはいえ周ロック・ホームズというあだ名で呼ばれることもある、ってだけでもう全部だからなぁ。ホームズも関係ないし。毒殺に使われたトンポーローをためらいなく口にした周富徳が、「このトンポーロー作ったの私じゃない。だってこんなまずいもの作らないもの」って言うシーンが一番面白かったんですけど、どうすりゃいいんですか。

というわけで表紙とあらすじの通り、期待してはいけない作品でした。同じ周ロック・ホームズなら、同時期にホリプロから出た金春智子『中華名人 周ロック・ホームズ―香港デラックス・ツアー殺人事件』の方がまだ面白い……ような予感がするけど、大差ないんでしょうね。

書 名:周ロック・ホームズ 雨の軽井沢殺人事件(1996)
著 者:志茂田景樹
出版社:湘南出版センター
     湘南ノベルス
出版年:1996.07.10 初版

評価★★☆☆☆
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