ベスト・ストーリーズⅠ ぴょんぴょんウサギ球
『ベスト・ストーリーズⅠ ぴょんぴょんウサギ球』若島正編(早川書房)

一九二五年に創刊された、アメリカの歴史ある文芸誌《ニューヨーカー》。その掲載作品から、本邦初訳を中心に、名アンソロジストが選んだ傑作を収録。当代一流の翻訳家陣が参加するアンソロジーの新定番がついに登場。(本書あらすじより)

「ぴょんぴょんウサギ球」リング・ラードナー/森慎一郎訳(1930)
「深夜考」ドロシー・パーカー/岸本佐知子訳(1933)
「ウルグアイの世界制覇」E・B・ホワイト/柴田元幸訳(1933)
「破風荘の怪事件」ジョン・コリア/若島正訳(1934)
「人はなぜ笑うのか──そもそもほんとに笑うのか?」ロバート・ベンチリー/柴田元幸訳(1937)
「いかにもいかめしく」ジョン・オハラ/片岡義男訳(1943)
「雑草」メアリー・マッカーシー/谷崎由依訳(1944)
「世界が闇に包まれたとき」シャーリイ・ジャクスン/谷崎由依訳(1944)
「ホームズさん、あれは巨大な犬の足跡でした!」エドマンド・ウィルソン/佐々木徹訳(1945)
「飲んだくれ」フランク・オコナー/桃尾美佳訳(1948)
「先生のお気に入り」ジェイムズ・サーバー/柴田元幸訳(1949)
「梯子」V・S・プリチェット/桃尾美佳訳(1949)
「ヘミングウェイの横顔──『さあ、皆さんのご意見はいかがですか?』」リリアン・ロス/木原善彦訳(1950)
「この国の六フィート」ナディン・ゴーディマー/中村和恵訳(1953)
「救命具」アーウィン・ショー/佐々木徹訳(1954)
「シェイディ・ヒルのこそこそ泥棒」ジョン・チーヴァー/森慎一郎訳(1956)
「楢の木と斧」エリザベス・ハードウィック/古屋美登里訳(1956)
「パルテノペ」レベッカ・ウェスト/藤井光訳(1959)

昔よく出ていたニューヨーカーの短編集が、若島正さんの編集によって1年かけて3冊出ました。本書はその1冊目です。半年くらいかけてちょっとずつ読み進めていました(職場で)。
ニューヨーカーらしい皮肉とユーモアと悲哀に満ちた作品が多く、平均点が高い好アンソロジーです。これ!!!という突出した傑作があるというより、1編1編軽く読めて楽しめる、間食みたいな作品集。小説だけでなく評論、エッセイなども収録しているのが特徴で、またそちらに収穫が多いので、これはもう編者のナイス采配としか言いようがないです。

良かった作品をあげると……ジョン・オハラ「いかにもいかめしく」、エドマンド・ウィルソン「ホームズさん、あれは巨大な犬の足跡でした!」、フランク・オコナー「飲んだくれ」、ナディン・ゴーディマー「この国の六フィート」、アーウィン・ショー「救命具」、レベッカ・ウェスト「パルテノペ」あたりでしょうか。ウィルソンはミステリ批判で有名な「誰がロジャー・アクロイドを殺そうとかまうものか」の続編で、ホームズの良さをアツく語っています。ゴーディマーなどはかなりシリアスな考えさせる話。

とっくにベスト・ストーリーズのⅡとⅢも出ているので完結しているのですが、うーんまぁ気が向いたら読もうかなー。間違いなく面白いとは思うんだけど、やっぱり短編集ってそこまで熱中できないので。

原 題:The Best Stories 1: Br'er Rabbit and Other Stories(2016)
書 名:ベスト・ストーリーズⅠ ぴょんぴょんウサギ球
編 者:若島正
出版社:早川書房
出版年:2015.12.25 初版

評価★★★★☆
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