犯罪は老人のたしなみ

新しいオーナーになって、ホームはすっかり変わってしまった。食事は冷凍食品、外出も厳しく制限される。こんな老後のはずではなかった。ならば自分たちの手で変えてみせるとばかり、七十九歳のメッタは一緒にホームに入った友人四人と、合計年齢三百九十二歳の素人犯罪チームを結成する。美術館の名画を誘拐して身代金を要求しようというのだ。老人ならではの知恵と手段を駆使して、誰も傷つけず大金を手にすることはできるのか?(本書あらすじより)

あらすじ読んだらめっちゃ面白そうだったんですよ。老人版ウェストレイクとかトニー・ケンリックみたいで(っていうかウェストレイクこういうの書いてそうだな)。ところがあらすじには重大な一文が抜けていたのです。すなわち、「テレビで刑務所の生活を見たメッタは、囚人たちの方がはるかに恵まれた環境で暮らしていることに気付いた。そこで犯罪を行い、あえて捕まることで、刑務所での夢の生活を目指すことに。」です。え、捕まるの?
結論から言うと、まぁケンリックが書いたら百倍面白くなったんだろうなーという感じ。少々ぐだついてしまったのが残念です。

老人ホームの老人たちが犯罪計画を立て、着々と盗みを働く序盤は最高に面白いです。老人たちがスマートな犯罪をする話を期待していたら、計画外の出来事やらミスやらで上手いこといかなくなってしまう話だったのですが、これはこれで悪くないし。っていうか犯罪者となるにはまず身体作りだと、ジムで鍛えだしたりするくらいにはみんな元気すぎですからね。歩行器途中から使わなくても歩けるし、体調の不満とか病気とか一切ないですしね。バック・シャッツが見たら殴るよ。
ただ、後半から徐々に失速していきます。悪人のやられっぷりが中途半端だったり、想定外の出来事の連鎖がいまいち面白くなかったりというのもありますが、一番の難点は長編としてばらけた感じかなぁ。もう少しメリハリをつけてくれないと単調です。せめてこっちの予想を大きく裏切るような展開でもあればいいんでしょうが、どんでん返しがあるというわけでもなく。

全体的には、まぁ無難にまとまりすぎで、もうちょっと頑張ってほしかったところ。シリーズ化しているそうなので、2作目以降に期待でしょうか。

原 題:Kaffe med Rån(2012)
書 名:犯罪は老人のたしなみ
著 者:カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ Catharina Ingelman-Sundberg
訳 者:木村由利子
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mイ-8-1
出版年:2016.09.09 初版

評価★★★☆☆
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