怪盗紳士モンモランシー
『怪盗紳士モンモランシー』エレナー・アップデール(創元推理文庫)

囚人493ことモンモランシー。警察から逃げる際瀕死の重傷を負ったが、運良く若き外科医ファーセットの治療の被験者となり、一命をとりとめた男。無事刑期を終えたモンモランシーは高級ホテルに滞在しながら、昼間は紳士、夜は泥棒、ふたつの顔を使い分け、次々とお宝を頂戴していく。だがある日暴れ馬を取り押さえたことで、彼の運命は大きく変わることに。痛快シリーズ第一弾。(本書あらすじより)

超簡潔に感想を書きます。じゃあ書かなきゃいいじゃないかと思うかもしれませんけど、書かなきゃ気が済まないのです。
おそらく今年度ワーストになるであろう、と読んでいる間から確信するレベルで、むちゃくちゃつまんなかったです。なぜだ、エレナー・アップデールよ。爆発1分前の周囲の人々の様子を秒単位で群像的に描く『最後の1分』はあんなに斬新で面白かったのに。

19世紀後半のロンドンで、こそ泥と紳士の二重生活を送る主人公の活躍を描くという面白そうなあらすじとは対象的に、テンポの悪さと語りの味気なさと展開のしょぼさが致命的です。これ全5巻のシリーズらしいんですが、1巻は要するに壮大なプロローグに過ぎないのねと。怪盗紳士とは何だったのかと。数少ない登場人物の動かし方も下手で、だったらもう読み切りマンガくらいにコンパクトにまとめればいいのにっていう。義賊感を出してくる主人公の気に入らなさもすごい。
短い章をつなぐやり方が本当に上手くいっていないんです。読みにくいし、分かりにくいし。だらだら説明してばかりで話も全然進まず、250ページないという薄さなのに異様に手強く。『最後の1分』はあんなにキレキレだったわけだし、多分モンモランシーから10年を経てかなり上手くなったんでしょう。

以上です。久々に本気でつまらなかったな……。

原 題:Montmorency(2003)
書 名:怪盗紳士モンモランシー
著 者:エレナー・アップデール Eleanor Updale
訳 者:杉田七重
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mア-17-1
出版年:2016.08.12 初版

評価★☆☆☆☆
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