堆塵館
『アイアマンガー三部作1 堆塵館』エドワード・ケアリー(東京創元社)

ロンドンの外れの巨大なごみ捨て場。幾重にも重なる山の中心には『堆塵館』という巨大な屋敷があり、ごみから財を築いたアイアマンガー一族が住んでいた。一族の者は、生まれると必ず「誕生の品」を与えられ、一生涯肌身離さず持っていなければならない。十五歳のクロッドは誕生の品の声を聞くことができる変わった少年だった。ある夜彼は館の外から来た少女と出会った……。『望楼館追想』から十五年、著者が満を持して送る超大作。(本書あらすじより)

いやもうめっちゃ面白かったぜという感じ。今年のベストに入れたいくらいです。ミステリじゃないけど。

ゴミ山の中に住むアイアマンガー一族。「物」の声を聴くことのできるクロッドは召使いの少女と出会い、やがて一族と「物」にまつわる大きな秘密を知ることになる。

……というあらすじからも予想できるように、『堆塵館』はファンタジーであり、上質なボーイミーツガールであり、そしてタイトルの通り三部作の一巻なのです。えええええここで終わっちゃうの?????と言いたくなるようないいところで終わってしまうので、二巻はまだかと叫びたくなること間違いなし。じゃあ三巻出そろうまで待とう、と思うのも分かりますが、ここはぜひ二巻が出る前に一巻を読んで欲しいのです。
というのも、この、次が出るまでのワクワク感、久々にシリーズ物の続刊を楽しみに待つ時のアレなのです。自分の世代だと「ハリー・ポッター」シリーズとか、「ダレン・シャン」シリーズとか、「ネシャン・サーガ」シリーズとか、「バーティミアス」シリーズとか(いやまぁそこまでファンタジーゴリゴリしてはいないんだけど)。子供の頃に読んだ数々のファンタジー大作を思い起こさせるのであり、だからこそ読んでビビッと来てしまうのです。
『堆塵館』は異世界を舞台にしたファンタジー(いわゆるハイ・ファンタジー)ではなく、上記の作品群と同じく現実世界とファンタジー世界が接点を持つタイプ(いわゆるロー・ファンタジー)なので、えええちょっと今さらファンタジーとか苦手だわ大人になってから全然読んでいないわみたいな人(俺だ)にもオススメしやすいのかなと思います。19世紀ロンドンを舞台に、読んでいて次から次へと現実が書き換わっていくような感覚を味わえます。特に終盤の……いやこれは言っちゃダメだね、もちろん。

気になっている方はまず書店で手に取ってみてください。そしてネタバレを食らわない程度にパラパラとめくり、目次、登場人物一覧、館の見取り図、そして作者による何枚もの挿絵を見てほしいです。読んでみたくなること請け合いですよ(全然話の内容を説明することなく終わっちゃったけどまぁいいや) 。

原 題:The Iremonger Trilogy Boook 1 : Heap House(2013)
書 名:アイアマンガー三部作1 堆塵館
著 者:エドワード・ケアリー Edward Carey
訳 者:古屋美登里
出版社:東京創元社
出版年:2016.09.30 初版

評価★★★★★
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