悪魔のソナタ
『悪魔のソナタ』オスカル・デ・ミュリエル(角川文庫)

1888年、イギリス。スコットランド・ヤードで辣腕をふるうイアン警部は、密命を帯びてエディンバラに赴くことになる。切り裂き魔に似た手口でバイオリニストが殺されたというのだ。彼を待ち受けていたのは、オカルトマニアで“九っ爪”のマグレイ警部だった。出会うなり反発を覚える2人だが、事件に見え隠れする悪魔のシンボルを調べ始める。だがその矢先、第2の事件が……魔術的な謎と滑らかな筆さばきが幻惑的なミステリ。(本書あらすじより)

何よりまずあらすじをご覧ください。いいですね。だいたいどういう話か予想が出来ましたね。19世紀エディンバラ描写要素が3割、バディ要素が3割、冒険要素2割、オカルト要素1割、謎解き要素1割(未満)の話かなという感じですね。ホームズの出ないホームズパロディかなみたいな感じですね。ずばり!その通りです。もう最初から最後まで期待を裏切りません。というわけで、あらすじを見て面白そう!と思った人には確実にオススメです。幻惑的ってのだけ違うと思うんだけど……。

まずキャラクター設定がすごい。婚約者に振られ地方に飛ばされ失意のズンドコにいるお高いイケメン高学歴主人公と、悲劇的な過去を持ち野性味溢れオカルト趣味の変人警部が同棲する相棒物。すげぇ、BLか何かで絶対見たことあるぞ。
キャラクターとか話の進め方とか、もうこれ以上ないってくらいベタで何一つ予想を裏切らないのですが、19世紀のスコットランドという舞台と、異様すぎる犯人の正体と動機がなかなかいい味付けになっていて、思っていたよりも楽しめました。何がいいって、すごい勢いで人が死ぬのがいいのです。密室での殺人事件(すぐに解決する)から始まり、病死?事故死?が連発し、墓あらしまで躊躇なく行う犯人は死体から腸を抜き取っていくのです。この謎の音楽家連続殺人事件を結ぶ、名探偵コナンも真っ青の動機と、ホームズも真っ青の犯人の正体にビックリだぜ。

既に続編が書かれているようでさもあろうという感じですが、薄暗くロンドンよりも環境の悪い19世紀スコットランドを舞台にしたオカルト殺人バディ物、としてこれ以上ない完璧な出来栄えの作品です。意外と楽しめましたよ。ちなみに作者はメキシコ生まれの現イギリス在住なんだとか。2作目出たら読むかもしれない……。

原 題:The Strings of Murder(2015)
書 名:悪魔のソナタ
著 者:オスカル・デ・ミュリエル
訳 者:日暮雅通
出版社:角川書店
     角川文庫 ミ-2-1
出版年:2016.03.25 初版

評価★★★★☆
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