くノ一忍法帖
『くノ一忍法帖』山田風太郎(講談社ノベルスSPECIAL)

大坂城落城前夜、救出された千姫とその侍女たち。智将真田幸村はその中に秀頼の胤を身籠る五人の女忍者を潜ませていた。「子が生まれる前に始末せよ」家康の密命が伊賀忍者に下った。子を宿しながら迎え討つ、くノ一五人衆に危機迫る!(本書あらすじより)

月イチ国内ミステリ、今月はついに山田風太郎です。ぶっちゃけ忍法帖シリーズってミステリに入るのか?というとアレですが、いいんです、冒険・伝奇小説なんです。あと読みたかったんです。例によって初読作家。
山田風太郎は1990年代以降再評価が続いており、様々な出版社から同一の本が出ているという今や超豪華な時代なわけですが、とりあえず今回は講談社ノベルスの、山田風太郎傑作忍法帖シリーズから4作目のこちら(カバーを外すとまっ金金なのすごい)。舞台は江戸時代初期のまだ徳川家康が大御所として頑張っていた時代、豊臣の子をくノ一5人に宿させた家康の孫・千姫が、家康とその抱える伊賀忍者5名と敵対します。

……ってな感じで、基本的には家康 vs 千姫、そして男伊賀忍者5名 vs くノ一信濃忍者5名、という男 vs 女の様相を呈してくるのです。だからもう登場する忍法もエロいのばっかりですよ。精液をぶっかけて催眠状態にしたり、精液をとりもちのように使ったり、逆に精液を搾り取って殺したりするんですよ。すげぇ。NARUTOのシカマルが使いそうな忍術とか普通に出てくるし。
おまけに、言ってしまえばこんなにエロくだらない話なのに、普通に話に引き込まれるし、登場人物になぜか肩入れしてしまうし、気付けば歴史超大作だしで、うわぁ山風やばいっすね。奇想だ、奇想に満ちあふれているぞ。ぶっちゃけ徳川側の伊賀忍者たちが負けまくっているくせに変に図に乗っているせいで、徳川側を応援する気に全くなれず、思いっきり悪女である千姫側を応援したくなってしまうのです。良い人とかいないんですけどね、そもそも。

そして忍法帖は基本的につらい、と聞いていましたが、確かに最終的に全員死んでしまうのでした。なんてこった。ただ、ラストのオチがすさまじく秀逸。古典などの歴史物にありがちな補足が、ここまで説得力を持って語られるとなぜか感動します。いやそりゃ嘘なんでしょうけど、そこまで引き込む山風がすごいのです。

というわけで、やっぱり楽しめました。山風、ミステリも結構ランキングに入ったりしているので、そちらにも手を出したいという気持ちはあるのですが、忍法帖面白いですね……。

書 名:くノ一忍法帖(1961)
著 者:山田風太郎
出版社:講談社
     講談社ノベルスSPECIAL 山田風太郎傑作忍法帖 ヤK-12
出版年:1994.08.15 1刷

評価★★★★☆
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