姑獲鳥の夏(下)姑獲鳥の夏(上)
『姑獲鳥の夏』京極夏彦(講談社文庫)

この世には不思議なことなど何もないのだよ――古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第1弾。東京・雑司ヶ谷(ぞうしがや)の医院に奇怪な噂が流れる。娘は20箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。文士・関口や探偵・榎木津(えのきづ)らの推理を超え噂は意外な結末へ。京極堂、文庫初登場!(本書あらすじより)

京極夏彦初読です。クラスのMさんより借りて読んだものです。京極夏彦なんちゅー、一般的な作家を読むなんて珍しいったらありゃしない。このブログのカテゴリも「日本人作家」だし。

それはともかく、結論から言うと、『姑獲鳥の夏』はあまり面白くありませんでした。いや、作品の質が悪いとかそーゆーのではなく、単なる好みの問題です。客観的に見れば良く出来た話なんですが、ストーリーと落ちがどうも気に食わない。あくまで好みですけど。

しかし、これが処女作とは驚きですよね。作風は一辺してややおどろおどろしい怪奇趣味な感じがありまして、いわゆる超自然的事件を主人公・京極堂こと中善寺秋彦がいかに解決するかがメインなんでしょうが、この雰囲気は素人さんに出せるもんじゃあないです。読んでて暗い雰囲気に自分が染まってしまうようです。一人一人の人物描写も卓越しています。事件自体にも作者なりの論理的解決がきちんと用意されており、なかなか凝った事件にはなっています。

ただ、この「論理的解決」なんですよ、問題は。正直、このSF的展開にはついていけません。あまりにも非現実的な話は、ちょっと苦手なんです。加えて、解説いわくできそこないワトソンである語り部の関口のキャラがむかついてしょうがない。いったいこいつは何をしたいのか、読んでてさっぱり分からない。

まあいろいろ文句もあるかもしれませんが、結局は肌に合わなかった、ってことです。

書名:姑獲鳥の夏(上)(下) 分冊文庫版
著者:京極夏彦
出版社:講談社
    講談社文庫
出発日:2005.4.15 1刷
    2009.7.22 11刷(上)
    2009.7.22 12刷(下)

評価★★☆☆☆


〈以下ネタバレ感想〉
まぁ、大体は説明されているんですが、ひとつあいまいになっていたのが関口がなぜ、死体を見えなかったのか、ということですよね。残りの二人はきちんと説明されていましたが、肝心のワトソンが見えてないわけですから、その説明だっているじゃないですか。

もうひとつ。理想的な母=子供を殺す、という認識を涼子が気づくのはおかしくないでしょうか。何しろ憑物筋だというのもよく知らなかったでしょうし、祖母まで同じことをしていたとはしるはずもないわけです。まぁ、些細なことですが…。
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