悪意の波紋
『悪意の波紋』エルヴェ・コメール(集英社文庫)

40年前の100万ドル強奪事件。当時犯行グループの一人だった老人のもとを記者の女性が訪れた。静かな余生も最早これまでか? 他方、失恋で傷心中の青年イヴァンは、TVで元恋人が“元カレから届いたラブレター”を面白おかしく曝すのを見てショックを受ける。手紙を奪回すべく、彼女の実家へ赴くが……。因果の連鎖が波紋のように広がる群像劇、その陰に潜む人物とは? フランス推理小説界新星の話題作。(本書あらすじより)

相変わらずフランス人のミステリ脳は良い意味で狂っててやばいですね……ちょっとその中でもキワモノ感が強いかも。
最近面白そうなものをバンバン出してくる集英社文庫のフランスミステリ新刊です。犯罪者と一般人の青年の人生が交錯し……という、まぁよくあるパターン。その二者の交わりがあまり上手くないことと、ラストの捻り方がちょっとズレすぎている点が、微妙におすすめしにくい理由ですね……いやほんとちょっと微妙でね……。

元ギャングの犯罪者の家に、犯罪報道専門の女性記者が訪れます。というのが片方で語られます。そしてもう一方で、どうも冴えない若者がいろいろあって元カノの家に盗み入るはみに。この二者が「悪意の波紋」によって結びつくことになるのですが。
ちょっとこの結びつきが安易ですよねー。そりゃまぁそうなってこうなってああなるでしょう。このありがちパターンが、その後どう伏線を回収しつつ絡まっていくのか、ってとこを頑張ってほしいのに、結びついたらそれで終わりなんですよ。うーんもったいない。

まぁそれはいいんですよ、どうでも。って言いたくなるようなすっげぇラストが待ち構えています。付け足したのが余計と言われそうなほどすっげぇラストです。いやぁこれは評価が分かれそう……どっちかっていうとマンガですよねこれ。あーでも、フランスミステリではよくあるネタと言えばそうだし、モンテイエあたりがこういう結末とかやりそうだし、まぁやっぱりフランスっぽさなのかも。

というわけで感想書きにくいんですが、手放しでは褒めにくい注釈つきの作品でした。これは読んでお確かめ下さいとしか。ちょっと期待していたのとは違ったかなぁと。

書 名:悪意の波紋(2011)
著 者:エルヴェ・コメール
訳 者:山口羊子
出版社:集英社
     集英社文庫 コ-16-1
出版年:2015.03.25 1刷

評価★★★☆☆
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