星を継ぐもの
『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン(創元SF文庫)

月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの新星が一世を風靡した出世作。(本書あらすじより)

しばらくバタバタとしておりました。今月また教育実習なんかも行きますので、しばらく更新がまちまちになるかと思います。
さて、ついにあの名作『星を継ぐもの』に挑戦です。SFミステリと言えば『星を継ぐもの』と言っても過言ではない一作。というわけで非常に期待して読み始めたのですが……あ、あれ、なんか思ってたのと違う……。
SF設定を生かした宇宙空間でのミステリなお話かと思ってたんですが、これはどこまでも科学的に謎を解明しようとするザ・SFだったのですね。文体は小説だけど、内容は科学的に仮説を作っては実証を繰り返すだけの、まるで論文みたいな感じでした。どちらかと言えば捜査小説に読み味が近いのかも。とはいえ、こうも色々とデータを出されると、読者としても色々と推理してみたくなってしまうんですねぇ。

あらすじは上記のとおり。5万年前の人類が、現生人類とほぼ同じ進化過程をたどっており、かつ月面で見つかる、という、タイムマシンでもなければ説明がつかなそうな謎が登場します。対するは明晰な頭脳を持つハント博士です。
様々なデータや事実が提示される中で、ハント博士はこれらの情報を統合しながら謎を解明しようとします。とにかくこの謎解きに特化しているので、小説としては少々味気ないのですが、それでも提示される謎の魅力はなかなかのもの。伏線がたくさん仕込まれているせいで真相に気付ける読者も少なくはないかと思いますが、それでも一冊かけて宇宙の壮大な謎を解き明かす楽しさは唯一無二のものだと思います。

という感じで、そんなに書くこともないんですけど、まぁまぁ楽しめました。でもこれはミステリとして売り出すよりは、ハードSFとして売り出す方がやっぱり正しいんじゃないかななんて思わなくもないです。

書 名:星を継ぐもの(1977)
著 者:ジェイムズ・P・ホーガン
訳 者:池央耿
出版社:東京創元社
     創元SF文庫 ホ-1-1
出版年:1980.05.23 初版
     2014.10.03 94版

評価★★★★☆
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