カウントダウン・シティ
『カウントダウン・シティ』ベン・H・ウィンタース(ハヤカワ・ミステリ)

失踪した夫を捜してくれないか――元刑事のパレスは、知人女性にそう頼まれる。小惑星が地球に衝突して人類が壊滅すると予測されている日まで、あと七十七日。社会が崩壊していくなか、人ひとりを捜し出せる可能性は低い。しかし、できるだけのことをすると約束したパレスは手がかりをたどりはじめる。奇妙な店、学生たちが支配する大学、難民が流れつく海辺……捜索を始めたパレスは、混迷する終末の世界を目にする。アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作『地上最後の刑事』に続き、世界の終わりの探偵行を描いたフィリップ・K・ディック賞受賞作!(本書あらすじより)

去年出た『地上最後の刑事』がかーなーり面白かったので、シリーズ第2作も期待して読んでみました。前作がハードボイルド色が強めで終末色は彩り程度だった(事件とは関係してたけど)のに対し、今作はかなり終末色が強くなり、代わりに主人公が警官ではなくなった分、独自正義を追及する私立探偵ものになった、という印象です。むぅ、とっても面白く読めたけど、期待以上ではなかったかなぁ。

物語は世界が終ろうとする中のアメリカ社会がどのように変化し動いているのか、を描くことが中心となります。闇市とか反政府の団体とか大学とか。パレスが頼まれた失踪した男の行方探しも、最終的に政府がらみの陰謀へとつながっていく……つまり、もはやハードボイルドで収まるレベルじゃないのです。
主人公である元刑事パレスは、なぜ俺は真実を追い求めるのだろうと自問自答しつつ男の行方を追い続けます。その答えを彼は自ら最終的に用意しますが、結局彼も世界の動きに流されてしまうんですよね。まぁ犯人探しは結構ちゃんとミステリしてはいますが。

『地上最後の刑事』が設定こそSFなのに中身は完全にハードボイルド、というギャップが面白かった作品であるのに対し、『カウントダウン・シティ』はおもっきしSF要素強めです。でもつくづく自分はSF読みじゃないのかなと思ったんですが、結局設定だけじゃ楽しめないんです、たぶん。パレスの動きを追うのは楽しいし、読んでいてかなりのめり込んだけど、その全貌を知ってもあまりピンと来ないし。ラストの展開もあーこういう……っていう気分。『カウントダウン・シティ』の方が好きという人も結構いるので、これはもう個人的な感想です。
ちなみにこのシリーズは読んでいる途中妙に没入しちゃうのか、現実世界でマックとか見るたびに「おっまだやってる、窓ガラスも割れてない」とかいちいち考えちゃうの我ながら面白すぎます。終末世界には生きたくないですね。

というわけで微妙な感想になっちゃいましたが、やっぱりこのシリーズ好きなんですよ、すっごく。3作目が完結編で、この『カウントダウン・シティ』はそのつなぎでもあるので、次を早く読みたくてたまりません。期待期待。

書 名:カウントダウン・シティ(2013)
著 者:ベン・H・ウィンタース
訳 者:上野元美
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ 1889
出版年:2014.11.15 1刷

評価★★★★☆
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