嘲笑うゴリラ
『嘲笑うゴリラ』E・S・ガードナー(ハヤカワ・ミステリ文庫)

遺産管理事務所の公売で、メイスンは得体の知れぬ私物に五ドルを投じて秘書のデラを驚かせた。ところが、その包みを千ドルで買い取りたいという人物が現われたのだ。その男が、最近謎の死を遂げた美貌の女性の事件に関係があるのを知り、興味をそそられたメイスンは、単身虎穴に飛び込んでいったが……そこで彼を待っていたのは、血に狂って牙をむくゴリラだった! 凶悪な殺人鬼と嘲笑うゴリラに挟撃されたメイスンは?(本書あらすじより)

えっえっ面白い(動揺)。
うへぁめっちゃ面白かったです。ベタトリックをいくつも重ね本格ミステリとして十分な出来を保ちつつ、ペリイ・メイスンの冒険譚&恋愛要素も盛り込み、法廷シーンなどを挟みつつ中だるみを一切許さないストーリー力。ガードナーって面白かったんだ……と再認識。やっぱり流行っただけはあるんだな……。

ヨットで事故死した百万長者の女性秘書の遺産である日記を手に入れたメイスン。すると百万長者から日記を千ドルで買い取りたいとの連絡が。百万長者アディックスはゴリラに殺人衝動を起こさせる実験をしているとか何とか。興味を覚えたメイスンはアディックス宅に乗り込みますが……。
で、この後色々あって、100ページより後の展開だけど言っちゃうと、再び億万長者宅に乗り込んだメイスンはナイフで人を刺しまくったゴリラを目撃することになるのです。どうだすごいだろう(?)。しかし誰もそんなことは信じず、その場にいた元家政婦が殺人容疑にかけられ、メイスンが弁護することになるのです。

ヨットの事故死に殺された百万長者に盗癖のあるらしい家政婦に胡散臭い弁護士にオーストラリアの弟とむちゃくちゃ盛り込みまくって、大変楽しく読ませてくれる良作。ベタだけど納得のトリックを重ね、これらの要素が一気に集まり、最後にメイスンは単身犯人と対決するのであります。かっくいい。
ゴリラと戦ったりと冒険するメイスンのかっこよさに加え、やたらと今作では距離が急接近しているらしき美人秘書のデラとの関係、私立探偵ポール・ドレイクなどいつもの面々など、キャラ物としても非常に面白いです。はっきり言って隙がありません。なんですかこの安定した面白さは。

ガードナーは過去全部で3作読みましたが、一定して面白いような気がします。というわけでペリイ・メイスンはちょこちょこと読んでいかにゃならんなぁと思いました。フェア名義も読んだことないのでそろそろ手つけないと……。

書 名:嘲笑うゴリラ(1952)
著 者:E・S・ガードナー
訳 者:峯岸久
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 3-5
出版年:1976.10.31 1刷
     1982.08.15 2刷

評価★★★★☆
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