虚擬街頭漂流記
『虛擬街頭漂流記』寵物先生(文藝春秋)

仮想都市=ヴァーチャストリートで発生した殺人事件。第1回島田荘司推理小説賞受賞。SF設定の中に構築された高度なトリックと、結末に思わず涙する感動のストーリー。(本書あらすじより)

島田荘司推理小説賞という、台湾で開催されているミステリ賞受賞作品です。ザ・新本格、みたいなしまそー好きそうなやつが受賞する賞(しまそー読んだことないけど)。今年第3回受賞作が翻訳されるらしいですね、楽しみ楽しみ。ちなみに「虚偽」でもなければ「虚擬」でもありません。難しい「虛」です。
バーチャルリアリティ空間での殺人事件、容疑者は2人、ほぼ不可能犯罪、という盛り盛りな話で、堅実な新本格。過去の事件と絡めて読者を大きくひっかける大ネタについては推測出来てしまい、どんでん返しがそこしかないのが惜しいですが、短いので十分読ませるかなとは思います。

基本的にはバーチャルリアリティ空間での殺人事件がなぜ、どのように起こったか、と検討していくだけの話。文体はそっけないしごちゃごちゃと景観とかを説明する描写もそんなに上手くなくて、まぁ面白くないんですが、事件に付随する謎で読者をそれなりに引っ張ってくれています。
さらに終盤では、登場人物の意外なつながりなどが出て来るため、小刻みに読者を驚かせながら大ネタを持って来ます。……まぁ、これについてはもはや作者が隠すつもりがないんじゃないかってくらい分かりやすいし、そのあと何にもないので、真相解明後のあっけなさはありますね。

ってなわけで、うーん、設定がこれだけ面白いのにちょっと物足りなかったかも。華文ミステリの翻訳された中ではたいていこれが代表格に上がるんですが、新本格好きにはこういうのが受けるのかな……あ、あわねぇ……。

書 名:虛擬街頭漂流記(2009)
著 者:寵物先生
訳 者:玉田誠
出版社:文藝春秋
出版年:2010.04.10 1刷

評価★★★☆☆
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