007/ゴールドフィンガー〔改訳版〕
『007/ゴールドフィンガー〔改訳版〕』イアン・フレミング(ハヤカワ・ミステリ文庫)

英国情報部員ジェイムズ・ボンドは、オーリック・ゴールドフィンガーと名乗る謎の男と出会い、男がカードでいかさまを働くのを見破った。が、黄金を異常に愛するこの男の正体とは、巨大な犯罪組織を牛耳る怪物だったのだ。やがてボンドは、ゴールドフィンガーが企む恐るべき犯罪計画に単身闘いを挑んでいく! スパイ小説史上もっとも有名なヒーローが、華麗な活躍を見せる永遠の名シリーズを代表する傑作。改訳決定版。(本書あらすじより)

初007。映画は見たことないし原作も初です。いいのかそんなんで。というわけで、ジェイムズ・ボンドに対するイメージがほとんどない人の感想だと思って下さい。
でまぁ、どんなもんかと読んでみたら、なるほど通俗小説的だし、展開はご都合主義だし、ボンド不死身すぎだし、ヒロイン定まってないしとかなりアレだったんですが、それでも大人の童話としてかなり楽しめてしまいました。童話なりに手を抜かずきっちり作りこんでいるところが高評価。昨日読んだナポレオン・ソロとは大違いですわ、その点。

今作のジェイムズ・ボンドですが、アメリカのカジノで大金持ちゴールドフィンガーの詐欺を見破り、イギリスではゴールドフィンガーとゴルフで戦い、フランスではゴールドフィンガーを車で尾行し、再びアメリカでゴールドフィンガーの大がかりな強盗事件にかかわります。
……とめまぐるしく話が変わっていくのが面白いですね。4つくらいの長編をコンパクトに組み合わせた感じです。ただ、一冊通して金を扱う大物ゴールドフィンガーと、007の対決、という話にしっかりとまとめていて、読みごたえは十分。しょうもないと言えばしょうもないし、結局ゴールドフィンガーの詰めが甘すぎただけでボンド負けてんじゃね?とかいろいろ無数に突っ込みはできるけど、それでもいいもんはいいのです。
それと、この作品はいわゆるボンドガール、つまりヒロイン女性が定まっていないとことが問題点の一つらしく、実際映画ではそこをかなり直しているんだとか。うーん、まぁそれはその通りかなぁ。ラストいきなりとある女性がヒロインになるんですが、こればっかりはさすがにわけが分かりません。そんな無理やりボンドと女をくっつけなくても……。

ぶっちゃけいま読まれると、あまりに男性中心主義的というか、そういうところが受け入れられない作品だとは思いますが、こういうエンタメを書こうと読者サービスに徹して書くフレミングさんは、やっぱりプロ作家としてすごいなぁと思います。きっと根は真面目な人です、たぶん。HM文庫の改訳版8冊は全部そろっているので、今後も暇なときにちょこちょこ読み進めていきたいところ。

書 名:007/ゴールドフィンガー〔改訳版〕(1959)
著 者:イアン・フレミング
訳 者:井上一夫
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 224-1
出版年:1998.02.28 1刷

評価★★★★☆
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