ミンコット荘に死す
『ミンコット荘に死す』レオ・ブルース(扶桑社ミステリー)

十一月の深夜、歴史教師のキャロラスはミンコット荘のレディー・マーガレット・ピップフォードから電話を受ける。娘婿のダリルが銃で自殺したらしい、至急来てくれないかというのだ。早速かけつけたキャロラスは、ベッドの上に血まみれで横たわるダリルの遺体と対面する。警察は自殺と判断するが、そう考えるにはいくつか不可解な点があることにキャロラスは気づいていた……。名探偵キャロラス・ディーン再び登場。緻密な細部と大胆なトリック。これぞ英国本格の真骨頂!(本書あらすじより)

英国新本格の代表格の一人、レオ・ブルースの作品がなんと新しく訳されました(正確に言うと違うんだけどとりあえず公的な出版物としてはそう)。うーん、いい時代です。
ミンコット荘での”自殺”の調査を、キャロラス・ディーンが個人的に頼まれます。古き良き英国本格ミステリらしい、シリアスを排し程よいユーモアを前面に出したこじんまりとした作品で、シンプルだけど非常によく出来た謎解きには好感が持てます。これぞ英国本格。えげれすみすてりです。

怪しい自殺の調査にレディ・ピップフォードの家に赴いた歴史教師キャロラスは、いくつかの不審なものを目にします。死の状況を捜査していくうちに、やがて第二の事件が……。
事件の捜査過程自体は単調な聞き込みにやや陥っているのですが(登場人物数が少なくないので聞いて回るだけで時間がかかっちゃうんだよね)、合間合間に事件を起こすことでそこまでだれずに済んでいます。登場人物もやたらと多いのですが、英国的戯画キャラを多用しているので、すんなり覚えられるし、楽しいですね。やたらと夫の発言をフォローする牧師さんの奥さんとかいいよね。
肝心のトリックは、どこかで見覚えあるようなものではありますが、そこに目線をいかせまいとするのが上手くやっています。犯人が指摘された瞬間、なるほどやられたな、という感じ。もっとディーンは手の打ちようがあったんじゃねとか思いますが言ってはいけません。

というわけで全体的に良作だと思います。『死の扉』の方が全体的な出来はいいかもしれませんが、『死の扉』より好きかもしれません。うーん、レオ・ブルース読まないと。

書 名:ミンコット荘に死す(1956)
著 者:レオ・ブルース
出版社:扶桑社
     扶桑社ミステリー フ-42-1
出版年:2014.10.10 初版

評価★★★★☆
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