ヴァイオリン職人の探求と推理
『ヴァイオリン職人の探究と推理』ポール・アダム(創元推理文庫)

ジャンニはイタリアのヴァイオリン職人。ある夜、同業者で親友のトマソが殺害されてしまう。前の週にイギリスへ、“メシアの姉妹”という一千万ドル以上の価値があるとされる、幻のストラディヴァリを探しにいっていたらしい。ジャンニは友人の刑事に協力して事件を探り始めるが、新たな殺人が……。名職人が、豊かな人脈と知識、鋭い洞察力を武器に、楽器にまつわる謎に挑む!(本書あらすじより)

書きかけの記事がブログ上に出ている感じになってました。すみません。
さて、今年5月に出た創元の新シリーズです。評判が良いようで、すでに2作目の翻訳も出てますね。老ヴァイオリン職人を主人公に据え、殺人を絡めたヴァイオリン歴史ミステリ。
失われた伝説のヴァイオリンをめぐる物語は実に楽しいし、60歳の職人探偵の設定も良く、楽しめたのは確かなんですが……歴史部分に登場する人物の名前が覚え切れずに、謎解きが理解できなかったというまさかのアレです。悲しい。

同業者で親友のヴァイオリン職人トマソが殺され、主人公ジャンニは友人の刑事(教え子)とともに事件に首を突っ込んでいきます。どうやらトマソは幻のストラディヴァリを探していたらしいということが分かり、彼の調査の足跡をたどりながら、ジャンニは失われたヴァイオリンを見つけようとするが、またまた殺人が……という話。

殺人事件についてはまぁいいんです。本格では全くなく、複数の容疑者がいるものの、犯人は捻りもなく登場します。ではメインはと言いますと、幻のストラディヴァリ”メシアの姉妹”はどこにあるのか?という歴史ミステリ的な謎。ジャンニは書簡や絵画から謎を解こうとするなど、この部分に小説のほとんどが費やされています。
このヴァイオリンの謎自体はなかなか面白いんです。ストラディヴァリの生きていた1700年前後からそのヴァイオリンの足跡をたどり、いつどこで消えたのか、ということを推理していきます。ただ、こう、固有名詞があまりに多すぎて脳みそが追い付かないんですよ。何しろ200年分くらいの持ち主とか取引相手とかがぞろぞろ出て来るし、あくまで過去部分なので登場人物一覧にもないから、最後にこいつだ!みたいのが明かされても、えーと誰だという感じで。でもみんな楽しんでいるらしいので、もしかして難しく感じたのは自分だけなのでは……。

その他、トマソの孫娘(美人でヴァイオリンの才能がある)のヴァイオリンリサイタルとか、ジャンニの孫が遊びに来たりとか、被害者の親族とジャンニがいちゃいちゃしだしたりなど、家族ものというかサイドストーリーの要素も強く、こっちはかなり好み。シリーズ化しており、特に次作ではこの親族の一人がキーキャラとなるようですので、こういうのところも楽しみですね。
次作はより謎がスッキリしつつまたしても現在の事件と歴史上のヴァイオリンを絡ませた話のようですので、期待しておきます。

書 名:ヴァイオリン職人の探究と推理(2004)
著 者:ポール・アダム
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mア-14-1
出版年:2014.05.30 初版

評価★★★☆☆
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