透明女
『透明女』戸川昌子(徳間文庫)

毎月恒例月イチ国内ミステリです。書評家の千街晶之氏が絶賛しているとかなんとか、くらいの前評判で読み始めてしまったんですが、ちょっとね、これはやばいものを読んでしまいましたよ。すげぇや。
プロットも何も考えずに思考の暴走するまま書いたかのような酩酊感のある奇想100%官能SFミステリ的な何か。ここまでワケが分からない話は久々に読みました。いやはっきり言って読んだことないです。これを傑作といっていいのか自分には分かりませんけど、このヤバさは読まないと分からないので読みましょう。

話が急展開過ぎて裏表紙のあらすじは何の意味もなさないんだけど(だから書かなかった)、とりあえずメインは夜な夜な男を誘惑するけど顔は見せない謎の「幻の女」の正体を探る話だったはずです、はずなんですが、途中から気分をおかしくさせるイオン発生器とか顔から剥がれない仮面とか出て来て最後には人が犬になる(マジ)から説明不能。
とにかく出て来たアイデアが10ページともたないで次々とアイデアが投入されるのがすごいのです。どう考えても風呂敷広げ過ぎてて収拾つかないし、いや実際つかないんだけど、なんか最終的にあっちゃこっちゃから伏線らしきものを拾ってきて驚天動地の““真相””を出してくるから恐れ入ります。てっきり何にも考えてないのかと思ってましたよ戸川さん。

中盤ではこの超展開に慣れたと思ったのにR国が出るじゃないですか(うぉぉぉぉぉぉ)。話がどんどん異世界じみてくるから全然飽きないし、異様なハイテンションで読み進められ、そしてもみくちゃにされて終わります。こういう話を作れてしまう脳みそがすごいです。なんか分からんけどすごいです。これぞケッ作ですね、うわぁ。
というわけで、何だそりゃ、と思った方は読みましょう。ゲテモノ嫌いにはおすすめしませんけど、うん、まぁ、世の中いろいろな本があるってことですね……端正な英国ミステリばっかり読んでたんじゃこういうの見ないからね……。

書 名:透明女(1971)
著 者:戸川昌子
出版社:徳間書店
     徳間文庫 119-1
出版年:1981.01.15 1刷
     1981.08.05 4刷

評価★★★★☆
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