麗しのオルタンス
『麗しのオルタンス』ジャック・ルーボー(創元推理文庫)

オルタンスというのは哲学を専攻する美しい女子大生、そしてアレクサンドル・ウラディミロヴィッチは、さる高貴な血を引く猫だ。彼は大哲学者にゴロ鳴きを聞かせるために雇われた雌猫チューチャに心を寄せている。そんな平和な街に起きる連続〈金物屋の恐怖〉事件! 深夜0時直前、金物屋で大音響とともに鍋が散乱する。犯人は誰? 動機は何か? 文学実験集団ウリポの一員である詩人で数学者の著者が贈る、珍妙でミステリアスな物語。(本書あらすじより)

仏ミス固め読み、ラストです。
おぉ……めっちゃ楽しかったけど、まったくワケがわかんない……!(というかワケ自体がない)
いわゆるアンチミステリとかいうやつでしょうか、これは。作者がやたらと出て来る爆笑ものの地の文、奇人変人勢揃い、ノーパンでうろつく美人女子大生、などなど、明らかにヘンな小説で超楽しいです。謎解きの結末とかさっぱり意味分かりませんが、気にしちゃ負けです。

いちおう連続金物屋襲撃事件というしょうもない事件の謎解きという大きな筋があるようなんですが、メインは作者一流のひねくれギャグ文章とナントカ国の王子とかその周辺の事件とあとヒロインたるオルタンスの乱れた性活で、要するにまとまりがなくてめちゃくちゃです。ぐちゃぐちゃと変人の物語が各種進行するのです。
で、もう、この奇人変人の織り成す物語が超絶楽しくて、読んでるだけで幸せなんですよ(あ、でも語り手パートはそうでもないかも)。だから正直ラストとか意味不明なんですがそんなのどうでもよくて、おフランスなけだるいユーモラスさを楽しめればそれでいいのです。あとネコ。

というわけで、感想の書きようがないのでここらでやめますが、フランスユーモアミステリが読みたい方がいれば(いるのか?)ぜひぜひ手に取ってみましょう。みょうちきりんなミステリほど楽しいものはないですよ。
作者は文学実験集団ウリポの一員らしいので、いまならエクス・リブリスあたりから出るんでしょうかね、この手の作品は。

次回の更新では、暫定的フランスミステリベスト10でも発表してみようかな。

書 名:麗しのオルタンス(1985)
著 者:ジャック・ルーボー
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mル-5-1
出版年:2009.01.30 初版

評価★★★★★
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