葉桜の季節に君を想うということ
『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午(文春文庫)

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして――。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。(本書あらすじより)

例によって月イチ国内ミステリです。
最初に言っておきますが、めっちゃ驚いたしトリックがんがん畳み掛けてくるし隙なく練られてるし伏線やばいし完成度の高さという点では申し分ないと思いますよ。思いますけど、ダメだ、ぜんっぜん読んでて楽しくないんじゃあああああぁぁぁぁぁぁ(ここで血を吐いて倒れる)。

以下、この本大好きな人には申し訳ないですけど、個人ブログだから気にせず書いちゃうぞ。

探偵経験のある主人公が友人に依頼され轢き逃げ事件と悪徳商法を捜査していく、というのがメインの筋ですが、まずこのパートが圧倒的に面白くないです。詐欺現場に潜入したり軽くバトったりするなど、そこそこ動きもつけていますが、それでも興味がわきません。いまさら悪徳商法ネタでもねぇ。
ところが一方でヤクザの世界を描いたり離婚した妻子を探したりする、主人公の過去パートはちゃんと面白いのです。これはどうしたわけでしょう。ただ、こっちはちょこちょこ挿入されるだけですから、やっぱりメインがきついんじゃどうにもならないわけで。
なんかこう、主人公に全く感情移入できないんですよね。頼まれて調査しているだけという主体性の弱さを最後までカバー出来ていないのです。何でも屋で友人のためいろいろ引き受ける気のいい男ではあるけど、あんまり深入りしたがらない態度がちらちら見えちゃって。いやまぁ、彼に魅力がないのは、この話の構造上ある程度は仕方がないことではあるんですけど(だから過去パートはまだ読めるんじゃないのか、もしかして)、まーでもそれにしてもですよ。

そんでもってトリックが明かされ、最初に言ったとおりぎょえひーと大いに驚きまして(これはすごい)、あれマジかよと思って読書を中断し、そこまでのページをぱらぱらめくる時に、やっぱ場外ホームランネタ(意味深)は苦手だなと再確認することになりました。話に没入させてくれよ……そのせいでその後の感動に頭がついていけないんだ……。自分はまぁ、トリックさえすごければ小説部分がクソみたいでも構わない、みたいな本格原理主義者じゃないんです、たぶん。
でもやってることはすごいし丁寧ですごく上手いしやっぱりすごいミステリだとすごく思います(すごくキマジメな顔)。

というわけなので、うん、もう俺新本格読むのやめようかな……。

書 名:葉桜の季節に君を想うということ(2003)
著 者:歌野晶午
出版社:文藝春秋
     文春文庫 う-20-1
出版年:2007.05.10 1刷
     2007.05.30 3刷

評価★★☆☆☆
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