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シャーロット・アームストロング名言2

2020-01

『ギデオンの夜』J・J・マリック

 - 2020.01.30 Thu
マリック,J・J
ギデオンの夜
『ギデオンの夜』J・J・マリック(crime club)

霧の夜のロンドン、警視庁のギデオン部長は当直をかって出た。平穏な夜だった。しかし彼は妖しい胸騒ぎがしてならなかった……。一つ、二つ、三つ四つ、無数の事件が奔流のようにクライマックスへ殺到する! 推理小説に新らしい方向をあたえた画期的な作品! 1957年のベスト1(アントニー・バウチャー〈ニューヨーク・タイムズ〉紙)(本書あらすじより)

マケプレオーバー2000月間、4冊目はギデオン警視シリーズから『ギデオンの夜』、シリーズ3作目です。
正直、以前読んだ『ギデオンの一日』が微妙だったので、モジュラー型警察小説の先駆者、という点でしか評価できないんだろうなぁと思っていたのですが……まさかの最後までちゃんと面白くてびっくりしました。す、すごいサスペンスフル……ダラダラしていてつまらなかった『ギデオンの一日』は、むしろ一体何だったんだ……。
モジュラー型警察小説として、理想的な出来と言う他ありません。間違った褒め方だとは思いつつあえて言いますが、かなり『夜のフロスト』に近いのではないでしょうか。警察官の人生は、常に悲哀に満ちているのであります。

今夜は夜勤に出てきたギデオン警視。夜のロンドンと言えども、犯罪は次から次へと起こります。今回のメインとなる事件は、連続婦女暴行犯〈徘徊者〉、連続赤ん坊誘拐事件、若者ギャング団の抗争あたり。この他に、無数の事件が夜のロンドンで起きまくり、犯罪捜査部部長であるギデオンがひたすら報告されてくる事件たちをばったばったと処理していきます。

シリーズ1作目である『ギデオンの一日』を読んだ時は、現場の警官ではなく管理職であるギデオンの捜査(指揮)に全く面白さを見出せられなかったのですが、この点が本作では超見どころとして生かされています。どの事件にどれだけの警官を送るか、どの現場に管理職としてあえて出向くか、どの事件の追加調査を命じるか、などなど、連続で行っていく判断の難しさがよく描かれているのです。例えば、ただのギャング団同士のいつもの抗争にしか見えない事件に、何かきな臭さを感じたその地区の署長から警察官を多く回すよう要求があり、しかし連続赤ん坊警官事件などを抱えるギデオン警視としてはどうするべきか、署長との関係性や、事件の詳細などから判断しなくてはいけない……とか。
また、本シリーズでは、(『一日』『夜』を読んだ限りでは)ギデオン警視側の視点だけでなく、被害者や犯人側の視点の描写がよく挿入されるようです。この部分が『一日』ではつまらない上にテンポが悪く思えたのですが、『夜』ではすごく面白いんですよ。赤ん坊を誘拐された母親、婦女暴行犯に襲われる女性、隣人を拉致監禁している悪人夫妻(警察がまだ気付いていない事件)などの描写がとにかくサスペンスフル。警察側の視点と、事件側の視点の交錯が、きちんと意味のあるものになっているように思います。

加えて、ギデオンの管理職としてどう指揮するべきかという苦悩や、ギデオンの立場を狙っている部下との関係性なんかも上手く挿し込まれたりとか、警官になりたいと突如言い出したギデオンの息子とか、色々な要素が絶妙に結びついていて、とにかく、これは誉め言葉として言うのですが、「ちゃんと」「面白い」のです。普通にオススメできるのではないでしょうか。意外とこのシリーズに期待が持てるかもしれません。良かった良かった。
一説では、ギデオン警視シリーズは時間が短ければ短いほど面白いんだとか。ということは手持ちの『ギデオン警視の一カ月』はつまらないということに……じゃ、じゃあ、評判の良い『ギデオン警視と放火魔』を次は読もうかな。

原 題:Gideon's Night (1957)
書 名:ギデオンの夜
著 者:J・J・マリック J. J. Marric
訳 者:清水千代太
出版社:東京創元社
     crime club 7
出版年:1958.08.25 初版

評価★★★★☆
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『野蛮人との生活』シャーリイ・ジャクスン

 - 2020.01.27 Mon
ジャクスン,シャーリイ
野蛮人との生活
『野蛮人との生活』シャーリイ・ジャクスン(ハヤカワ文庫NV)

マケプレオーバー2000月間、3冊目はシャーリイ・ジャクスンによる育児エッセイです。
かなりレアなことで有名なハヤカワ文庫ですが、どうなんだろう、だってこれエッセイだしなぁ、と思って読み始めたら……いや、これは……面白いな……。
基本的にはモンスターがきんちょ共に振り回される作者の育児生活を描いたエッセイなんですが、書きっぷりが全然素直じゃないのですごく「シャーリイ・ジャクスンのエッセイ」っぽいのです。皮肉と裏切りがてんこ盛り。

例えば、3人目の子供を産む「三度目のお産」。子供が生まれる直前、何しろ3人目なので、作者本人としてはもう慣れたもんだと思っているし、自分の精神状態もまともだと思っているわけです。ところが、明らかに行動はおかしく、周囲のシャーリイ・ジャクスンを見る態度にモロにそれが現れているのです。しかし、これは一人称エッセイなので、作者の文章の中ではそのことがストレートに表現されるわけではなく、いわば信頼できない語り手物となってしまっている……というわけ。なんてややこしい育児エッセイなんだ……。

また、ほのぼのエッセイでも何でもないというところもポイント。なんてったって、タイトルが『野蛮人との生活』ですからね。異色作家短篇集『くじ』に収録されている「チャールズ」なんかは、どちらの短編集で読むかでガラッと印象が変わるのではないでしょうか。『くじ』の中では、もうとにっかくイヤ~なコワ~い作品ですし、『野蛮人との生活』で読めば、ある意味また怖いという。『くじ』で読んでいた作品がいきなりこの『野蛮人との生活』に出てきて、わたしゃめちゃくちゃビックリしましたよ(これ実話だったの?っていう)。
一方で、ただのドタバタで終わるコメディもあったりと、とにかく作風の幅も広いのです。シャーリイ・ジャクスンの息子・娘がとんでもない性格の子供ばかりで(しっかり「成長」エッセイになっているのがまたニクい)、そこに作者の持ち味が合わさって、やたらと意味深な育児エッセイになってしまっている、という奇妙な作品集。長女ジャニーとかどうなってるんだ……やっべぇやつじゃねぇか……(「ジャニーは新入生」が素晴らしい)。

夫の家庭への向き合い方とか正直今読むとイラっと来るところもありますが、それでもこれはかなりの良作。本来長編であるところをミスマガ連載用に短編としてバラしているのも上手いので、ぜひこのまま復刊してくれないかなぁ。そしてミスマガ集めてでも、一部翻訳されている続編『悪魔は育ち盛り』を読みたくなります。

原 題:Life Among the Savages (1953)
書 名:野蛮人との生活 〈スラップスティック式育児法〉
著 者:シャーリイ・ジャクスン Shirley Jackson
訳 者:深町真理子
出版社:早川書房
     ハヤカワ文庫NV 68
出版年:1974.05.31 1刷

評価★★★★☆

『三人の中の一人』S・A・ステーマン

 - 2020.01.24 Fri
ステーマン,S=A
三人の中の一人
『三人の中の一人』S・A・ステーマン(イフ・ノベルズ)

この物語は1930年代、フランスの片田舎にある古い城館が舞台である。城主はいかさま興業で巨富を手にしたユーゴー・スリム。彼は、ブロンド髪の若く美しい妻とこれも美しい姪とそれから暗い過去をもつ友人のネッペル医師とともに、世人の眼をさけ、この古色蒼然とした城館にひっそりと暮してした……。ある雷雨の夜、城館の一階の一室でネッペル医師が殺される。使用された兇器はピストルで、弾丸は額のど真中を射ち抜いていた。医師同様、暗い過去をもつ城主は、この殺人事件以来、いっそうおびえた生活を続けるが……。そして二度目の殺人事件が起こった。予審判事の懸命な捜査にもかかわらず、犯人の目星はつかない。ここに城主の友人として招かれた謎の人物サン・ファールが登場する。全身黒づくめの〈黒衣の男〉だった……。犯人は誰か? 本格派探偵小説の謎解きの面白さをもつ未訳の長編!(本書あらすじより)

毎年12月恒例となりつつある、マケプレオーバー2000月間の2冊目。レア本は積んで放っておかないでちゃんと読もうぜ、というアレです。ちなみに書いていませんでしたが、1冊目が先日感想をあげた『まだ殺されたことのない君たち』。
で、今回はS・A・ステーマン『三人の中の一人』です。ずっと探していて、Twitterのアイコン画像にもしていたら、例によって古本神からいただくことが出来たのです。ただ、正直面白いのかな、って不安になるじゃないですか……ステーマンだし……。

読み終わって、さらに混乱しています。ま、まさかのこのネタとは……。
ステーマンは本格ミステリ史上で考えれば重要な作家なのでしょう。ただ、見せ方や小説がイマイチで、英米圏作家に食われてしまったのもしょうがないなぁ、という出来栄えだと感じることもしばしば。とはいえ、これはこれで評価してあげなきゃならない気がしてきました(でも面白くはなかったっていう)。

手相見サン・ファールが招かれて訪れたユーゴー・スリムの城館には、城主と妻、そしてその姪の3人が世間から隠れて暮らしていた。その夜、ユーゴーの友人であるネッペル医師が射殺される。予審判事が調べを始めたものの、捜査は難航、そこに手相見サン・ファールが助言を与え、弾道から驚くべき推理を導き出した。予審判事は、サン・ファールの推理力は認めるものの、信用していいのか自信が持てない。果たして犯人は館の住人なのか、それともこの名探偵なのか……?

ステーマンって「つまらない本格ミステリ作家」というイメージだったのですが、むしろとんでもなく「変なミステリ作家」なだけなんじゃないか、と今回思いました。トリックとかおいておいて、とりあえずもう色々と変。『三人の中の一人』が異色作だとかそういうレベルじゃなく、基本的に話作りが普通じゃないんじゃないか、と。
城館に住む三人(夫婦と姪)の誰が犯人か、とかどうでもよくなるくらい、意味が分からないことが多すぎるのです。探偵役(?)を務める胡散臭さの塊みたいな手相見師、ヴァン・ダインから導き出され唐突に現れる真犯人巨人説、人間らしくない人間、ただただ読者を困惑させるヒステリックな女、などなど。なにこれ、奇人変人サーカス?

テンポの悪さとか会話のまだるっこしさとかがまぁまぁ酷いので、基本的にそこまで面白くはありません。にもかかわらず、たまに変な要素がぶち込まれるので、意外と読めてしまうんですよ。フランス・ミステリらしいめちゃくちゃな怪作ですが、英米ミステリっぽく(たぶんステーマンは本気で)作ってるせいで、最終的に得体の知れない作品になっています。

さらに最後明かされるメイントリックが、なんとあの古典的なトリック。誰もが知っているトリックで、もっと上手く使った作品を我々は既に読んでいるわけですが、先行作であり、かつ怪作っぽい雰囲気もあいまって(またこの雰囲気がトリックに合ってるというね)、妙にインパクトが強いのです。というか、ステーマンは古典的なトリックを多く生み出しているのに、あんまりにも小説が上手くないせいで後世に残らなかったんじゃないでしょうか(そしてそのせいでトリックメーカーとしての側面が目立っていないんじゃないかな、と)。
ちなみに、これを言うとネタバレになりそうだから言えませんが、めちゃくちゃ感心するポイントが1つあります。そういう意味か!となるやつ。普通にセンスがめっちゃ良いと思います。こういう小さいところでポイントを稼ぎやがるのでイマイチdisれない……。

単純にクオリティと面白さとまとまりの良さなら『殺人者は21番地に住む』が圧勝でしょう。ただ、もろもろの奇抜な要素のせいで、なかなか得難い作品ではあると思います。ステーマンって地味に優れたトリックメーカーなんだな……。
なお、巻末解説で『六死人』『ウェンズ氏の切り札』『殺人者は21番地に住む』が「角川文庫近刊」と書かれています(番町書房の本の解説になぜこの情報が載っているんだ)。そういう世界線もあったのかーとか、『マネキン』しか戦後完訳がなかった時代にいきなりステーマンを出した番町書房(実は主婦と生活社)やっべぇなとか、色々考えてしまいました。

原 題:Un dans trois (1932)
書 名:三人の中の一人
著 者:S・A・ステーマン Stanislas-André Steeman
訳 者:松村喜雄
出版社:番町書房
     イフ・ノベルズ 17
出版年:1977.06.05 初版

評価★★★★☆

『ブラックネルの殺人理論』ウォラス・ヒルディック

 - 2020.01.20 Mon
ヒルディック,ウォラス
ブラックネルの殺人理論
『ブラックネルの殺人理論』ウォラス・ヒルディック(海外ベストセラー・シリーズ)

殺してやりたい人間は世の中にいっぱいいる。その欲求を抑えこんで実行に移さないだけのことだ。だがその結果生じた心理的抑制が、様々のマイナス効果を及ぼすことは当然だ。それならば、内心の欲求に忠実に、憎む相手を殺してしまったらどうか。効果は逆のはずだ――。「私はこの理論を実践してみる。それも決して発覚しない完璧な殺人法で……」
夫、ロナルド・ブラックネルの日記を盗み読んだパットは驚いた。こんなことを考えるなんて、あの人は異常だ。憑かれたように彼女は読んだ。日記は続く。 「殺人対象は憎悪する当の人物でなくともよい。社会に害をなす、唾棄すべき人物を選べばよい。殺人によって得られる効果は同じなのだから。それに被害者と私を結びつけられる心配もない……」
そしていよいよ〔実験1〕の方法と結果の詳細な記述。パットは信じなかった。だがページを繰ると――そこには新聞の切り抜きが。日記の記述とぴったり一致する謎の殺人を報ずる記事であった! さらに第2、第3の実験の結果も……。夫は狂っているのだ、きっと。だがもしそうでなかったらどうなるのか……。(本書あらすじより)

先日読んだ『絶体絶命』は、かつて日下三蔵氏が翻訳ミステリー大賞シンジケートで文庫化しなかった埋もれた傑作(ポケミス対象外)として紹介した作品だと言いましたが、全部で日下氏は5作品紹介しているのです。で、『絶体絶命』が面白かった以上、他もイケるんじゃないか?と思うじゃないですか。
というわけで、買っておいた『ブラックネルの殺人理論』を読んでみました。作者が、自分の大好きなマガーク探偵団シリーズの作者と同一人物であると聞いて、絶対読んでみたい!と思っていたやつなのですが……ぐぬぬ……面白い……さすがマガーク少年探偵団シリーズの作者、大人向けの作品も侮れない……。

アメリカに移住してきたイギリス人のブラックネル夫妻。妻のパットは田舎町特有の噂話などにうんざりしていたが、ある日、夫の出張中に地下室からとんでもないノートを見つけてしまう。それは、夫が着々とつけてきた無差別殺人の記録だった……。

夫のノートを見つけてしまった妻が、夫は実際には犯していない殺人という妄想に取り憑かれているに違いないと思い、自分でも日記を書きつつ、夫のノートを写していく、という形式。夫と妻のノートが交互に語られていきますが、この手記形式がめちゃめちゃ上手いんです。
片や、くだけて話し言葉丸出しの妻の日記、片や、自分の精神安定には殺人が欠かせないという理論の証明のため殺人を計画する夫の論文調の記録、と文体が全然違うのです。妻から見た日常面は妻の日記で、夫側の行動は夫の記録で、とそれぞれの内容をはっきり分けることで、過去の出来事が上手く説明されているのです。
殺人を通して、性格的に強気で男らしくなっていく夫。夫はあくまでニュース記事を見て自分がやったと思い込んでいるだけだと考える妻。一刻も早く夫を病院に連れて行き、夫の日記を医師に見せねば……と焦る妻。こう書くとありきたりっぽいのに、ここからの持って行き方と終わらせ方が上手いんだよなぁ。

基本的にミステリとしてのネタは小粒ですが、この日記部分がとにかく面白いし、オチもいかにもイギリス!な感じで皮肉が効いていて良かったです。270ページ、とにかく安心して読めるクオリティのサスペンスとしておすすめです。見かけたら買って損はしないはず。
ちなみにですが、ウォラス・ヒルディック(E・W・ヒルディック)の邦訳には、みんな大好きマガーク少年探偵団シリーズの他に、講談社から幽霊探偵団シリーズ(全5冊)が出ていたことを知ってしまいました。欲しい……いやでも、児童書沼とかキツいからやめてくれ……読みたいから探すけど……。

原 題:Bracknell's Law (1975)
書 名:ブラックネルの殺人理論
著 者:ウォラス・ヒルディック Wallace Hildick
訳 者:広瀬順弘
出版社:角川書店
     海外ベストセラー・シリーズ
出版年:1978.02.28 初版

評価★★★★☆

『「乗ってきた馬」亭の再会』マーサ・グライムズ

 - 2020.01.18 Sat
グライムズ,マーサ
「乗ってきた馬」亭の再会
『「乗ってきた馬」亭の再会』マーサ・グライムズ(文春文庫)

春先の憂鬱にとらわれたジュリーのもとに、旧知の貴族夫人からお呼び出しがかかった。恩あるレディに頼まれて、アメリカの殺人事件を調べるはめになり、警視、ついに大西洋を渡る。(本書あらすじより)

月一グライムズ再読、ついに12冊目(読んだのはちゃんと12月頭なんですよ、感想は今ですけど)。ジュリー警視一向、友人に頼まれアメリカに行く、の巻。初読時の印象はかなり悪いのですが……。
思ったよりアメリカにいる主人公たちの描写に違和感がなく(というかイギリスにいるのと変わらない)、ボルティモアを舞台にポオが密接に絡んでいくのも割と面白い……とは思います。ただ、ここ数作全般に言えることですが、シリーズ要素がいくら何でも強すぎてストーリー的に邪魔なんだよなぁ。

ポオの未発表原稿を入手し論文を書こうとしていた女子大学生殺し、山中のロッジで殺された若い男性、ホームレス殺しという3つの無関係な殺人。前作の登場人物に頼まれて女子大生殺しを調べにアメリカに来たジュリー警視らによって、3つの殺人が結び付けられていく様は悪くありません。いつもより元貴族プラントがめちゃめちゃ推理しているのもダブル主人公的に良いですし。

大学が舞台の一つとなるせいでクセの強い大学教授たちが出てきたりと、容疑者も結構魅力的。ただ、動機は良いとして、そこからの犯人特定要素が全くない(このままだと容疑者は2人はいるはずでは)あたり、あぁグライムズは謎解きミステリやめちゃったんだなぁ感がハンパないですね……(初期からそこまでゴリゴリの謎解きでもないとはいえ)。

しかしそんなことより、問題は本書が『「レインボウズ・エンド」亭の大いなる幻影』との実質二部作であることなのです。一作で完結はしているけど、キャラクター同士の関係とかもろもろが次に持ち越された感があります。だから事件解決後にダラダラと何十ページもまだ残りがあるわけで……。
このシリーズは、シリーズキャラクターが雪だるま式に増えまくっていきます。もちろん彼らの登場は楽しいし魅力的なことこの上ないんですが、あくまでそれをストーリーの副にしてほしかったんですよ。だから最後の何十ページかは完全に蛇足。アメリカにいる間の捜査とかもろもろすごく良いだけに、本当にもったいないのです。

来月読む『「レインボウズ・エンド」亭の大いなる幻影』は、それこそここまでの12作の総括的な意味合いのある作品。これを読んだら、グライムズ総括的なことをやって、月一グライムズ再読を終わりにしようかな、と思っています。

原 題:The Horse You Came In On (1993)
書 名:「乗ってきた馬」亭の再会
著 者:マーサ・グライムズ Martha Grimes
訳 者:山本俊子
出版社:文藝春秋
     文春文庫 ク-1-13
出版年:1996.05.10 1刷

評価★★★★☆

『まだ殺されたことのない君たち』B・マスロフスキー

 - 2020.01.15 Wed
マスロフスキー,B
まだ殺されたことのない君たち
『まだ殺されたことのない君たち』B・マスロフスキー(東都書房)

これもねぇ、とんでもないレア本なんですけど、これまた知り合いに貸してもらえて読めました。読みました。うっそだろってくらい面白いんですよ、これが。幽霊探偵物の見本のような、ユーモアたっぷりの本格ミステリです。

毒殺されたミステリ作家が、気付けば幽霊となっていた。自分の死の真相を求めてうろうろうろつきまわり、刑事の後をつけまくる。恨みを持つ人がどっちゃりいる中で、果たして犯人は誰なのか? 予想外の幽霊生活を楽しみつつ、彼は警察の捜査の行方を追うが……。

すごく面白い展開が中盤以降あるのですが、ネタバレになっちゃうのであまりあらすじを書けないのが残念。
幽霊が現実世界にほぼ干渉しない(できない)ので、基本的に捜査は現実世界の人々(優秀な警部とか)によって行われ、それを幽霊たちが眺める、という感じ(幽霊も別に頑張って盗み聞きしたりとかしないし)。他人の生活を覗き見しつつ、過去にあったもめ事を主人公が回想する……などを繰り返しつつ、前半はゆっくり捜査が進みます。
容疑者が何人も浮かび上がっては来ますが、まぁ基本的には聞き取りばかり。ところがこれが幽霊という目を通しているせいで、ただの聞き取りが楽しいのです。ユーモラスかつ皮肉な視点で、幽霊が刑事の聞き取りの甘さに文句言ったりしてるわけですよ。

で、この作品の白眉は中盤以降の急展開なのです。あ、こうなるんだ!と、なかなかの衝撃でした。いや、そうだよなぁ、幽霊だもんなぁ。そりゃそういう展開にもなるよなぁ。何で思いつかなかったんだろう……。類似作は今となってはいくらでもあるとは思うんですが、このアイデアは個人的には初めてでした。
このアイデアに基づきながら進む話がもうとにかく楽しくて楽しくて。アイデアとしても、全体のトーンとしても、ユーモア小説としての出来がいいんですよ。幽霊が幽霊としての生活を満喫しまくっている(死んだことを後悔していない)あたりからもう楽しいし。
それに加えて、本格ミステリとしても優秀で、犯人の意外性もあり、謎解き物としても一定度のクオリティもあり。読んでて楽しい、180ページという絶妙な長さできれいにまとまった超良作。マジでおすすめです。

というわけで、これ、もしかしたら幽霊探偵物の最高峰なんじゃないでしょうか。ちなみに真鍋博の装丁がめっちゃかわいいのですが、これはぜひ現物を見てほしいなぁ。挿絵も入りまくっているんですが、こっちも内容にあっていて最高なんです。ないと思うけど、もし復刊するならこのままして欲しいですよね……まぁないでしょうけど。
なお、作者名ですが、木々高太郎による後書きによれば、本作はマスロフスキーとセシヤンの共作ということになっています。国会図書館なんかの表記も共作扱い。ただ、表紙や奥付けはマスロフスキーの名前しか入っていません。っていうか木々高太郎が本作を訳すに至る過程などが後書きに書いてあるんですが、あれですね、昔の翻訳権ってすごくいい加減だったんですね……。

原 題:Vous qui n'avez jamais été tués (1951)
書 名:まだ殺されたことのない君たち
著 者:B・マスロフスキー、セシヤン B. Maslowski, Sechan
訳 者:木々高太郎、槙悠人
出版社:東都書房
出版年:1962.07.12 1刷

評価★★★★★

『絶体絶命』フレデリック・ダール

 - 2020.01.13 Mon
ダール,フレデリック
絶体絶命
『絶体絶命』フレデリック・ダール(三笠書房)

薄暗い閉じ込められた刑務所の一隅。断絶された世界にこの小説の主人公は、死刑台を組立てる音を聞きながらも自分の無罪を信じて、静かに過去を回想する……俺は誰も殺しはしない、妻の姦通、堪え難い嫉妬、妻を苦しめたさまざまの手段、そして妻の殺人……夜があける、靴音が近づいてくる……1957年度、フランス探偵小説大賞 受賞作品!(本書あらすじより)

幻級のレア本ですが、知り合いから借りて読むことが出来ました。かつて日下三蔵氏が翻訳ミステリー大賞シンジケートで文庫化しなかった埋もれた傑作(ポケミス対象外)として紹介した5作品のうちの1つ。
ま、えてして幻級のレア本なんてそんなに面白く……え、嘘だろ、めちゃくちゃ面白いじゃないか……。フランス・ミステリど真ん中のような作品です。

浮気妻と、浮気された夫の間にいかなる経緯があり、夫は死刑囚となるに至ったのか? 死刑執行を目前に控えた夫の回想という形で、とある犯罪が語られる……おぉ、回想ものだ、浮気だ、超ベーシック・フランス・ミステリだ、と思うじゃないですか(いや実際そう)。
250ページ、字もでかけりゃやたらと余白も多い本の中で、めちゃくちゃコンパクトに、テンポ良く、場面を切り替えながら、夫による復讐計画が描かれていきます。犯罪小説としてなんだかやたらと無駄のない面白さで、とにかく一気に読ませられるし、引き込まれてしまうのです。

そして、まぁでもベタなサスペンスだなぁと思って読んでいたのですが、計画がずれ始めたところで、すごいびっくりしちゃったんですよ。そりゃ冒頭で主人公が死刑になってるわけですから、どこかで何か起きるとは思っていましたが、あ、そういう展開?!っていう。そこから最後の決着までひたすら読者を飽きさせないし、先を読ませないのです。サスペンスとしてこの上なく理想的。
夫が、特にミスもなくすげぇ冷静に淡々と復讐を進めていこうとするという、このヤバさと語りが、たぶんあらすじ的には見たことありそうなこの作品を得難いものにしているのかなぁ。本当に復刊しないのがもったいないレベル。

というわけで超面白かったです。フレデリック・ダール、前に読んだ『甦える旋律』はそこまでハマらなかったのに。これは他の作品もちゃんと読んでいかないと……。

原 題:Délivrez-nous du mal (1956)
書 名:絶体絶命
訳 者:フレデリック・ダール Frédéric Dard
訳 者:中込純次
出版社:三笠書房
出版年:1958.11.25 初版

評価★★★★☆

2019年海外ミステリSF・ベスト10

 - 2020.01.06 Mon
今年のベスト10
毎年1月1日に更新しているベスト10、遅くなりましたがようやく発表です。いやー今年は決めるのが難しかったんだよな……。
まずは順位をご覧いただきましょう。こちらです。

1.ジョーダン・ハーパー『拳銃使いの娘
2.ボストン・テラン『ひとり旅立つ少年よ
3.シャーロット・アームストロング『サムシング・ブルー
4.B・マスロフスキー、セシヤン『まだ殺されたことのない君たち』(感想はもうすぐアップします)
5.ロザリンド・アッシュ『
6.ユーディト・W・タシュラー『国語教師
7.フレッド・ヴァルガス『ネプチューンの影
8.ルー・バーニー『11月に去りし者
9.ヴォルフ・ハース『きたれ、甘き死よ
10.ルイス・ベイヤード『陸軍士官学校の死

再読本(マーサ・グライムズとかディケンズとか)は対象外。11位はたぶんフレデリック・ダール『絶体絶命』です(これももうすぐ感想を書きます)。

いつになく新刊が多い、という印象。1位、2位、6位、7位、8位が去年の新刊です。
まぁこうなった理由は明白で、2019年は読了数が超少なかったからなんです。なんと98冊。2015年以来、久々の100冊未満になってしまいました。でも新刊は(このミスに投票しなくちゃいけないのもあって)ちゃんと読んでいる(たぶん42冊くらい)ので、つまりどうしても新刊の面白かった本の割合が高くなっちゃったんですよね。別にそれがダメってこともないけど、もっと積ん読の古本を読みまくりたかったなぁというのも事実。2020年の課題にしましょう。

1位、2位、8位は、いずれもクライム・ロード・ノベル。2019年は明らかにロード・ノベルの当たり年だったんですが、その中でも群を抜いて良かった……というよりは個人的に好きだったのが『拳銃使いの娘』でした。「拳銃使い」とその「娘」がただただカッコよく、まるで神話のようにも思えた、見事なクライム・ノベルです。2位『ひとり旅立つ少年よ』も、過去に読んだボストン・テランの中で断トツのトップ。8位『11月に去りし者』も、本来自分が嫌いなはずのギャング小説とは思えないくらいにはまりました。たぶんこの手のミステリを、自分が好きなんですね。間違いない。
他に新刊で言うと、6位『国語教師』は文学よりの、メールのやり取りや会話文で構成されたミステリ。一見ミステリには見えないものの、次第に浮かび上がってくる謎と、キモい男の恋愛から生まれるエモさが見事に結びついた作品。7位『ネプチューンの影』は、待望のヴァルガスです。この作品については、作品そのものどころか出るまでについてまで記事にまとめたくらいなので。

さて、そんな新刊勢に食い込んだのが、やはり我らがシャーロット・アームストロング、3位の『サムシング・ブルー』です。正直2017年に読んだ『魔女の館』とか、大昔に読んだ『毒薬の小壜』には負けますが、本格ミステリ的なストーリーの中でアームストロングらしい善意のサスペンスがさく裂するという、相変わらずの傑作っぷりでした。今後毎年アームストロングは読んでいく予定。
4位『まだ殺されたことのない君たち』はまだ感想を書いていませんが、伝説級のレア本であるにもかかわらず、実際マジで面白いという奇跡の幽霊探偵もの。ユーモア小説としても謎解きミステリとしても一級の作品です。
5位『蛾』はサンリオSF文庫でありながら、ごりごりのサスペンスとしてめちゃくちゃ面白い一作。序盤はとにかく読みにくいのですが、ゴースト・ストーリーの中でひたすら緊張感を高めていく様が上手い、意外なオススメ小説。

さらに9位『きたれ、甘き死よ』は、絶対面白くなさそうな(失礼)まさかのウィーン・ミステリー・シリーズ。中盤がダレていようが気にしてはいけません。これはもう、自分の大好きな、「ヘンな小説」ですよ。ジャック・ルーボーなどのフランス・ミステリ好きに強くプッシュしたい作品。
10位『陸軍士官学校の死』は創元推理文庫の上下巻。謎解き、どんでん返し、雰囲気など全てがハイクオリティの、19世紀前半が舞台の歴史ミステリです。『カササギ殺人事件』が流行った今こそ、もっと読まれてもいいかなと思うのですが、どうでしょう。


ではでは、今回はこんなところで。2020年も皆様にとってよい読書年になりますように!

『国会議事堂の死体』スタンリー・ハイランド

 - 2020.01.04 Sat
ハイランド,スタンリー
国会議事堂の死体
『国会議事堂の死体』スタンリー・ハイランド(世界探偵小説全集)

英国国会議事堂の時計塔、ビッグベンの改修工事中、壁の中からミイラ化した死体が発見された。後頭部を打ち砕かれ、着衣等から100年前のものと推定されたこの死体をめぐって検屍裁判が開かれたが、事件に興味を感じた若手議員ブライは調査委員会を組織し、謎の解明に乗りだした。やがて少しずつ集まりだしたデータから、19世紀の国会議事堂建設をめぐる秘話と、激しい愛憎の物語が次第に明らかにされていく。個性豊かな国会議員の面々が推理の饗宴を繰り広げる「時の娘」風の歴史推理の前半から、後半にいたって物語は思わぬ展開を見せはじめる。読み巧者フランシス・アイルズがただ一言、「真の傑作」と評した50年代の知られざる名作。(本書あらすじより)

今まで読んだ中でも断トツで読者に不親切な小説。わっかりにくいし、読みにくい。というわけで、決してオススメしようとは思わないのですが……なんかね、最後の方には、嫌いになれない自分がいました。なぜだ。
中盤までは、とにかく読みにくいわ分かりにくいわ場面転換がめちゃくちゃだわキャラクターの区別がつかないわ(これは最後までか)、とにかくキッツい小説だったのに、最終的にはなんかまぁ面白かった気がしないこともないんだよなぁ。『時の娘』+『毒入りチョコレート事件』という感じでしょうか……と思いつつ読んでいたら、解説でフランシス・アイルズ絶賛!ということを知り笑いました。そりゃあんたは好きでしょうよ。

国会議事堂でミイラ化した死体が発見される。おそらく100年前に殺された男のものであろうということで、やる気のない警察に代わって、国会議員たちが独自の委員会を結成し、殺人事件の調査を行う……という発端。

ミイラの手がかりとなりそうな、謎の絵エフレナーテの手がかりが華々しく登場する割に説明と結びつけが超下手だったり、1850年代の事件であろうと検討をつけるのはいいとして、国会議事堂の歴史を絡めないと調査が進まないからってこれでもかと建物やら議員やら制度やらの説明があったり。とにかく説明くさくて分かりにくい小説。そのくせ、主要登場人物の描き分けを全然ちゃんとしてくれないので、最後まで区別もつかないし……。
国会議員という、いかにも探偵仕事向きではなさそうな方々が、(出世のため)素人探偵遊びに興じ、100年前の事件を暴く……という前半、というか3分の2は、めちゃくちゃつまらないということもないにしても、歴史ミステリ的なワクワク感には欠けます。複数探偵ものとしてちゃんと謎解きをやってはいるんですが、たぶんこれ見せ方が悪いんですよね。はっきり言って、説明と展開はド下手です。ザ・アマチュアミステリ。

……ところがです、この謎解きにハマりかけてきたところで、急に物語の調子が変わるんです。これはやられました。油断していたとしか言いようがありません。前半と切り離されるわけでもないし(まぁ手がかりは怒涛の後出しで、前半と結びつけ切れてない感はありますが)、さらに真犯人も上手く持ってこれてるし(これも誰?感は否めないけど)、オチも皮肉がきいてるし。くっそー、こういうの好きだなぁ。

アマチュアミステリオタクっぽさがちゃんと形になって良かったね、という作品なんです。要はあれですよ、『赤い右手』のような、国書刊行会世界探偵小説全集っぽい、ってことですよ(意味不明)。通向けの本格ミステリとして、気になる方は手に取ってみても……まぁ損はしない、はず。

原 題:Who Goes Hang? (1958)
書 名:国会議事堂の死体
著 者:スタンリー・ハイランド Stanley Hyland
訳 者:小林晋
出版社:国書刊行会
     世界探偵小説全集 35
出版年:2000.01.20 初版

評価★★★★☆

『陸軍士官学校の死』ルイス・ベイヤード

 - 2020.01.02 Thu
ベイヤード,ルイス
陸軍士官学校の死 上 陸軍士官学校の死 下
『陸軍士官学校の死 上下』ルイス・ベイヤード(創元推理文庫)

引退した名警官ガス・ランダーは、ウエストポイント陸軍士官学校のセアー校長に呼び出され、内密に処理したい事件の捜査を依頼される。同校の士官候補生の首吊り死体から、何者かが心臓をくり抜き持ち去ったというのだ。捜査の過程でランダーは、ひとりの年若い協力者を得る。士官候補生一年の彼は青白い顔の夢想家で、名をエドガー・アラン・ポオといった――青年時代の文豪ポオを探偵役に迎えた、詩情豊かな傑作謎解きミステリ。(本書上巻あらすじより)

あけましておめでとうございます。本年もブログ、ヨッシーワールドをよろしくお願いします。
このタイミングで2019年のベスト10を発表したいところなのですが、諸事情により、あと一週間くらい先にさせてください。ちょっとね、今は無理ですね……。というわけで、今日は普通に11月に読んだ本の感想です(はよ書け)。

さて『陸軍士官学校の死』。この本が出て話題になっていた2010年、まだ自分は大学に入っていなくて、つまり新刊を読んでいなかったわけです。「なんか面白いらしい」くらいには聞いていたのでとりあえず買っておいたら、そのまま8年くらい積んでしまっていた、という。
そしていざ読んでみると、めちゃめちゃ良かったのでした。しかし、これほどの作品が当時のこのミス8位か……今ならもっとカササギ的な扱いを受けるだろうに……。

1830年代、イギリス。引退した警官であるランダーは、近隣にある陸軍士官学校から内密に呼ばれる。学校内で自殺と思われる首つり死体が見つかり、さらに死後、死体から心臓が抜かれていたというのだ。ランダーは、陸軍士官学校の士官候補生、個性的でぶっ飛んだポオ青年を助手にし、捜査を始めることにするが……。

まず、何と言っても読みやすさ。1830年代のアメリカ陸軍士官学校を舞台にした上下巻のミステリ……うーん面倒臭そう、と思いきや、事件が起き、引退した名刑事による捜査がなされ、手記やら手紙やらを織り交ぜつつ、とにかくテンポよく読ませてくるので、単純に読み物としてべらぼうに面白いのです。ゴシックっぽすぎないおかげかも。すごく現代風なんですよ。

そして、「若き日のポオが登場する……でも別にポオに何の感情もないんだよなぁ」みたいなそこのあなた、何の問題もありません。読んでみて意外だったのですが、探偵役はあくまで引退した刑事ランダーであり、ポオは調子こいて恋愛しがちな助手役に過ぎないのです。単に、キャラの濃いポオという若者の出る小説、という扱いで何の問題もありません(詳しければ色々なネタも楽しめるんでしょうが)。
もちろん、主人公ランダーもホームズ的な推理能力の持ち主であり、名探偵役として十分。あと、想像力がたくましい人は、ランダーとポオの関係にBL要素を見出しましょう。こっちも描写が絶妙で良いんだよな……。

謎解きは、19世紀的というかホームズ的というか、いわゆる純フーダニット的なものではありません(まぁポオだしね)。ただ、自殺に見せかけた首吊り死体、から抜き取られた心臓など、インパクトのある事件が続くため、謎解き物としてもちゃんと評価できる作品だと思います(そして、実はこれだけじゃない……という部分があり、そこもまた良し)。
実際問題謎解き物としてかなり楽しい趣向が凝らされているので、本格ミステリ好きであれば一読の価値はあり。ただの冒険小説風ミステリと思っちゃいけません。

割と有名な作品なので今さら読んでテンション上げているのもちょっと恥ずかしいのですが、これは今さらだろうが読んで正解。気軽に手に取って欲しい、すごく現代的なオススメ歴史ミステリです。

原 題:The Pale Blue Eye (2006)
書 名:陸軍士官学校の死 上下
著 者:ルイス・ベイヤード Louis Bayard
訳 者:山田蘭
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mヘ-14-1,2
出版年:2010.07.16 初版

評価★★★★☆

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Author:ヨッシー
クリスティ、デクスター、グライムズ、ディヴァインが好きな、ヨッシーことTYこと吉井富房を名乗る遅読の社会人3年目が、日々読み散らかした海外ミステリ(古典と現代が半々くらい)を紹介する趣味のブログです。ブログ開始から9年になりました。ちなみにブログ名は、某テンドーのカラフル怪獣とは全く関係ありません。
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