はい、どーも、TYです。読書感想文を載せるとか、旅行記書くとかほざいていましたが、今月はどうも無理みたいですね。というのも、昨日今日とパソコンとひたすら対峙してまして。何ですか、基礎演習とやらの推理小説史のレポート締め切りが今月中であるのに加え、パソコンでやる模試の採点とやらのアルバイトがあったりして、も、大忙しです。


なんて状況にもかかわらず、今日はのこのことお祭りに行って来ました。毎年行われる市のお祭りで、伝統はないけどまあまあでかいものです。東北でもないのにねぶたのパレードがあります(なぜ?)。
友達とウロウロしてたら、中学の同級生に出くわし、さらに出くわし、出くわしたあげく、総勢30人ちょいでベンチに座ってだべることとなりました。うーむ、こないだ同窓会やったばっかだっちゅーに。

途中で、通りがかりの外国人さん2人がなぜか乱入してきました(座っていいかい、と英語で聞かれ、こっちの誰かがヘイカモーンだかなんだか言ったせい)。1人はスコットランド出身だとかで、日本語もちょっとしゃべれ、なおかつ酔っており、ついでに女の子大好きと来たもんで、39歳だとか気にせずかっな~り意気投合。もう1人はイタリア人でして、日本語は無理っぽく、運転担当だとかで酒も飲まず。ちょっと気の毒ですねぇ。
で、そのイタリア人と英語で話してて、そうだ、まだ半年とは言え、せっかくイタリア語習ってるんだから、何かイタリア語で聞いてみよう、出身の町はどこか聞いてみよう!と思い立ったはいいんですが、どう頑張ってもどう聞くんだか思い出せないんですね、これが。1ヶ月イタリア語放置するとこんなになっちゃうんですか。こりゃまずい。結局あいさつしかイタリア語で話さなかったというていたらく。うぐぐぐぐ、次回イタリア人に会ったら何か話してやる。


そんなこんなで、明日は高校のプチ同窓会です。論文間に合うかな……。
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はい、どうも、一週間以上ぶりですね。いない間も来て下さった方がいたみたいで……どうもありがとうございます。

えー、実はですね、ちょっと旅行に行っていました。しかも軽く海を越えちゃったという、我ながらびっくりな大遠征です。いやまぁ、家族旅行ですが。いったいいつ以来なんでしょうか……前に家族で旅行に行ったのは。パッと出ないんですけど。まぁ、水泳の選手コースやってた人はみんな似たり寄ったりな状況でしたが。違ったかな。

とはいえ、どこ行ったとか、何したとか、何しなかったとか、これといって書くつもりはなかったんですよ、えぇ。いやホントなかったんですけど、このブログを見ている、何というか、えー、割と高年齢層の方々がですね(って言ったら怒られそうだ)、書け書けと言ってくるわけですよ。しかも母親経由で。自分としちゃなぜこのブログを知ってるのか、むしろそこを聞きたいんですが。

というわけなので、まぁ気が向けば書こうと思います。めんどくさくなって書かない可能性も大ですが。だいたい8日間ですからねぇ、書くとなったら論文並みの長さになることは必至。うーん、やっぱやめましょうかねぇ。でも、ここに記憶として残すのは悪かないと思うんですよ。1か月もたちゃ忘れてきちゃうわけですし。夏休みに書くネタがそんなに一杯あるわけでもないし。


で、とりあえず、ある意味関係あるというか、関係ないというか、生きと帰りに飛行機で見た映画の感想でも書こうかと思います。ヒマな中消去法で見てった映画ですので、普段見ないようなのが多いです。

[行き]
『オーシャン・オブ・ファイヤー』(2004)
主演、ヴィゴ・モーテンセン、もといアラゴルンです。馬に乗ってひたすら砂漠を横断するという、ただただ人より馬にとって過酷なレースのお話。以前予告編を見て気になってはいたんですが。
で、実際見てみたら、うん、正直それほどでもなかったです(笑)悪くはないけど、良くはないというか。むしろこれが実話ということにびっくりです。ただ、誘拐云々は本当なのかな。ちょっと出来すぎな気もしますが。というか、こんなに回り道をしてるのに最後あれだけ競ってるって、他の人弱すぎない?
★★★☆☆

『ソース・コード』(2011)
英語タイトルsource codeです。日本ではまだ公開されていません。公開されるかも分かりません。というわけで、吹き替えはどこがやったのか、飛行機会社かなんかだと思うんですが、とにかく吹き替えがド下手です。字幕で見たかったな……。
まぁとにかく、これは面白かった。あらすじはかなり説明しにくいんですけど、SFミステリっぽいというか。シカゴ行きの爆破された電車の最後の8分間を何度も体験することで、事故の真相をつかもうとする話。うーん、やっぱりよく分かんないですね。とにかく、何度も何度も同じ場面を検証することで、だんだん犯人が分かってくるというストーリー立てがとにかく魅力的。最後の終わらせ方も、けっこう良いんじゃないでしょうか。あんまり見ないタイプの話でしたが、これはオススメです。
★★★★★

[帰り]
『宇宙人ポール』(2011)
英語タイトルPoal。これまた日本ではまだ公開されていません。公開されるらしいという話もありますが。サイモン・ペッグとニック・フロストが主演のイギリス・アメリカSFコメディ映画。……って、あぁ、この2人、『ホット・ファズ』の主演か!!ちなみに個人的に、『ホット・ファズ』は、コメディとしては傑作だと思います。大好きです。こんなに楽しめて笑えた話はないはず。
じゃなくて『宇宙人ポール』ですが、まぁそこそこ楽しめたかなという気がします。あくまでそこそこね。最後の展開とかが無駄に大団円のような気もするけど。ま、しょーもない映画です。
★★★★☆

あともうひとつ。これは出発前に見た映画ですが。
『真実の行方』(1996)
リチャード・ギアとエドワード・ノートン主演。これは結構面白かったですね。シカゴの大司教が惨殺され、その殺人現場から血だらけの男が逃げ去り、逮捕された。犯人は果たして彼なのか?という話で、弁護士がギア、犯人の若者がノートンです。さすがはエドワード・ノートンですね。こういう役をやらせりゃピカ一でしょう。
話が2回ほどひっくりかえりますが、その度にノートンの演技力にうならされます。最後の終わり方もね。ってか、この結末って、よくよく考えりゃ一人を除いて誰ひとりハッピーになってないんですよね。まぁ、後味が最悪、というタイプの映画ではありませんが。
★★★★☆


まぁ、ぼちぼち書いていこうと思います。とりあえずジョージェット・ヘイヤーの感想文を書かないと。ちなみにこの1週間一冊も読了していません(ただし旅行先で本を買いました……読めない言語の)。
それではまた。
えー、突然ですが、ブログの更新を25日まで停止します。コメント等への返信も出来ませんので、ご了承下さい。

あ、あと、電波の入らないところにいるため、携帯電話が使えません。メールや電話が受けられないと思います。TYに用がある人は、そーですね、まぁ諦めて下さい。メールだったら、26日に返信出来ると思います。


昨日、ジョージェット・ヘイヤー『紳士と月夜の晒し台』を読み終わりました。感想文は……えぇと、26日以降に更新します。まぁその、あまりオススメしないとだけ言っておきます。

それから、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』を、流し読みですが読み終わりました。以前読んだ時はびっみょ~と思った気がしますが、やっぱり面白いですね。メインストーリーがというより、サブの学校生活とか、そんなのが。ジニーってこんなに可愛かったのねぇ……でもって、ハリーを落としたのは、こりゃ計算だよね、たぶん。
ルーナって、なんか、めちゃめちゃいい子じゃないですか。いまだに友達がジニーだけと思ってるみたいですけど、ハリー達はもっと構ってやるべきだと思うんですよね。ってかね、ハリーのルーナの扱いが結構ひどいんだよね……。やっぱハリーはダメですね、うん。


『真実の行方』って映画を見たりとか(リチャード・ギアとエドワード・ノートン)、ウォークマンを拾って届けて貰ったりとか、まだ書くことはいろいろあるんですが、ひとまずこの辺で。
皆さん、昨日、8月13日は左利きの日だったんですよ。知ってましたか?ちなみに自分は、左利きを英語で言うときは「レフティ」と言わせるべきだという主張をずっと持っています……だからどうした。

よくミステリとかで、現場の状況は犯人が左手を使ったことを示している、よって犯人は左利きに違いない!みたいなのがありますね(なぜか推理小説の中には左利きがやたらとぞろぞろ出てくる)。しかし左利きに言わせると、左利きだって右手を使うんですよ。それも結構頻繁に。というのも、この世の中、右利き第一主義がまかりとおっているわけで、右手を使わなきゃ生きていけんのです。だから、改札で切符を通すのが右手でやりにくくても右手をちゃんと使いますし、カメラのシャッターが右についていようが頑張って右手の指で押すのです。さすがに自販機のコイン投入口は左手で行いますが。

しかぁし!どうしても左利きが使いにくいものがあります。それは……そう、右利きの皆さんには思いもしないもの、コインロッカーなのです!一体何なんですか、あれは。左手で扉を開ける。それはよろしい。というか、右手じゃ扉は開けられません。それはいいんですが、その後右手で物を出し入れせよとおっしゃるのですか。右手でかばんを押し込み、右手でかばんを引っ張り出す。しかも、ロッカーにコインを入れる時、どうしたって扉を開けないとコインが入らないわけでしょう。右手でそんな繊細な動作が行えますか、え?
というわけで、今日もTYは肩でロッカーの扉を支えつつ、物を出し入れし、コインを入れるのでした。ミステリでどうしても左利きの指紋とかを使いたいなら、ロッカーを強くお勧めします。


えーと、というわけで、前置きが長くなりました。昨日朝の5時まで起きていたアホなTYです。何の気なしにハリー・ポッターを開けたら、気がつくとこんな時間になっているとは……。

今日、14日は、なんと小学校のタイムカプセルを掘り出す日!同窓会です!なんと懐かしい連中ばかりぞろぞろと集まることか。
いやそれは結構ですが、この1年で一番暑い時期の、1日で一番暑い午後1時に集合し、えっちらおっちらスコップ片手(いや両手)に土を掘るというのはどうなんでしょうか。当然暑いです。それはもう、うだるような暑さです。
しかもですよ、埋めたのは、まぁ小学校の敷地内にあるミニ林っぽい部分なんですが、どうやら誰も埋めた場所を覚えてきてないときます。だいたいこのへんだったかな、というレベル。確か切り株3つに囲まれていたはずですが、畑を作ったとか何とかで目印がゼロ。しょうがないのでそこら中掘り返しましたとも、えぇもう。もはや地表の形はロッキー山脈です。
そんな中、ついに誰かがポリバケツを掘り当てました!いやー良かったですね。すでにこの時点で2時間掘り続けていたわけです……あっちこっちを。これでついに作業も終了です。

……と思ったら。

なるほど、確かに青いポリバケツ。3つあるから3クラス分あるというわけで間違いない。ところがバケツの蓋には、なんと!「1977年度第4回卒業生」との文字がっ!
自分たちより26年も先輩の方々のでしたか、そうでしたか……。

その後も掘りましたが、作業は3時半には終了となりました。未だ宝物は発見できず。タイムカプセルに入っている、保護者の方が埋める直前に放り込んだワインは、今、どうなってんでしょうか……。それを見れなかったのが残念です。自分が入れたものは、正直くだらんどうでもいいもんですし。


その後5時から宴会となったわけですが……。

あの、お店の名前出さない方がいいのかな。確かにね、年齢確認があるのは、まぁしょうがないですよ。お店の方だって未成年にアル中起こされても困るわけですし。ただ、何も飲める年齢の人と、飲めない年齢の人を、めっちゃ引き離すことはないんじゃないですか?完全に別ゾーンですよ。しかも飲める年齢の人が飲める物を持って飲めない年齢のゾーンに入ってくると、店員さんがいちいち見咎めて注意する始末。こっそり飲める人のところに交じっていた人は、序盤で「あの、年齢確認しましたっけ?」とあっさり看破されすごすご戻って来ました。うぅむ、ここまで目ざといと逆に感心します。
別にねぇ、酒を飲みたいというわけじゃなくてですよ(そもそもお酒好きじゃないし)、同窓会なのに席が分断されていることに腹が立つわけですよ。みんなしゃべりに来てるのに、あれあの人はどこ行った、じゃしょうがないでしょうが。まぁ、最終的には飲めないゾーンに飲めるゾーンから人が来たり、またその逆もあったりと、割とぐちゃぐちゃではありましたが。


と、結局大いに盛り上がったところで、まぁ二次会となるわけですが、70人以上もぞろぞろ引き連れて行けるとこなんざほとんどないわけでしょう。てなわけで、「カラオケ」組と、「花火」組に分かれることにしました。結局50人以上は花火でしたけど。
で、公園でファイアーしまくりました。花火とか、高3の文化祭の打ち上げ以来でしょうか。3時間以上は公園でだべってましたね。缶アルコールを片手に。今日は結局1缶しか飲みませんでしたが(別にお酒なくなっていいじゃないですか、となかなかみんな考えないんだよなぁ)。

3次会として、公演組はカラオケ組に合流するみたいですが、自分はもう帰りました。あぁぁ、疲れたけど楽しかったですね。幹事さん、お疲れさまでした!また集まれるといいですけど、なかなか小学校の同窓会は難しそうですねぇ。
不思議を売る男
『不思議を売る男』ジェラルディン・マコーリアン(偕成社)

エイルサが図書館で出会ったその男は翌日から、エイルサの母親の古道具店ではたらくことになった。はじめは不審に思っていたエイルサ親子も、その男の商売のうまさに魅せられていく。というもの、男は、まことしやかにそれぞれの古道具の由来を客に語ってきかせ、客をその品物に夢中にさせるのだ。エイルサ親子も、客同様、その謎の男の話にひきこまれていく……。(本書あらすじより)

(2012.8.14 追記を書きました。読書感想文課題図書らしいですね笑)


この間「大人にもオススメな児童書」企画で紹介記事を書いて、急にまた読みたくなって、結局図書館から借りてきてしまいました。まぁ読みたくなった最大の原因は、本棚の偕成社文庫を整理していて、佐竹美保さんの挿絵を見て思い出したからですが。

それはともかく、ひっさびさに読みましたが、やっぱりこれ、めちゃくちゃ面白いですね!まさに現代のアラビアン・ナイト!(読んだことないけど)万人にオススメの、読書を楽しめる一冊です。
……というのはもちろんなんですが、やっぱり、子供の頃の方がワクワクして読めた気がします。見え見えの展開にも心を躍らせていたあの頃。うーん。
全体として見ると、やはり良く出来た作品だと思います。まだ本をそこまで読んでいない子供にとって、『不思議を売る男』は未知の世界を見せてくれるでしょうし、すれた大人にとっても、珠玉の一話一話を心から楽しめるのではないでしょうか。毎話、導入部分を飽きないように工夫を凝らしているのもいいですね。

今回特に感心したのは、一話毎に語り口を大きく変えているという点です。まぁこれは訳者さんの問題にもなってくるのかもしれませんが。例えば中国の昔話なら、いかにもな昔話風味の文章だし、海賊ものなら、やはりいかにもな海賊物風味で文章が綴られているんです。
それと、作者さんは、自分が書いている作品に浸って書いているなという印象を受けました。細かい描写がいちいちそれらしいんですよね。まるで、登場人物が体験している様子がそのまま読者に伝わってくるかのような。文章を書くのがとっても上手い人なんでしょう。

この面白さを2倍にも3倍にもしているのが、佐竹美保さんの挿絵です。佐竹さんの版画っぽい絵の持ち味が最大限に生かされていると思います。日本人にはなじみのない家具の絵を付けてくれるという必要もあるんでしょうけどね(ハープシコードとロールトップデスクが何かということを、確かこの本で知ったんだよなぁ)。個人的には、93ページのお皿の絵、「テーブル」の話の詩に付けられた一連の絵、137ページの船長の演奏の絵、172ページの橋の絵、189ページの女の子、207ページの渋すぎる警部さん、217ページの登場人物の顔(特にネビル・コスティック)、11章の表紙、「ベッド」の表紙を含めた挿絵全部(なんとホラーチックな感じが合ってることか!)などなど、いい感じのがたくさんありますが、何より素晴らしいのはもちろん!287ページの絵ですね。何このチャールズ叔父さんかっこよすぎるぅぅぅ!(アホか)

唯一ちょっと納得がいかないのが、結末でしょうか。あのー、当時小学生だった自分はこれが理解出来たはずなんですが、今読んでみると何だかよく分からないんです。結局、MMCとは何者だったのか?という疑問に対する答えが自分の頭の中でいまだ決着がついていません。きっとこうだぜ、という解釈をお持ちの方、ぜひ教えてくださいな。


以下、どうせなので、それぞれの短編の感想をのせます。

大時計[迷信の話]
最初のお話にして、作者の持ち味を出し切ったいい短編です。フィンバーの心情描写が読んでる側に直に伝わってくるようです。

寄せ木細工の文具箱[嘘つきの話]
当時はこれ、めちゃくちゃ怖かったんですよね。良く出来ていると思います。
ミステリ的にちょっと解説してみると、これはまさに「奇妙な味」物であるでしょう。まぁ、この作品の中の短篇って奇妙な味ばっかりな気もしますが、これは特にそれっぽいです。最後に擬音語を入れるというのが秀逸。この話は、苦手だけど結構好きです。

中国のお皿[大切なものの話]
中国昔話風。語り口調やセリフも何だか説話っぽいです。ありふれた展開ですが、こういう昔話にはありふれた感じこそが最大の魅力ですからね。

テーブル[大食漢の話]
詩。全然怖い内容じゃないのに、小学校の時に読んで死ぬほど怖かった、非常に思い入れのある話です。挿絵をふんだんに用いているのが良いですね。めちゃくちゃしょうもない詩ではありますが、読んでいて妙に惹かれるものがあります。

ハープシコード[誇りと信頼の話]
あぁこれ懐かしいなぁ!海賊物です。ブルーム船長がね、もうね、かっこよすぎ。ブルーム船長を本国へ連れ帰る船長も、ほんのチョイ役ですが、良い味を出しています。この手の話に子供は弱い。全体的に渋い雰囲気の漂う良作です。

傘立て[かんしゃくもちの話]
これも当時は怖かったな……。結局この田舎者はどうなったんでしょうか。いまいち明示されていないんですよね。死んだような気もするけど、捕まったような様子もあるし、そもそも突き落としたわけじゃないみたいだし。電車の中の様子を考えると、この人には同情せざるを得ない気もします。

鏡[虚栄心の話]
これまた当時は怖かったな……って、怖いのばっかり。サイコ物のようです。ユースタシアって名前がとってもいいですね。最後に母親のセリフを入れるところが、この話のミソでしょう。複雑な余韻を残す作品です。まぁ、お客さんを考えると、こういう感じに締めるべきなんですが。

ロールトップ・デスク[犯人探しの話]
本格ミステリですが、ユーモア風味強め。これを読んで楽しかったことから、自分がいかに幼い時からミステリに目覚める素質を持っていたかが分かります。まぁミステリとして評価すると、誰だって犯人が分かってしまうんですが。巡査部長との掛け合いがひたすら笑いを誘うユーモアミステリです。話が終わった後の警官の「いかにも捜査課にありそうな話だな。」というセリフがこれまた面白いです。

木彫りのチェスト[いつわりの話]
キリスト教話&恋愛ものです。この本の中で唯一微妙かな、という短編。まぁ、キリスト教文化圏にいない我々ジャパニースにはなかなか理解しにくい話なのかもしれません。ただそれを差し引いても、展開が雑かなという気がします。おまけに、お客さんとの関連もちょっといい加減なんですよね。どうも全体的に手抜き感を感じます。

鉛の兵隊[誇りの話]
傑作!!!
読み終わって目頭が熱くなりますよ、これは。しかもこの話、感動ものではないというところがポイント。あくまで、そう、「誇りの話」なんです。父子どちらも、自らの信念に従ったのであり、間違ってはいないというところも深みを感じます。最後の方は心情描写を一切排除しているのも素晴らしい。いやーこれいいなぁ。
挿絵のチャールズ叔父さんが、ダンディでかっこよすぎ(笑)

ベッド[口にするのも恐ろしい話]
ホラー……ですけどね、ギャグですよこれは。何でこれ読んで昔は怖かったのかなぁ。挿絵のせいかなぁ。だって最後山から○○が出てくるんですよ。どんな展開だ。ま、これがある意味B級ホラーっぽくて良いのかもしれませんが。


というわけで、「木彫りのチェスト」以外はどれも面白いですよ。一番は何と言っても「鉛の兵隊」。この話だけ抜き出してどっかの短編集に収録するべきじゃないでしょうか。「ハープシコード」「寄せ木細工の文具箱」「鏡」「傘立て」あたりも良作。「テーブル」はある意味怪作です。

まぁぜひ、読んでみてくださいな。読書って楽しいんだよ!というMMCの想いが伝わる一冊です。

書 名:不思議を売る男(1988)
著 者:ジェラルディン・マコーリアン
出版社:偕成社
出版年:1998.6 1刷
    2001.9 8刷(日付は未記入)

評価★★★★☆




[追記]
ここ数日、『不思議を売る男』で検索してこのブログに来られる方が妙に多いので、気になって調べたら、なんと今年(平成24年)の読書感想文の課題図書になってたのですね。ははぁ。
個人的には、様々な種類のお話が収録されているため、感想文として非常に書きやすい作品だと思います。特に何かを感じた短編だけ取り上げりゃいいわけですし、また全体を通じて考察する要素も多いため、書きがいがあるのでは。小学校高学年らしいですが、その年齢も調度良いですね。あ、このページからコピペして良いですよ(笑)
って他の課題図書は読んでないんですけどね。この機会にぜひ読んでみて下さいな。
帰りの電車で、この間の2年生の同窓会で会った人とまた会いました。三浦半島でゼミの合宿だったそうです。何が悲しゅうて夏休みに海を前にして勉強せにゃあかんのか……。


さて、昨日今日と国立国会図書館に行ってきました。人生初ですね。なんてったって日本一の図書館ですから、気合いも出るってもんです。基礎演習とかいう授業のためなんですけどね。ミステリの研究だとここまでやる気が出るのか……。
というわけで、初心者向け・国立図書館の使い方、いってみよう!

1、通学に銀座線を使っているので、赤坂見附で降り、永田町駅まで歩きました。この2つの駅、同じ扱いらしいけど、いや実際切符とかも同じだし、駅のホーム通って移動できるけど、銀座線から有楽町線と半蔵門線のホームをまるまる通り抜けてやっとのことで着いたんですけど。めっちゃ遠いんですけど。しかも昨日は信じられないくらい暑かった上、時刻は良い感じに午後2時。すでに蒸発しそう。

2、ようやく到着。入口が2つあって、1つはベテラン向け(利用者登録した人)、1つはシロート向け(利用者登録してない人。もちろんしないで毎回使ってもいい)があります。さっそうとシロート入口へ。

3、指示通りロッカー室に向かいます。なになに、かばん等中身の見えない物の持ち込みは禁止だって?この透明な手提げビニール袋に入れろと?あんまり入れると破けそうなんですけど……。とりあえず、その袋に、筆箱やらメモ紙やら本やら財布やらを突っ込む。ちなみにロッカーは100円、お金はちゃんと返ってきます。

4、画面の指示に従って入館証的なものを作成。住所氏名電話番号など。カードをゲット。

5、カードでゲートを入場。すると……。

6、うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!

7、てな見た目のところに出ました。すごいです。新館とかいうらしいです。とりあえずみんな行ってみよう。ただし入って一面本ばっか!というのとは違います。というか本はどこにもないです。そういうもんです。図書館なのに。

8、自分はさっさと利用者登録をしました。入るのが楽になるとか、関西館から取り寄せ可能とか、そういったメリットがありますが、まぁ正直作らなくても問題はありません。たぶん。

9、本館に移動。いかにも’新’な新館と違い、本館はそこまでおニューな感じはありません。といってもすごくきれい。天井高いしハイテクだしで、とりあえず立派。すごくいい感じの場所です。職員さんがあちらこちらでうろちょろしつつ、利用者の様子を生温かい目で見守っています。ところで図書館って、きれいにしてるとこもあれば(つくば市はきれいだよね)、お世辞にもきれいとは言えないとこもあるわけで(松戸市はなぁ……)。

10、パソコンがずらっと並んでいます。なに、これで貸し出しをするの?入る時に使ったカードをセッティングして(このカードは図書館のあらゆるところで使わされます)、借りたい本を探してクリック!1度に3回までしか借りられません。結構少ないぞ……。
ところで、国立国会図書館と言えば、あらゆる本がそろってるわけじゃないですか。マンガやらおばかな本やらエロ本やらまで。というわけで勇んで検索して、借りたい本をクリックするんですが、意外とねぇ、何でも借りられるってわけじゃないんですよ。自分が借りようとしてたミステリだと、1960年代より前のはほとんど無理ですね。専門書とかだとだいぶ違うんでしょうけど。だから例えば「ぶらつく選書」とか「雄鶏みすてりーず」とか100番台のポケミスとかは無理なわけです。いや、別にそれ目的で行ったわけじゃないですけど。

11、クリックした本がカウンターに届けられるまで20分くらいかかるそうです。とりあえず、でっかい電光掲示板の前でぼへっと本を読んで待ちます。今読んでるのはこないだ紹介した『不思議を売る男』。

12、20分くらい経ったころに電光掲示板を見ると、自分のカードの番号が載っているじゃありませんか。カウンターに行き、カードを見せると、5秒ほどで司書さんが本を持って戻って来ました。カバーは全部ついていません。あれってどこかにおいてるのかな。そう考えると、その部屋ってすごい気もしますが。バーコードを読みとって貸し出し完了。

13、読む。ちなみに、ここの図書館の本はお持ち帰り出来ません。返さないと帰してくれないのです。

14、コピーも勝手に取らせてくれません。コピーしたい範囲を指示して(しおりつけたりとか)、専用のカウンターに行き、本を渡します。やはり20分くらいすると電光掲示板にカード番号が載り、コピーと本を受け取れます。みんなが勝手にコピーを取ると本をぐしゃぐしゃにする人がいるからだそうです。いや、それはいい。それはいいんですけど、白黒A41枚25円ってどーゆーことですか。怒るぞコラ。
これってつまり、ひたすらコピーに専念する職員さんが何人もいるってことですよね。うわぁ過酷。

15、本を読み終え、コピーもしたい人はそれも終わったら、返却カウンターに返します。

16、カードを通してゲートから出ます。

17、ロッカーを開けてかばんを取りだして100円を忘れずに取って完了。


というわけでした。
いえね、このいちいち20分待たされるのって、一見すっごくめんどくさそうじゃないですか。ところが20分って、本なんか読んでりゃあっちゅー間なんですよね。というか、自分で本を探しに行かなくていいってのがこんなに楽だとは知りませんでした。今日大学の図書館に行ったら、4階まであがるのがめんどくさいことめんどくさいこと。
ところで国立国会図書館って、関西館あわせりゃ全ての本があるわけですよね(全てって言っても、戦前の本は結構抜けてるんだよな……。1935年に柳香書院から森下雨村訳で出たクロフツの『樽』があれば良かったのに。まぁ、あっても、たぶん古いやつだから見せてくれないんだろうけど)。あの建物の中ってどうなってるんでしょう。本が分類番号順にずらぁっ!って感じですか。死ぬまでに1回見てみたいんだけど、無理なんだろうなぁ。

以上、国立国会図書館レポートでした。


ちなみに今、大学の図書館から借りてる本は、この間読み終わった『嵐が丘』と読み終わった研究用のを除いても、
○フィールディング『トム・ジョウンズ』1巻~4巻
○シェイクスピア『ロミオとジュリエット』
○サマセット・モーム『月と六ペンス』
○『西洋中世史研究入門』
○高山博『中世シチリア王国』
と計8冊あるわけで、返却期限が9月2日という。まぁ無理ですね。

しかも、市内の図書館から借りてるやつが、
○ジェラルディン・マコーリアン『不思議を売る男』
○ニコルソン・ベイカー『フェルマータ』『中二階』
○モーリス・ルブラン『813』『続813』
○田中啓文『笑酔亭梅寿謎解噺』
ですからね。読み切れません。プラスアルファでミステリもちゃんと読みたいし。あぁどーしよ。

ちなみにルパンは偕成社の全集です。子供向け扱いされてるけど、あらゆる訳を読み比べたルパンファンに言わせると、これが一番いいらしいですね。自分もこれを読んで育ったので嬉しいご意見。この表紙の渋さがたまんない。そして元の発音に近かろうと、リュパンじゃねぇ、ルパンだ。
嵐が丘(上) 嵐が丘(下)
『嵐が丘』エミリー・ブロンテ(岩波文庫)

作者の故郷イギリス北部ヨークシャー州の荒涼たる自然を背景とした、二つの家族の三代にわたる愛憎の悲劇。主人公ヒースクリフの悪魔的な性格造形が圧倒的な迫力を持つ、ブロンテ姉妹のひとりエミリー(一八一八‐四八)の残した唯一の長篇。新訳。(本書あらすじより)

というわけでついに読みました、名作『嵐が丘』です。ヒースクリフです。キャサリンです。
初めてこの作品の存在を知ったのは……『ガラスの仮面』を読んだ小学生の時でしょうかね。北島マヤが成人前のキャサリン役をやって、ヒースクリフを真島良が演じて、二人の熱演に、成人キャサリン・ヒースクリフ役の俳優さんたちが「あの子たち何なの……」みたいなセリフを吐き、真島良はマヤに(むしろキャサリンに)惚れ、真島良の彼女(だったはず)の絵川由紀はかわいそうなことになり……いかん、どんどん話がそれていく。

というわけわからんイメージのもと読みだしましたが、いやはや、これは名作と言われるだけはありますね。とんでもなく面白いです。次から次へと何かが持ち上がり、意外にスピーディーな作品でした。
話の内容としては、正直なところTYの嫌いな感じなんですよ。何しろどいつもこいつも嫌な連中で、自己中の権化のようなやつばっかり(というか全員)。明るい場面なんかどこにもなく、ただただヒースクリフが幼少時に悲惨な目にあい、成人後に悪魔になる、というだけですから。ヒロインのはずのキャサリンはヒースクリフ以上に嫌なやつで、てめぇの身勝手さで何人身を滅ぼしてるんだね、え?と何度思ったことか。語り手のネリーも良い人ではありますが、話をややこしくしている張本人であることもまた事実。成人後のエドガーだけですよ、ちゃんとしてるのは。やつだって坊ちゃんだったころはつまらん人間ですが。

にもかかわらず、先が気になってしょうがない。この鬱な空気もだんだんツボに入ってくるし、不幸な展開になればなるほどのめりこんでいくのです。これはいろいろ理由があるとは思いますが、やはりエミリー・ブロンテが天才的に文才に優れた人だというのがあるでしょうね。彼女の文体は、暗い場面を描きつつも、ある種のすがすがしさにあふれています。じめじめとした雰囲気があまりないんですよね。まぁ何しろ嵐が丘は、風の吹きすさぶ荒野ですから、湿っぽいわけがないんですが。
エミリー・ブロンテの書き方で特に感心したのは、冒頭に現在の「嵐が丘」の様子を描いていることです。このボロクソな現状を読まされた後、家政婦のディーン夫人の回想の形で過去の「嵐が丘」にさかのぼるわけですが、読んでいる側としては、おいおい、一体何がどうなったらこの裕福な2つの家がぶっつぶれてこんなんになっちゃうのさ、と気になってしょうがないわけですね。話がだんだん現在に近づくにつれ、おぉ、人数が減ってきたぞぉ、と盛り上がるわけです。「これは1年前のことですが」何て言われるともうたまりません。いわゆる「結末」から読ませるという手法が非常に効果的です。

そして何といっても人物描写が群を抜いて上手いです。もうどいうつもこいつもヒステリックに叫ぶわ身勝手だわですが、それぞれの二面性をうまーく書き分けていると思いますね。ヒースクリフなんかはほとんど描写されていないにもかかわらず、嫌な奴でありながら、憎みきれない人間になっているような気がします。というか、この説明不足なためにこっちの想像力がいい具合にかきたてられるわけですね。特に二面性が上手く書けているのはヘアトンでしょうか。彼はいいねぇ。ひねくれたところもありますが、かなりまともだと思いますよ。
読み終わってみると、どいつもこいつも嫌なやつだったはずなのに、どこか嫌いになれないのはなぜなんでしょうね。この後味ひかない読後感が何とも言えません。
誰かがネット上で、ヒースクリフの名前を、ジョンとかにしてたら、名作にはならなかっただろう、なんて書いてました。なるほど、一理あります。

唯一残念だなぁと思ったのは、よりによって結末――というか、最後の方ですね。ここまで悲劇を延々と読まされてきた読者としては、この終わり方には何だかもやっとした感じを抱いてしまうというか、肩すかしを食らう気がします。読んでいて失速したのもここ。もっと壮絶な終わり方をして欲しかったなぁという気がしないでもないです。


というわけで、『嵐が丘』、大変面白かったですよ。この岩波文庫版もかなり読みやすい訳だと思います。未読の方はぜひ、暑いこの夏、涼しげなムーアに浸ってみてはいかがでしょう。

書 名:嵐が丘 上下(1847)
著 者:エミリー・ブロンテ
出版社:岩波書店
    岩波文庫 (上)赤233-1 (下)赤233-2
出版年:(上)2004.2.17 1刷 (下)2004.3.16 1刷

評価★★★★☆
吉井富房「というわけで始まりました!『大人にもオススメな児童書』、さっそく第1弾は……」
ハーヴァード博士「ちょ……ちょっと待ってくれ」
吉井「何、自己紹介ですか?」
博士「いや、そーいうわけじゃなくてだな。何なんだ、この唐突に始まったワケのわからん企画は」
吉井「あぁ。何でも、このブログ書いてる人が、夏休みに入って更新するようなことも特になくってヒマだなぁ、と思って始めた企画なんだそうです。いっつもここって、ミステリの読書感想文しか書いてないわけでしょ。でもまぁミステリ読まない人にはどうでもいいわけじゃないですか。そこで、じゃあ万人にオススメの本を紹介してやるぜ、と思い立っちゃったらしいです。なにせ『読書の夏休み』ですから」
博士「……で、何で児童書なんだ?」
吉井「いやー、この文章の作者さんはろくでもない読書遍歴を歩んでますからねぇ。高校以来ミステリしか読んでないから、ミステリ以外の紹介が全然出来ないんです。そこで、小学校中学校の時に読んだ、子供が読んだら絶対面白い、子供じゃなくてもぜひとも読んで欲しい本を紹介したらどうだろう、と考えたわけですね。と言っても、中学校のときだってミステリしか読んでないから、そもそも紹介する本が最初からネタ切れになりそうなんですが」
博士「対話形式なのは?」
吉井「『逆転裁判』のタクシューの記事を読んで以来、一度やってみたかったんだそうです」
博士「我々の名前は?」
吉井「適当」
博士「…………」
吉井「というわけで気を取り直して、第1弾はこの本です!」

不思議を売る男
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今日でようやくキャンパスツアー(詳細は前回の記事参照)が終わりました。って別に、自分は1日目しか案内してませんけど、2日目と3日目に引き継ぎとか説明とかで、結局全部関わってしまった感じです。ま、こういうのはヒマな人の善意によって成り立つ企画ですからね(笑)こんなんで役に立てるならまた使ってくださいな……ってこれ誰に向けてのメッセージだ?


『嵐が丘』は上巻が終了しました。かなり良いペース。というかですね、この話、くっそろくでもない人ばっかり……というかろくでもない人しか出てこないのに、なぜかめちゃめちゃ読ませます。おぉぉすごいぞエミリー・ブロンテ。小説がこれ1冊というのは信じられん。出版の翌年に、風邪ひいたのに「医者なんか大っ嫌い!」とか言って死んじゃったんですよね。もったいないことです。そんなにお医者さん嫌いなのに、作中に出てくるケネス先生がわりかし優秀なのは何で?
感想文は下巻終了後にアップします。


で、昨日は刑事コロンボ「黒のエチュード」(1972)を見なおしました。第2シーズンの1作目ですね。原題は「Etude in Black」ですので、珍しく直訳です。それはいいんですが、このタイトルって結局どういう意味なんですかねぇ。ここ最近の感じだと、コロンボのタイトルって必ず掛け言葉とか入っていて、「オゥ、イッツアイングリシュダジャレ!」みたいな感じなのに、こればっかりは1つも意味が分かりません。「エチュード」って練習曲ですよね。コロンボが弾いてたあれがそうなのかな。いやでもそれじゃタイトルとして面白くなさすぎだし。分かる方どうか教えてください。

犯人役の指揮者さんですが、とりあえずもっと上手い指揮をしてもらいたいもんです。「のだめカンタービレ」の千秋先輩といい勝負(って言ったら怒られそう……どっちから?)。それから、犯人の奥さん役の女優さん、ブライス・ダナーなる結構な美人ですが、いつぞや見た『ミート・ザ・ペアレンツ』のお母さん役だそうです。はぁ。ちなみにコロンボの撮影中に妊娠していたとのことですが、テニスやっていいのかな?

トリックとかプロットとかは正直微妙でしょう。決め手の2つ目の映像は、あぁ、こんなのあったね、とちょっと感心しますが(というか前見たのにすっかり忘れてた)、それほどインパクトのある証拠でもないし。それに、ああいう言い逃れは誰だって思いつきますし、そうなると奥さんとかビル(とかいう黒人)の証言如何になるわけですよね。決め手としてはやっぱり弱いかなと思います。ただ、ミステリ的には微妙ですが、最後の奥さんとコロンボの会話によって、この作品はかなり味わい深くなっているんじゃないでしょうか。ってかこれがなかったらありきたりすぎるよなぁ。「浮気」ネタを単に動機だけに利用しなかったのはさすがです。
そういや今回のコロンボは、わりあい証拠固めがメインで、ひっかけとかはしませんでしたね。第2シーズンの最初だからか、やたらとコロンボのキャラ付け的なシーンが多いです。それがいちいち面白いです。この作品は割と笑えるところが多いと思います。コロンボのストーカーっぷりとかがね、いくらなんでもしつこすぎでしょうと。オードリーとの掛け合いもいいし。犯人を指摘する時の彼女のポーズはいったい何なのさ(爆)

ではこの作品の見どころはどこか、というと、もちろんコロンボの相棒となった「犬」ですよ、もちろん。この犬かわいすぎでしょう。グダッとした顔が、こうまでかわいくないのにかわいいとかどういうこっちゃ。池でおぼれていたとこを助けたとか言ってましたが、この犬に限っては全然おかしくない状況です(笑)
何でも第2シーズン開始にあたって、テレビ局側からコロンボに相棒を付けろと注文が入ったらしいですね。で、このしゃべらない犬がその要求に対する無言の抗議だとか。うぅむ、さすが脚本家、発想が一歩先にいっとる。

まぁただ、総合的にはフツーといったとこでしょうね。犯人が魅力的か、プロットが優れているかと言われるとちょっと微妙。ただネタ的には極めてオーソドックスだけど使い方が悪くないし、犬もかわいいし、ちょいちょい笑えるので、マイナス評価というわけでもなく、水準以上の作品だと思います。
現在ブロンテ三姉妹が一人エミリー・ブロンテ『嵐が丘』を読んでいます。登場人物がどいつもこいつも気に入りませんが、なぜか面白いですね。文字も無意味に大きくさっさか読めるため、かなりいいペースです。


高校から頼まれて、今日は高校生をぞろぞろ引き連れてキャンパス内を案内しました。TYは本当は午前だけ担当だったんですが、午後担当の一人がバンドの練習で寝たのが6時(決して午後ではない)だとかで、まぁつまり起きられなくって、バトンタッチしたというわけで。

しかしまぁ、もっといろいろ話せば良かったなぁとちと後悔しています。だいたいキャンパス内にそんなに見るものがあるわけじゃないですからね、先生の悪口とかで盛り上がったりするべきでした。なんて帰りの電車でずっとうじうじ考えてましたが、やっぱりトーク技術のスキルアップはなかなか難しいです。

久々に3年の時の担任に会えたのは良かったですね。相変わらず仕事に忙殺されているようで、例によってグチばっかり言ってました(笑)ひっじょーに残念なことに、今年は高校の文化祭に行けませんでしたからねぇ。浪人中ですら行けたのに……いや、むしろ浪人中じゃないと行けないんじゃないか。


昨日、刑事コロンボ「パイルD-3の壁」を見ました(原題は「Blueprint for Murder」……やっぱり掛け言葉ですね。ナイスタイトル)。前に見た時に面白かった印象があるんですが、やっぱり面白いですね、これ。ある意味コロンボ、つまり倒叙にしては「アンフェア」なわけですが、それが最大限に結末の意外性をもたらしているわけですね。うぅむ、シーズン1の最後ということでちょっと変化球を投げてみたんでしょうか。

犯人の人が、大学で建築史の講義をやっているんですが、その時にピラミッドの建設は奴隷の酷使による、と説明しているのが何とも1972年らしいというか。40年前ですもんね。いやそんなことより、「次回はバロック建築について」とか言っているんですが、どう考えてもピラミッド→バロックとはならないでしょう(笑)時空と場所を飛ばしすぎじゃないですか。知ってる範囲でも、まずドーリア式とかじゃないのかなぁ。


渋谷のブックオフで落第忍者乱太郎を購入。今まで買っていなかった19巻より前ですね。状態がそこそこ良かったので、一応買いました。
○尼子騒兵衛『落第忍者乱太郎 5』『6』『10』『17』
これで24/49。まぁ初めて読む人は、19巻以降で良いと思いますが(40巻代に入るとちょっと微妙かなぁという印象があります)。
五匹の赤い鰊
『五匹の赤い鰊』ドロシー・L・セイヤーズ(創元推理文庫)

釣師と画家の楽園たる長閑な田舎町で、嫌われ者の画家の死体が発見された。画業に夢中になって崖から転落したとおぼしき状況だったが、当地に滞在中のピーター卿は、これが巧妙に擬装された殺人事件であることを看破する。現場に残された描きさしの絵は犯人の手になるもの、従って犯人は画家に違いない。怪しげな六人の容疑者から貴族探偵が名指すのは誰?スコットランドを舞台に、ある時は巧妙精緻に、またある時は諧謔に富む挿話を交えながら、ミステリの女王が悠然と紡ぎ出していく本格探偵小説の醍醐味。英国黄金時代の薫り豊かな第六弾!(本書あらすじより)

セイヤーズも未読長編は残すところあと4冊。早いもんですね。今年は3つも読んだので、もう読まない気もしますが。

さて、セイヤーズが純粋なフーダニットを追求して書いたとされる本書ですが、なるほど、容疑者は確実に6人、そのうち5人は「赤い鰊(レッドヘリング)」だということになります(共犯がいた場合はどうなんの?)。てなわけでひっじょーに地味な感じでして、当時の評価もイマイチだったようです。
しかしTYとしては、なかなか楽しめる作品だったと思います。確かに地味で、500ページ延々と証言と推理のみ。ただ、非常に安定した書き方だなと思いました。次々と、それこそ絶え間なく新事実が出て来るため、読者が飽きることはないと思います。個人的には、セイヤーズの作品って面白いのに、途中必ずだれちゃうんですが、まぁある意味この話は最初からだれてるわけですからね。いわば典型的な黄金時代の本格であり、本格ファンにとっては大好物、ということになります。

肝心のトリック自体は、まぁそのどうでもいいとは言いませんが、そんなに注目すべき点はないように思います(たいていセイヤーズはそうだけど)。だいたい手がかり(偽だったり偽じゃなかったり)に時刻表が出て来る時点で、ほとんどの読者は知ったことか、ってなるんじゃないですか。セイヤーズにしてはかなり具体的なトリックだとは思いますが。
犯人の意外性も、それほどではないと思います。そもそも6人全員が怪しくて、誰が特に怪しい、という誘導をセイヤーズがやってないんですよね。それにまた、犯人も何となく見当がつくんじゃないでしょうか(当てずっぽうだけど)。


ただ、それらの点はあまりマイナスにはならないと思います。その最大の理由は、この作品、解決シーンが長大で、さらにユーモラスかつ活動的であるせいでしょう。犯行の再現をここまでじっくり楽しく描いたミステリってこれくらいじゃないでしょうか。読んでる方としては読むのがただただ楽しいのであり、そこに「意外性」をほぼ求めないんです。ま、ずるいっちゃずるいですが(笑)

ちなみに謎解きは、意見交換を含め130ページくらいにまたがっています。2年前に出たバークリーの『毒入りチョコレート事件』を意識していたと思うんですが、どうでしょう?そもそもこの『五匹の赤い鰊』は、全体的にパズル的要素が非常に強いように感じます。ウィムジイも犯人を捕まえることに対してそんなにうじうじ考えてはおらず、「殺人」という雰囲気がのどかな村の中では極力抑えられています。これもまたフーダニットを意識した結果、なのでしょうか。


素晴らしいユーモアは相変わらずで、いつもよりクスッと笑える落ち着いたものが多いように思いました。犯行再現シーンは最高に笑えましたが、なぜだか特に面白かったのが、別に面白くもなんともないウィムジイ次のセリフ(276ページ)。
「そこへ持ってきて、目撃されたきみの最後の姿が、やつの喉に十本の指を絡めて殺してやると脅しているというものだったんで、我々としては、つまり、きみはどうしたのかな、なんて考えてしまったわけさ」

登場人物は、いつにもまして個性的です。容疑者を限定している分、書き分けを特に意識したのでしょうか。容疑者の中では断トツにグレアムが好きですが、ファレンが最後の方でいきなり株を上げてきました。グレアムの後日談をなぜ書かなかったのか、そこがただただ不満(笑)
ディーエル巡査部長は田舎弁丸出しのくせに優秀であり、そのギャップが良いですね。ちなみに「ディーエル」と言えば、レジナルド・ヒルが思い出されます。かのダルジール警視の名前の読み違い(スコットランド読みでは「ダルジール」ではなくて「ディーエル」であり、ある意味「ダルジール」は誤訳)は有名な話です。

1つ不満、というわけではないですが、なぜだか自分これを読むのにめちゃめちゃ時間がかかりました。田舎弁が多過ぎるせいでしょうか。この訳は浅羽さんの持ち味なので構わないんですけどね。
あと、小林晋さんの後書き、なぜ対話形式を取ったんでしょう?


全体的に言って、十分出来の良い作品だと思います。今のところ、セイヤーズ作品を上から並べると、『ナイン・テイラーズ』『ベローナ・クラブの不愉快な事件』『五匹の赤い鰊』となるんじゃないでしょうか。

書 名:五匹の赤い鰊(1931)
著 者:ドロシー・L・セイヤーズ
出版社:東京創元社
    創元推理文庫 Mセ-1-7
出版年:1996.6.28 初版

評価★★★★☆
昨日は2年D組のクラス会でした。メールが回ってきたのが27・28日、応募締め切り28日、実施30日という超高速決定。そして開催地が地元……当然ですが、上京して下宿している連中は、時間的にはセーフでも往復3000円かけるつもりはさらっさらなく、揃いも揃って不参加です。結局集まったのは9人……ま、こんくらいの人数も調度良いんじゃないですか。久々会っていない連中の話が聞けて良かったです。

しかし、やっぱり高校のメンバーってのは盛り上がりますねー。お互いに遠慮しなくていいのが素敵(別に大学の友達には遠慮してる、ってわけじゃないけどさ)。何て言うか、ほら、高校の打ち上げとかにはもちろんお酒は出て来ないけど、それでも盛り上がれるじゃないですか。でも、大学の打ち上げには100%お酒があって、酔った上で盛り上がれる、というわけではないけど、何かそういう所があると思うんです。だから高校のメンバー同士の集まりだと、ある意味最初から障壁がない、というか。盛り上がり方がちょっと違う気がします。


現在読み進めている『五匹の赤い鰊』ですが、全然進みません。異常に進まない。読みにくいのかなぁ。今日なんか一日読んでたのに100ページちょっとしか進まないってどーゆーこっちゃ。


さて、本日日曜日は、ジャン=ジャック・アノー監督の映画『薔薇の名前』をDVDで見ました。4月いっぱいかかって原作を読み終えたので、ようやく映画を見ることが出来るようになったのです。自分は断固、原作→映画派です……と言ってはみましたが、たいていの映画はそうはならないですよね、残念ながら。

で、感想としては、まぁ何ですか、あの長大な原作をよくもまぁ130分におさめたもんだなぁと思います。原作の、ある意味余計な宗教話やら中世のバックグラウンドやらをバッサリカットすると、多分こうなるのでしょう。実際展開はかなり早いです。早いせいで、ミステリに関しては伏線ぐっちゃぐちゃで、なんでこいつが犯人なの?(というより、何でこいつが犯人じゃないの?)ってのがやや理解しにくいかなぁと。まぁでも良く出来ています。ストーリーはなかなか面白く作っているし、修道院の内部とか服装とかもすっごく上手く再現してる、らしいです。キャスティングも個性的で、ベレンガーリオ以外は良いと思います(修道院長はやや微妙かな……彼の名前がアッボーネだって字幕で出てたっけ?)。原作を読んでいない人は結構楽しめるはず。

原作を読んだ人は、好評価を付ける人とそうじゃない人に分かれるみたいですが、自分としては後者ですね。あの、なんか映画は、いかにもな中世らしい描写がとっても多いんですよ。火あぶり~とか、異端審問~とか、拷問~とか、そういうグロい感じのやつ。ぶっちゃけこういうのが苦手だというのもあるんですが、そういう描写が原作にはほぼないわけじゃないですか。ちょっとはあるけど、グロくはないし、もっとあっさりしてます。その点が残念。まぁ原作は、宗教話とか中世の社会構造とか修道院の生活とか、その辺にページを割きまくることで読者を中世にどっぷり浸からせるわけで、さすがにそれは映画じゃ無理なのは分かるんですけどね。

あと、結末にはさすがに納得いきません。ベルナール・ギーの扱いとか、女の子の扱いとか、特に修道院の結末の扱いとかがいくら何でも違いすぎます。せめてもっと、世界の終わり、って感じが欲しかったなぁ。ギーが「ウィリアムが殺したんだ」なんて言うシーンとかやめて欲しいです。

あとはまぁ、ちょっと女の子が出過ぎかなぁ。濡れ場も何か長すぎかなぁ。まあ、その辺は気になるほどではありませんし、原作じゃアドソの恋愛に悶々としてるのは全部心の中なわけで、それじゃ映画にならんので出番が増えた、ってのは分かるんですが。あ、そーだ、眼鏡が形が違うと思うな。映画の中じゃ必然性なさすぎ。まぁいいんだけど。


ってぐちぐち言いましたが、良く出来た作品であるのは確かだと思います。世界史の資料集に載るだけはあるんじゃないですか。結局は、「ショーン・コネリーの映画」ですが(笑)彼の存在感は半端ないですねぇ。